尾花沢高校の郷土研究部が昭和41年3月1日に発行した「尾花沢伝説集」から第三弾のお話です。
畑沢の最奥部には、大平山(畑沢では「ホウズヤマ」と呼んでいる。)があります。標高は813.6mです。下の写真のように畑沢では飛び抜けて高く聳えており、畑沢のどこからでも見えます。そればかりか、大平山は常盤小学校の校歌でも歌われている常盤地区のシンボルでもあります。この山と隣接している立石山は、御所山の火山活動に伴う火成岩でできています。流紋岩という溶岩が地表近くで固まったもので、大変に堅い岩石です。そのため浸食されにくく、長い年月が経ったにもかかわらず、いままで残って高い山になっています。その堅い岩石の中でもさらに浸食されにくい岩石は、山から突出した岩で残りました。大平山には、そのような岩が何個かあるそうです。獅子の形をしたのが「大獅子岩」、昔の烏帽子に似ているのが「烏帽子岩」だそうです。私は、昭和49年の三月に登った時に、烏帽子岩を見たような気がします。次の伝説は、大獅子岩にまつわるものです。
―12 大獅子石― (以下は原文のままです。)
大獅子石とよぶ大石がある。これは昔東より飛んできたもので丁度獅子に似ている為、大獅子石とよんでいるのだそうである。
きわめて短い伝説です。一応、これで全部です。
ところで、この大獅子岩は近年になってから山腹にまで崩れ落ちてしまったそうです。遠くからでも見えるほどに大きいそうですが、私には見当がつきません。落葉の時期に、目を凝らして探してみます。
伝説では東から飛んできたとのことですが、何故にそのような話になるか、これも見当がつきません。大平山に登ると、東の方向には延々と奥羽山脈に続く高い山並みが見えるので、大きな岩をそのように感じたのでしょうか。
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