田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

戦いたくない/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-04-04 14:22:30 | Weblog
「翔太。逆らうな。おれはもう長く生き過ぎた」

 凶悪な表情をしてルーが二人に迫る。

 ほとんど全滅したと伝聞していた東欧の暗い森の住人。
 
 残虐な吸血鬼。
 
 人を串刺しにすることなど平気でできる種族だ。

「おれならだいじょうぶだ。このままでいい。放置しておいてくれ。じぶんのこと

くらい、じぶんでしまつする。逃げろ。翔太」

 ミヤがあえぎながら翔太にいう。

 翔太はあまり動かない。

 動けない。

 ルーの鉤爪の攻撃を避けるのに必死だ。

「ルー。やめて。わたしの彼よ」

「かってにエレナがそうおもっているだけだろうが」

「そんなことはないわ。翔太わたしを好きだといって。そうすれば身うちどうしは

あらそえないから」

 翔太は無言でミヤとエレナを背後に庇っている。

 このままルーと死闘をくりひろげても、まだマーとニャーがこちらをみて待機し

ている。

 そして、彼らはどうやら森で戦っているRFに脳波で指令をだしているらしい。

だから参戦することもしない。

それでいて、森のようすはすべて察知している。

「どうした?? 怖じけずいたか」

 声より早く背広の裾をコウモリの羽根のようにはためかせた。

 ルーの正面とび蹴りがおそってきた。

 避けると後ろのミヤが蹴り殺される危険がある。

 翔太は両腕を交差させて蹴りを防いだ。

 衝撃にヨロケタ。

 ルーの脚を捕えた。

 おもいきり逆にねじった。





one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。