車を運転中、とぼとぼ道路を横断しているカメがいた。
車に牽かれそうだな。
車を路肩に止め、カメを用水路に離した。
その夜、
ピンポーン
チャイムを鳴らして誰かがやってきた。
スリーピースの背広を着た若者が立っていた。
「え~っと、どちら様ですか?」
「昼間、助けていただいたカメです。」
「・・・」
「昼間、助けていただいたカメです。」
「いや、聞こえてはいますが・・・そのカメさんがどのようなご用ですか?」
「あの後、家に帰りましたら、おやじに怒られまして、助けられた恩を返さないのは人間以下だって。」
「カメの方が上だと思っていますね。ってこのくだりは有名な落語の「たぬき」ですよ。」
「何でも好きな願いを3つ叶えます。どうぞ。」
「じゃーお金。」
「お金はだめですよ。人間がだめになります。不自然ではないお金の出所を必ず用意しなければなりませんし、いろいろとこちらの手続きも必要になってきます。お金以外でお願いします。」
「何でもって言ったでしょう。」
「それは言葉のあやです。」
「じゃー家内安全。」
「叶えます。」
「えっ叶ったの。じゃー2つめは満足する心。」
「叶えます。」
「あー叶ったのが分かるよ。満足した。じゃー3つめの願いはもう不必要だ。ありがとう帰ってくれ。」
「叶えます。さようなら。」
と言って帰っていった、とある雨の夜の話。
車に牽かれそうだな。
車を路肩に止め、カメを用水路に離した。
その夜、
ピンポーン
チャイムを鳴らして誰かがやってきた。
スリーピースの背広を着た若者が立っていた。
「え~っと、どちら様ですか?」
「昼間、助けていただいたカメです。」
「・・・」
「昼間、助けていただいたカメです。」
「いや、聞こえてはいますが・・・そのカメさんがどのようなご用ですか?」
「あの後、家に帰りましたら、おやじに怒られまして、助けられた恩を返さないのは人間以下だって。」
「カメの方が上だと思っていますね。ってこのくだりは有名な落語の「たぬき」ですよ。」
「何でも好きな願いを3つ叶えます。どうぞ。」
「じゃーお金。」
「お金はだめですよ。人間がだめになります。不自然ではないお金の出所を必ず用意しなければなりませんし、いろいろとこちらの手続きも必要になってきます。お金以外でお願いします。」
「何でもって言ったでしょう。」
「それは言葉のあやです。」
「じゃー家内安全。」
「叶えます。」
「えっ叶ったの。じゃー2つめは満足する心。」
「叶えます。」
「あー叶ったのが分かるよ。満足した。じゃー3つめの願いはもう不必要だ。ありがとう帰ってくれ。」
「叶えます。さようなら。」
と言って帰っていった、とある雨の夜の話。