◎本日の想像ＳＦ（詠み人しらず）

歴史の事実。
「詠み人知らず」
よく和歌や短歌で登場する。
これはペンネームである。
同一作者による作品が現代に伝わっている。
何世紀にも渡って、作品を発表し続けていないか？
当然の疑問だ。
実は・・・
不老不死の私だから出来た。
不老不死の私とはいっても、生きている訳ではない。
なんだか禅問答のようだが、実体のない思念とでも言おうか。
ふと思いついたら適当な人間の頭の中に入り込んで発表させるというカラクリだ。

ちなみに現代では「ネット」というものの中にいる。
非常に住みよい環境を人間は整えてくれて満足しておる。

◎本日の想像都市伝説

先日飼っていた猫が死んだ。
名前は「クッキー」
おばあちゃん猫だったので大往生だろう。
悲しい事があっても日常はすぎていく。
オレの職業は役者だ。
いろんなお仕事がいただけてありがたいが、本日のお仕事は３Ｄゲームのモデリングだ。
近未来ハードＳＦの登場人物らしい。
潜入、格闘、射撃。
スキャンされたオレのデータが大活躍。
完成が待ち遠しい。

「ではこちらのブースの中にお入りください。３Ｄデータをとらせていただきます。」

光を放つ棒が右、左、上下、後ろにも回り込む。
なんだか恥ずかしい気分だ。

「はい完了しました。次は動きのスキャンになりますのでよろしくおねがいします。」

しばらく、打ち合わせ等お仕事をこなしていると、最初の３Ｄデータスキャンのスタッフがやってきた。
「すみません、ちょっとこちらの画面を見てもらってもよろしいですか？」
パソコンの横に呼ばれたオレは画面をのぞき込んで息をのんだ。
「クッキー・・・」

オレの３Ｄデータの足下にクッキーがチョコンと座っていた。
お仕事見学かい。