田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

恋の妄想/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-04-08 10:35:37 | Weblog
第九章 恋の妄想

1

頭の中へ話しかけてくる。

ルーの声だ。

その声を翔太は拒むことができない。

『ニンゲンなんか好きになって、裏切り者のエレナだ。でも、妹だ。おまえ、妹を

裏切ったら血を吸うからな。すっかりぜんぶテツテイ的に飲み干してやるからな』

ル―のよく分からないことばが時々頭の中にひびいてくる。

だいいち翔太は年上のジャズシンガー玲菜に気がある。

玲菜も翔太を友だちいじょうに意識している。

恋人未満くらいまでの関係の中だ。

そこへエレナが割ってはいってきたのだ。

「気にしないよ。わたしそういうこと、翔太に女の人いてもぜんぜん気にしない人

だから」

「おまえ――ヒトかよ」

「そうよ、肌の色は翔太とちがうけど。わたしはルーマニヤ人。東欧の女。翔太の

ファムファタル(運命の女)なんだから」

ケロッとしたものだ。

まるで、そのまんま翔太のオッカケだ。

ストーカーもいいところだ。

だが、不思議と翔太はきにならない。

さいきんでは、恋人が吸血鬼というのもtrendyでいいかな、と思っている






one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。