日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎とある青年の休日小説

2012年06月25日 | ◎これまでの「OM君」
休日の朝はとにかく早く目覚めてしまう。
寝てなんていられないという事か。
平日はあんなに朝が来るのがいやなのに、休日パワーとはおそろしい。
地図とカッパをがばっとつかみ、ヘルメットの中にゴーグル、手袋をつっこむ。
ブーツを履く。
いちいちめんどうだが、出発前の儀式、荷物を荷台に固定する。
キーを差込み、跨る。
単気筒のエンジンに火を入れる。
出発。

特に目的地は決めていないが下道(したみち)使用、午前中に行ける所まで行って、午後の事はその場で考えよう。
本日の使命は自分に課してある。
バイクに乗った女の子を見かけたら世間話をする。
これだ。
ナンパという訳ではない。
楽しみは走ること。
それプラスアルファーだ。

南へ下るルート。
とにかく暑いがそれもまた良し。
Tシャツに手袋になっていた。
この格好で走ると、手は白、腕は黒、二の腕から肩にかけて白、パンダ焼けになって恥ずかしいが、それもまた良いだろう。
すれちがうツーリングバイクには必要に愛想を振りまく。
なんたって一人で走っている。
暇つぶしもかねている。


道の駅で休憩。
缶コーヒーを買い、タバコを吸う。
一台のバイクが入ってきた。
荷物満載の女性ライダーだ。
同じく、つかつかと喫煙所にやってくる。
手には缶コーヒー。
タバコはメンソール。
自分より排気量が大きい、もしくは限定解除のバイクには不思議なもので話しかけるには気がひける。
いける。
「こんにちは、暑いですね。」
「こんにちは、そうですね。」
どうやら、学生さんで1週間移動し続けるロングツーリングの最中らしい。
お互いタバコを2本吸い、旅の安全を祈って分かれた。

夕暮れを走り、夜道を走り、帰ってきた。
コメント
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