深夜、カウンター席に座り、一人で飲んでいた。
生活に疲れた。
まあ、いわゆる自暴自棄ってやつだ。
もう沈没寸前。
マスターにからむ一歩前。
すっと、見かけない男が横に座った。
「ずいぶんとお疲れのようですね。」
「ああ、疲れてるよ。それがどうかしましたかね。」
失礼な奴だ。
語気が強くなった。
「いやいや喧嘩しようとして声をかけたのではありません。
実は人生の目的地を見失った方に必要なものをお渡ししようと思いましてね。」
「なにをいってっ・・」
男が話しにわって入ってきた。
「とにかくこれを肌身はなさず持っていてください。
持っていれば使い方はおのずとわかりますから。
では。」
男はマッチ箱大の大きさの金属の箱を置いていった。
なんだ、あいつ。
その日は悪酔いの後、どうやって家に帰ったかの記憶はなくなっていたが、朝、自分の部屋で目が覚めた。
昨夜の出来事は夢か現実か・・・
ポケットに手を突っ込むと、堅い物に手が当たる。
金属の箱だ。
やっぱり現実だったのか。
あの男は人生の目的地を見失った方に必要なんて事を言っていた。
なんのことだ。
電子音とアナウンスが轟いた。
「ポーン!200m先右折です。」
ご丁寧に目の前に矢印が表示されている。
鏡をのぞき込むと矢印は無い。
どうやら自分だけに音声と矢印が見えているらしい。
カーナビだな、これは。
200m先を右折してみる。
目的地の印「G」(ゴール)マークが自販機に重なって光っている。
のども渇いている。
お茶でも買うか。
ゴトッ
お茶が落ちてきた後、ファンファーレがなった。
当たりだ。
ゴールはこれ?
「ポーン!100m先左折です」
今度は何だ。
コンビニにGマークが光っていた。
店内に入り、昼ご飯を購入する。
「ありがとうございます。
ただいまキャンペーン中です。
クジを引いてください。」
大当たり!
5000円分のクオカードが当たった。
ちょっとうれしい。
というか、この機械はそういう所がゴール地点に設定されるのか。
「ポーン!シュウマイを用意して2km直進」
なんだ。初めてアイテムを指示された。
家の冷蔵庫に入っていた、冷凍シュウマイを解凍し、車に乗った。
「まもなく目的地周辺です。」
公園だ。
それらしい目的地は目に入らない。
くーん。
手に持っていたシュウマイに飛びつこうとする、ポメラニアンが足下にいた。
白鳥のブローチのついた首輪をしていた。
「なんだ、おまえシュウマイ好きなのか?食べるか?」
食べさせながら、目的地は何だったのか考えた。
つけっぱなしのカーラジオからニュースが聞こえた。
「懸賞金がかかりました。
石油王が来日時ペットが行方不明になり、破格の懸賞金がかかりました。
1億円です。
特徴は白鳥のブローチの首輪をしており、シューマイが大好物だそうです。
連絡先は東京03ー・・・」
「こいつが目的地だ。」
ポメラニアンと目があった。
金曜日の夜
「ポーン!最後の目的地となりました。500m先右折。」
最後か・・・
うすうす分かっていた。
なぜあの場所であの男が現れ、この機械を渡されたのか。
さて俺も最後のご奉仕。
この機械には本当に世話になった。
次の人物に気持ちよく使ってもらおう。
そして俺は夜の町に出かけていった。
生活に疲れた。
まあ、いわゆる自暴自棄ってやつだ。
もう沈没寸前。
マスターにからむ一歩前。
すっと、見かけない男が横に座った。
「ずいぶんとお疲れのようですね。」
「ああ、疲れてるよ。それがどうかしましたかね。」
失礼な奴だ。
語気が強くなった。
「いやいや喧嘩しようとして声をかけたのではありません。
実は人生の目的地を見失った方に必要なものをお渡ししようと思いましてね。」
「なにをいってっ・・」
男が話しにわって入ってきた。
「とにかくこれを肌身はなさず持っていてください。
持っていれば使い方はおのずとわかりますから。
では。」
男はマッチ箱大の大きさの金属の箱を置いていった。
なんだ、あいつ。
その日は悪酔いの後、どうやって家に帰ったかの記憶はなくなっていたが、朝、自分の部屋で目が覚めた。
昨夜の出来事は夢か現実か・・・
ポケットに手を突っ込むと、堅い物に手が当たる。
金属の箱だ。
やっぱり現実だったのか。
あの男は人生の目的地を見失った方に必要なんて事を言っていた。
なんのことだ。
電子音とアナウンスが轟いた。
「ポーン!200m先右折です。」
ご丁寧に目の前に矢印が表示されている。
鏡をのぞき込むと矢印は無い。
どうやら自分だけに音声と矢印が見えているらしい。
カーナビだな、これは。
200m先を右折してみる。
目的地の印「G」(ゴール)マークが自販機に重なって光っている。
のども渇いている。
お茶でも買うか。
ゴトッ
お茶が落ちてきた後、ファンファーレがなった。
当たりだ。
ゴールはこれ?
「ポーン!100m先左折です」
今度は何だ。
コンビニにGマークが光っていた。
店内に入り、昼ご飯を購入する。
「ありがとうございます。
ただいまキャンペーン中です。
クジを引いてください。」
大当たり!
5000円分のクオカードが当たった。
ちょっとうれしい。
というか、この機械はそういう所がゴール地点に設定されるのか。
「ポーン!シュウマイを用意して2km直進」
なんだ。初めてアイテムを指示された。
家の冷蔵庫に入っていた、冷凍シュウマイを解凍し、車に乗った。
「まもなく目的地周辺です。」
公園だ。
それらしい目的地は目に入らない。
くーん。
手に持っていたシュウマイに飛びつこうとする、ポメラニアンが足下にいた。
白鳥のブローチのついた首輪をしていた。
「なんだ、おまえシュウマイ好きなのか?食べるか?」
食べさせながら、目的地は何だったのか考えた。
つけっぱなしのカーラジオからニュースが聞こえた。
「懸賞金がかかりました。
石油王が来日時ペットが行方不明になり、破格の懸賞金がかかりました。
1億円です。
特徴は白鳥のブローチの首輪をしており、シューマイが大好物だそうです。
連絡先は東京03ー・・・」
「こいつが目的地だ。」
ポメラニアンと目があった。
金曜日の夜
「ポーン!最後の目的地となりました。500m先右折。」
最後か・・・
うすうす分かっていた。
なぜあの場所であの男が現れ、この機械を渡されたのか。
さて俺も最後のご奉仕。
この機械には本当に世話になった。
次の人物に気持ちよく使ってもらおう。
そして俺は夜の町に出かけていった。