平成30年4月10日(火)に畑沢へ行く途中、古殿を過ぎて朧気川の橋にかかろうとしている時に、道路の端で作業をしている人たちが見えました。地吹雪を防ぐための防護柵を外していました。そう言えば、もう4月の半ばになろうとしています。冬はとっくに終わり、冬の後片付けです。
NHKテレビのデータでは、尾花沢市内の積雪量がゼロになっていますが、尾花沢市は広いので積雪量はいろいろで、常盤地区にはしっかりと積雪があります。車段から荒町へ向かう市道の脇で、融雪を進めていました。バックホーで雪を掻きまわしています。
畑沢もまだまだ雪がありますが、雪融けが早い土手には3がつごろから福寿草が咲き、さらにこの日は「キクザキイチリンソウ」も少数ながらも咲いていました。
さらに少数ながらもショウジョウバカマも咲き始めました。この近くに、たった一輪のカタクリも咲いていましたが、手振れで失敗しました。
花ではないのですが、羊歯植物も芽を出しました。ここは湧水がありますので、早く雪が融けたようです。
初夏に食べる美味しい山菜も、芽を出していました。畑沢で「ミズ」と呼んでいるウワバミソウです。これは赤ミズでしょう。採りたてのミズの葉と皮を取り除き、包丁の背で叩いて粘りを出し、ナス、ミョウガ、キュウリなどと一緒に細かく切り刻んであえ、そこに酢、醤油をかけると、さっぱり風味の「だし」が完成します。その季節が到来するのが待ち遠しいです。
春が早く来たのは、植物だけではありませんでした。何と、雪の上にイノシシの足跡がありました。しかもかなり大きい体のようです。イノシシは、熊と違って冬眠をしませんので、雪の上に足跡があっても何ら不思議ではないのですが、昔はいなかった動物なので、かなりの違和感があります。
イノシシは土中のミミズを漁ったようです。地面が掻きまわされています。
春が終わって沢の水路が現れると、雪の悪ふざけが目に付きだします。倒木、落ち葉が水路に引っかかり、さらに生きている木の枝が雪で水路に押し付けられて水路の流れを妨害し、水路の岸を破壊することがしばしばです。
畑沢の沢筋でも特に屏沢(ビョウザワ)は、湧水が多い所です。何か所もの崖から水が湧いています。その一つは私のお気に入りです。落ち葉や枯れ枝を取り除きました。何段にも下れ落ちる様子は、美しいものです。
最後の最後にショッキングなことが分かりました。屏沢の最奥部にある「お不動様」の社が、雪で潰されていました。今冬の雪は確かに多くて重かったのですが、社の木が虫食い状態になっていたので、寿命が尽きたようです。残念ながら、これを再建することは出来ないでしょう。もう再建できる力が畑沢にはありません。それは畑沢に限らない日本中の現実です。