田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

丁字の滝

2007-11-18 18:31:32 | Weblog
       
11月18日 日曜日 晴れ
●丁字の滝からさらに玉簾の滝にむかう。道標に従い川沿いの山道を歩く。やがて河原を横切って丸太橋があった。橋とはいうが腕ほどの太さの丸太が四本かかっているだけだ。それほどの高さはないものの川の流れは急だった。わたしは渡れたが、カミサンは足がすくんでしまった。

●「もうだめ。こわい。かえろうよ」
行く手をのぞいてみたが、滝のある場所はわからない。

●カミサンと持参したお握りで昼食をとった。猿のフンが辺りには散乱していた。カミサンは神経質だからそのことを話題にするのは避けた。それでもカミサンは「食事しているときが、いちばん危険なのよ。はやく帰ろう」と繰り返している。カミサンがこんなに臆病であるとはしらなかつた。わたしをあまり頼りにしていない。若いつもりでいても、それは自分だけのことらしい。なさけない。

●帰路猿の群れに出会う。


       

●落葉がかわいた音をたてて道路をながれていった。バスの通過した後では落葉が虚空にまいあがった。高原には冬の訪れが色濃くなっていく。

       

男体山



霧降の滝 2

2007-11-18 01:17:00 | Weblog
11月17日土曜日 晴れ
●飛瀑轟音をとどろかせ紅葉を揺るがし、岩にあたって霧をわかせ、滝壺におちて渓谷を流れる。流れの名は、板穴川という。どうもだめだ。霧降の景観に負けて文語調になってしまう。

 霧降の滝 「山のレストラン」から
       

●霧降の滝を見下ろせるテラスのある「山のレストラン」に入った。ブレンドコーヒーを飲んだ。カミサンは洋ナシのタルトをとった。ストーブをつけてもてなしてくれた。

       
●少し肌寒かったのでうれしかった。店内のフロアーの方には薪の暖炉があった。暖炉に薪をくべるのを見てカミサンはいたく感動した。「家にもこんな暖炉がほしいわ」でるぞでるぞ、とおそれながらも期待していた言葉だった。なんでもすてきなものを見るとほしくなるらしい。寂光の滝の途中に瀟洒な別荘があった。まあ、カミサンはいろいろなものがほしくなる。すべてを満たしてやるには、あと何年働けばいいのだろう。すごくたのしくなる。いつまでも元気でいなければね。まあ、まちがっても韓流のイケメンスターをほしいなどとは言わないから安心だ。

●霧降隠れ三滝を目指す。霧降の滝だけで、観光バスのお客のように二社一寺を目指したのでは裏日光観光案内ブロガーの恥だ。老いたりといえども、まだまだ健脚ぶりを発揮することとなった。

●チロリン村の右にバス停。霧降隠れ三滝の道標があった。丁字の滝。玉簾の滝。マックラ滝。

●でも、少し歩いただけで、右に別れた道にガードバーがあるので仕方なく引き返した。バス路線にもどり20分ほど歩いてから右を見ると林の中に向って古い道標が見つかった。

●丁字の滝。人気のない林、獣道みたいだ。人が歩いた痕跡がない。でも、ところどころ丸太を並べて段としたところがある。この道を下っていけばいいのだろう。カミサンがこわがって引き返そうという。遠く野猿が熊笹をわけて移動している。わたしたちをつけてきているのかもしれない。そのことを教えたら気弱なカミサンが泣きだしたらことだ。

●枯れ落葉が重なり朽ちてぬかるんだ道。すべったり、木の枝にすがったり、足をとられて尻もちをついた。

●「モウカエロウ。ナンダカコワイ。ダレモイナインダモノ」
「おれがいる。いちばんたよりになるおれがいるじゃないか」
「パパが心配なの。倒れないでよ。モウカエロウヨ」
「いますこし。いますこし」

●けっきょく、急な傾斜を下ること20数分。川にかかったコンクリートの橋が見えた。

●丁字の滝まではさらに山にわけいりさらに20ぷん。

●「滝壺まで下りてみよう」
「ヤメテェ。寂光の滝でもよろけてあぶなかったんだから」
「あれはよろけたんじゃないの。イナバウアーをしようとしたら……」
「おなじことよ。やめてね」

●木の根元から白い荷造り紐みたいなロープが垂れていた。滑り止めのたんこぶの結びができていた。だれか親切な人が滝壺に容易におりられるようにさげておいてくれたのだろう。

●恨めしくそのロープをみながら道を引き返した。

●続きはまた明日。

 丁字の滝