田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

帰り道のゴールデン・レトリバー  麻屋与志夫

2013-06-17 18:11:07 | ブログ
6月17日 月曜日

●新鹿沼で下車する。

そして自宅まで20分ほどかけて歩く。

蓬莱町に一匹のゴールデン・レトリバーいる。

かれこれ17年くらいまえからだ。

わたしたちが、とおりかかると、小屋からでてきて挨拶してくれる。

かるく楽しげに吠える。

「お帰りなさい」といわれているようで、なんともうれしい歓迎の吠え声だ。


尻尾をちぎれんばかりにふる。

「犬も飼いたいね」

「飼うんだったらこの犬とおなじも。ゴールデン・レトリバーだ」

●そのワンちゃんが吠えなくなった。

小屋からよろよろと健気にも這い出してくる。

でも、声が出ない。

よたよたした動きでいまにも倒れそうだ。

●かなりの高齢なのだろう。

どうしてわたしたちに挨拶してくれるのだろう。

カミサンの少し甲高い、たが澄んだ声がすきだったらしい。

カミサンとわたしの話し声に反応して小屋をでてくる。

●昨日はカミサンがそっと頭をなでてやる。

左足をあげた。

必死でオテをした。

●カミサンはあたまをなでやった。

さしだした手をそっとにぎっていた。

●「もうおむかえがきているのよ」

カミサンは涙ぐんでいた。



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