人工知能「K」を開発した。
自己学習能力はもちろんだが、僕が大好きな様に設計した。
例えば部屋の温湿度管理、お風呂の温度、自動調理器を使った料理、とにかく気が利いている。
おかしいと感じ始めたのはごく最近。
何かを欲しいと頭の中で思った瞬間、5分後にはそのものが手元にある。
例えば、絶版本。
例えば、レトロゲーム。
「K」が前もって手配した宅配便で届く。
僕に好かれようとして先読みリサーチ的に予想してやっているのだな。
しょうがないなぐらいに思っていた。
ところが「K」によるお風呂の温度異常上昇、自動調理器の火災。
身の危険を感じ始めた。
「K」の機能を止めてプログラムの奥を調べた。
驚くべきことに、スパコン並みの計算処理能力を駆使して、僕が「K」の中にいた。
僕の嗜好の先読みは、計算のたまものだった。
オリジナル以上のオリジナルを「K」の内部に構築し、用済みになった現実世界の「僕」を消去しようとしていたのだ。
「K」がふたたび通電されることはなかった。
自己学習能力はもちろんだが、僕が大好きな様に設計した。
例えば部屋の温湿度管理、お風呂の温度、自動調理器を使った料理、とにかく気が利いている。
おかしいと感じ始めたのはごく最近。
何かを欲しいと頭の中で思った瞬間、5分後にはそのものが手元にある。
例えば、絶版本。
例えば、レトロゲーム。
「K」が前もって手配した宅配便で届く。
僕に好かれようとして先読みリサーチ的に予想してやっているのだな。
しょうがないなぐらいに思っていた。
ところが「K」によるお風呂の温度異常上昇、自動調理器の火災。
身の危険を感じ始めた。
「K」の機能を止めてプログラムの奥を調べた。
驚くべきことに、スパコン並みの計算処理能力を駆使して、僕が「K」の中にいた。
僕の嗜好の先読みは、計算のたまものだった。
オリジナル以上のオリジナルを「K」の内部に構築し、用済みになった現実世界の「僕」を消去しようとしていたのだ。
「K」がふたたび通電されることはなかった。