百子の部屋

日々のあれこれ思いのままに。。。

久々のホラーに満足

2009年05月06日 | 日記

魔性の子 (新潮文庫―ファンタジーノベル・シリーズ)
価格:¥ 620(税込)
発売日:1991-09

Img_1454

教育実習のため母校へやってきた広瀬は、
担当するクラスの中に、不思議な印象の生徒・高里に出会う。

嫌われているようでもないのに、孤立している彼。
広瀬が不思議に思っていた時、
「高里に反抗したり、いじめたりする者は、
不慮の事故に遭遇する」という噂を耳にする。

幼い頃に神隠しにあったのが原因とも言われるのだが、
事件は、高里の意志に関係なく起きているようだと気づく広瀬。

そして悲惨な事件が起こり、校内はパニックになっていく。
高里の身体にまとわり付く、蝋でできたような白い手。。。
得体の知れない動物の気配。。。

彼を救おうとする広瀬だったが、彼も、次第に追い詰められて行く。。。

幼い子供が、白い手に手まねきされる冒頭のシーンから、
何かが起こるぞ。。。という、恐怖と期待で、
ぐいぐい引き込まれてしまいました。

そして、ラストは、人間の孤独や存在価値などに話が及び、
なんとも、胸にぐっと迫るものがありました。

ホラーであり、ファンタジーの要素もあり、とっても夢中になれた1冊です。
この著者の他の作品、「屍鬼」や「東京異聞」も、
ゾクゾク感を味わえるすごく面白い小説なので、おすすめです。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする