第九章 恋の妄想
1
頭の中へ話しかけてくる。
ルーの声だ。
その声を翔太は拒むことができない。
『ニンゲンなんか好きになって、裏切り者のエレナだ。でも、妹だ。おまえ、妹を
裏切ったら血を吸うからな。すっかりぜんぶテツテイ的に飲み干してやるからな』
ル―のよく分からないことばが時々頭の中にひびいてくる。
だいいち翔太は年上のジャズシンガー玲菜に気がある。
玲菜も翔太を友だちいじょうに意識している。
恋人未満くらいまでの関係の中だ。
そこへエレナが割ってはいってきたのだ。
「気にしないよ。わたしそういうこと、翔太に女の人いてもぜんぜん気にしない人
だから」
「おまえ――ヒトかよ」
「そうよ、肌の色は翔太とちがうけど。わたしはルーマニヤ人。東欧の女。翔太の
ファムファタル(運命の女)なんだから」
ケロッとしたものだ。
まるで、そのまんま翔太のオッカケだ。
ストーカーもいいところだ。
だが、不思議と翔太はきにならない。
さいきんでは、恋人が吸血鬼というのもtrendyでいいかな、と思っている
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓

ああ、快感。
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頭の中へ話しかけてくる。
ルーの声だ。
その声を翔太は拒むことができない。
『ニンゲンなんか好きになって、裏切り者のエレナだ。でも、妹だ。おまえ、妹を
裏切ったら血を吸うからな。すっかりぜんぶテツテイ的に飲み干してやるからな』
ル―のよく分からないことばが時々頭の中にひびいてくる。
だいいち翔太は年上のジャズシンガー玲菜に気がある。
玲菜も翔太を友だちいじょうに意識している。
恋人未満くらいまでの関係の中だ。
そこへエレナが割ってはいってきたのだ。
「気にしないよ。わたしそういうこと、翔太に女の人いてもぜんぜん気にしない人
だから」
「おまえ――ヒトかよ」
「そうよ、肌の色は翔太とちがうけど。わたしはルーマニヤ人。東欧の女。翔太の
ファムファタル(運命の女)なんだから」
ケロッとしたものだ。
まるで、そのまんま翔太のオッカケだ。
ストーカーもいいところだ。
だが、不思議と翔太はきにならない。
さいきんでは、恋人が吸血鬼というのもtrendyでいいかな、と思っている
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓

ああ、快感。