百子の部屋

日々のあれこれ思いのままに。。。

涙が止まらない。。。

2007年05月01日 | 読書

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スロウハイツの神様(上・下)  辻村深月

「スロウハイツ」
そこは、人気脚本家・赤羽環の祖父が残してくれた古い旅館で、
彼女がオーナーとなり、友人たちに部屋を貸しているのである。

住人たちは、漫画家、画家、映画監督などの卵であり、
みんな、それぞれに夢を持つ。

そして、そこの住人の一人、人気作家チヨダ・コーキには、苦悩の過去があった。
数年前、彼の小説を模倣した大量殺人が起こり、ショックを受け、
それを境に、彼は小説を書くのをやめていたのだが、
新聞に投稿された匿名の少女の手紙に、勇気をもらい、
彼は再び小説を書き始め、復活をとげていた。

そして、あの時の少女らしき人物が、スロウハイツにやってきた。
しかし、彼女の出現により、穏やかな住民の生活に変化が。。。

オーナーの環を中心として、まるでホームドラマのように、
和気藹々と暮らしている様子が、読んでいて心地よく、
私も、「スロウハイツ」に住みたい!と思ってしまう。

気の強いオーナーに振り回されつつも、
住民たちは彼女を見守り、
どこか頼りない、チヨダ・コーキを慕い、
さまざまな衝突を繰り返しつつも、自然と強い絆でつながれていく。

そして、最終章では、環の過去、コーキの過去などが語られ、
数々の疑問が解き明かされていく。。。
「あ。。。そうだったのかぁ。。。」と、納得の思いと、
切なく、優しい光景に、ここでは、もう、涙が止まらなくなるのです。
まさか、こんな展開になるとは思いもよらず、
ただ、ただ、心にしみる、あたたかい涙に埋もれたのでありました。

まるで少女漫画のような物語ですが、すごく、私好み♪
女性には、おすすめかも。。。

コメント (2)
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