1970年代、学生運動が盛んな頃。。。
東京の大学に通っていた姉が、何者かによって襲撃された。
鉄パイプでめった打ちにされ、頭を叩き割られて死亡。
札幌の高校に通っていた妹は、姉の死の真相を知るために、
東京の大学に入り、独り暮らしを始めた。
そこで、姉のたどった道を追う日々のなかで、恋をし、
学生運動とは何だったのか?姉は何を考えていたのか?
答えを見出そうとするのだった。
学生運動のことは、よくわからないけど、
幼い頃、テレビの映像で見た記憶がよみがえる。。。
ヘルメットを被って、タオルで顔を覆って、鉄パイプを持って、
大勢でケンカして。。。あの人たちは何?。。。って。
きちんとした信念を持って臨んでいた人たちばかりでなく、
無意味な学生運動に身を任せていた人もいたのだろう。。。と、
この本を読んで思った。
わけがわからないまま、周りに流されて、騒いでいた人たちも
いたのだろうと思うと、ある意味怖い。。。
この物語は、さまざまな体験をした妹の回想として綴られ、
悲しみを乗り越えた再生の物語でもある。
あやふやな記憶の時代を思い起こさせてくれた1冊。