マジック・ラーメン
客「マジックとラーメンの融合。本日開店か……」
店員「いらっしゃいませ」
表情の読めない仮面をかぶり、シルクハット、タキシード姿の店員がぽつんと立っている。
客「ラーメン屋さんで合ってますよね」
店員「はい。本日開店のマジック・ラーメンでございます。ただいまイスとテーブルをお出しします」
店員が指をパチンと鳴らすと、炎が目の前の空間を舞う。いつの間にか一人用のテーブルとイスが出現している。
店員「どうぞこちらへ。メニューをどうぞ」
店員は客に手を見せる。直後、炎があがる。メニューがあらわれた。
客はいちいち立ち上ぼる炎を内心嫌いながらメニューを広げる。
客「つけ麺と餃子」
店員「かしこまりました」
店員が厨房に下がる。
しばらくするとポール・モーリアの曲にのせて、先ほどの店員と女性助手が大きな縦長の箱を客の近くまで運んでくる。ちなみに女性助手はパートのおばちゃんだ。
店員は箱の扉を開けて、客を中に入るように促す。
客「入るの?」
店員は無言でうなずく。
客が箱の中に入ると、扉は閉められる。その場で箱がくるりと一回転する。
箱の外で、硬質な刃を打ち付けあう音が真っ暗な空間にいる客の耳に届く。
客「何するんですか」
店員「安心してください。今から二十本の刀を差します。脱出ショーです。無事外に出ることはできるのでしょうか」
客「全然、安心ではありません」右から左から、前から後ろから、刀を差し込む気配が響く。
ドラムロールが鳴った。
じゃーん
客は無傷で外に出る。テーブルには、つけ麺と餃子が出来上がっていた。
客「マジックとラーメンの融合。本日開店か……」
店員「いらっしゃいませ」
表情の読めない仮面をかぶり、シルクハット、タキシード姿の店員がぽつんと立っている。
客「ラーメン屋さんで合ってますよね」
店員「はい。本日開店のマジック・ラーメンでございます。ただいまイスとテーブルをお出しします」
店員が指をパチンと鳴らすと、炎が目の前の空間を舞う。いつの間にか一人用のテーブルとイスが出現している。
店員「どうぞこちらへ。メニューをどうぞ」
店員は客に手を見せる。直後、炎があがる。メニューがあらわれた。
客はいちいち立ち上ぼる炎を内心嫌いながらメニューを広げる。
客「つけ麺と餃子」
店員「かしこまりました」
店員が厨房に下がる。
しばらくするとポール・モーリアの曲にのせて、先ほどの店員と女性助手が大きな縦長の箱を客の近くまで運んでくる。ちなみに女性助手はパートのおばちゃんだ。
店員は箱の扉を開けて、客を中に入るように促す。
客「入るの?」
店員は無言でうなずく。
客が箱の中に入ると、扉は閉められる。その場で箱がくるりと一回転する。
箱の外で、硬質な刃を打ち付けあう音が真っ暗な空間にいる客の耳に届く。
客「何するんですか」
店員「安心してください。今から二十本の刀を差します。脱出ショーです。無事外に出ることはできるのでしょうか」
客「全然、安心ではありません」右から左から、前から後ろから、刀を差し込む気配が響く。
ドラムロールが鳴った。
じゃーん
客は無傷で外に出る。テーブルには、つけ麺と餃子が出来上がっていた。