★「水銀虫」 朱川湊人
禁断の愛に苦しむ兄と妹。。。
過去にいじめた同級生におびえる女。。。
母を自殺に追いやった女を殺した男。。。
さまざまな罪を犯した人々が、描かれているのですが、
なんとなく後味が、湿っぽく、ゾクリとする、
一味違ったホラーだと思います。
この本の中では、水銀虫とは、
「人の魂の中に入り込んで、這いずり回り、
やがて無数の穴を開けてしまう、実際にはいるはずの無い虫」とあります。
なにやら、心がぞわぞわする。。。
首筋が。。。頭の中が。。。もぞもぞする。。。
それは感覚のみで、虫がいるはずはないのだけれど、
もしも、そんな虫がいたら。。。
幼い頃、体温計を割ったことがあります。
水銀が飛び出して、玉になってコロコロ転がって、
つかもうとしてもつかめないんです。
まるで、生きている虫のような。。。
きっと、そんな感じなのかも。。。
表紙も、なかなかいいでしょ。
少女のまわりにうごめく虫。。。ではなく、よく見るとナイフ。
好きだな、こうゆうの。読書欲をそそられます。