-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

山楯で見た動物

2017-04-16 16:42:19 | 自然

 畑沢のお祭りがあった日に、山楯の楯跡を調査しました。その時に思いがけない生き物に遭遇しました。

 バタバタと音がしましたので、音がした方向を見たら、雉(キジ)が雪の上を歩いていました。最初に見たのはメスでしたが直ぐに見失ってしまい、カメラを構えた時にはオスが立ち止まっていました。私と雉とは小さい時から縁(えん)があります。スキーを履いて雪原を歩いていると、しばしば雉と出くわしたものです。普通の鳥は、人の気配がすれば飛び立ってしまいますが、雉は歩いて逃げます。大して早くもないので、追いかけることができます。私たちは、あわよくば捕まえようとします。

「雉は馬鹿だから、頭だけ雪の穴に突っ込んで、それで隠れたつもりで体は見えたままだ」

「そこを手掴みするぞ」

 馬鹿は雉ではなくて、私たちでした。捕まえたことがありません。でも、結構、間近に見られるので、姿形はしっかりと記憶しています。雌雄の区別は簡単です。頭が赤くて、尻尾が美しく長いのが雄です。

 ついつい、私は子ども時代の癖(くせ)が出てしまいました。追いかけました。勿論、静かに歩いたつもりですが、雪を踏む音が、ガサッガサッと大きな音を発します。これだけでも普通の鳥なら逃げていくのですが、この雄は私の方向に視線を向けて、立ち止まっていました。雌はとっくに何処かへ行ってしまいました。この雄は、雌を守るために私を見張っているようです。眼力が鋭くて、ただ者ではありません。しかも、雌を守る姿勢は立派なものです。私なら妻の陰に隠れてしまいます。

 雪の上なら何とか見つけることができるのですが、地面が剥き出しになっている場所に移動したので、もう見逃したと思いました。しかしバサッバサッと何度も音がしました。見ると、木立の中からこちらに向かって、羽ばたきをしていました。私を威嚇(いかく)しているようです。その姿には、さすがの私もガクッとしてしまいました。とうとう、雉にさえ威嚇されるほどに舐められてしまいました。木立の中に入ればもう見えませんから、あえて羽ばたきをしない方が身のためかと思うのですが、まるで雄の強さをわざわざ誇示しているようにさえ見えます。ハイハイ分かりましたと思った瞬間、足元の藪から獣が飛び出して、一目散に遠ざかりました。えっ、兎かなと思ったのですが、犬にそっくりです。ん、少し違います。尻尾が大きく見えます。狐かなとも思いましたが、狐色ではありません。真っ白ではありませんが、かなり白っぽい色でした。でも逃げていく後姿は狐そのものでした。勿論、カメラで撮影すれば後で調べることもできますが、そんな瞬間的に撮影する技術を持ち合わせていません。雪上に残された足跡で判断するしかありません。4本の指が見えます。指の先には爪らしき鋭く細いものがあります。4本の足跡は、ほぼ一直線についていました。これで間違いなく狐だったのでしょう。

 しかし、どうして狐色ではなかったのでしょうか。狐が野兎のように冬毛に変わると聞いたことがありません。高齢の狐が白髪になったのでしょうか。私にはこれも分かりません。

 ところで、この近くに「おしぇど山」があり、その麓に稲荷神社が建っています。白い狐は神様の使いと言われています。「祭に白い狐が稲荷神社に来た」とするのも面白いですね。

 さらにところでです。畑沢で狐を見たのは初めてです。四つ足の動物の中で見たことがあるのは、野兎、カモシカ、タヌキ、イタチだけです。糞だけを見たのは、ツキノワグマです。足跡だけを見たのはイノシシです。何十年もの間に狐に関する目撃話も聞いたことがありません。先日、マンサクを見に山へ登った時に、見慣れない獣の足跡を見ました。これまでの経験にありませんでした。分からないので、姉夫婦連れてきた犬が山にも登ったものと解釈していましたが、どうも狐の足跡だったのではないかと思います。とにかく、今までなかった足跡です。今まで畑沢にいなかった狐が、畑沢まで生息範囲を広げたのか、それとも人目に触れないほど奥山に棲んでいたのが、最近になって人里に近づいたものでしょうか。猟師の方、教えてください。


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