まだ日本国政府の宣戦布告は無い状態だ。
安倍首相は、嘗ての失敗を繰り返したくない。
その為、宣戦布告をするに値する状態を待っていた。
するとチョングソの方が、先に馬脚を現した。
「首相!陸自からの連絡です。」
「こちらへ」
安倍首相は首相官邸の地下に幾つもある指揮所の一つで、その報告を受けた。
通報は、画像付きのテレビ電話だった。
「陸自の村上一尉であります。至急なので、下位士官ながら御司令頂きたく。」
「そんな事は構わない!で、何ですか?」
「こちらは滋賀の県庁からの通信でありますが、現在、お目出度い滋賀県知事が、チョンを助けようと、面会し、そのタイミングで拘禁、占拠され、防備厳重な知事室の中に人質になっております。現在、全ての政府活動を停止しない限り、知事を殺すと言っております。」
安倍首相の、こめかみに緊張が走った。それ以上に歯を噛み締めているのだ。
馬鹿が…、頭が悪いにも程がある!この事態に及んで、陰謀の一つや二つある事を想定できないで政治家か?全くのガキのお遊びだ。
画面遠くには滋賀の恥怩:岡本ぱぁ〜抜助が、拳銃を顔に押し付けられて、涙を流している。
そしてパヨクらしく、無様な臆病な腰抜けの低能を見せた。
「たっ…たすけてぇくださぁ〜ぁい」
恥だ!日本の恥だ!
安倍首相は、直ちに、報道ブースへと動いた。
移動の際、兵庫、京都、長野の馬鹿恥怩が同じく人質になったと言う。
もう、原稿も無しに、安倍首相は、何を話すか決めていた。
その前に、ボルト大佐からの連絡が入った。
通訳が伝える。
「安倍首相。大統領より先に貴殿に先ず伝える、と言うか、大統領は別の士官が伝えている。前線に近いのは、貴方だ。連絡は、チョンの空軍の中にもガッツのある奴が居て、北朝鮮へF-5で攻撃に向かっていた。この行動を、チョン軍の意志として、代理の宣戦布告を大統領及び、現在我が軍の庇護下にある、大統領代行に、宣戦布告を大統領と共にやらせる用意がある。…で、そちらは?」
「ありがとうボルト大佐、最大の御配慮だ。大いに感謝する。私はこれから卑劣極まりない新北派に対して宣戦を布告する。貴方の報告は、私に有機を与えた。本当に、本当に感謝する。何か要請があれば我が国は全力を持ってアメリカ及び、今回の出動部隊を援助する。これは確約する。」
「なるほど、ガッツが一番あるのは、日本の首相だな?やっぱり、こうじゃなくちゃいけない。大丈夫、所詮馬鹿アカは、腰抜けの集団だ。イスラム教徒と比べると、本当にレベルが低い。」
「左翼が腰抜けなのは、今見せられている。私も、確固とした態度を取る。この戦い一歩も引かず、また、負けない。責任を逃げない!」
「じゃぁ何も言う事は無い。後は戦勝祝で会おう。」
「御武運を!」
スクリーンが消えると、醜悪な、パヨク恥怩のバカ面が見える。
助けてくれの連発である。
政府放送のディレクターがやって来た。
「総理。どう言う演出にしましょうか?」
「取り敢えず、現状を編集した画像は有りますか?」
「副大臣達や官房の方々と話しましたが、今の所、滋賀、兵庫、京都、長野の様子は効果的に編集しています。」
「原稿は、どうなっています?」
「こちらに有ります。」
「うん…、うん…、よく出来ています。有難う。」
「それじゃ、画像を見せた後で、総理のお言葉を上げようと思いますが、どうします?画像を全面に?それとも総理の姿を出してやりますか?」
「編集画像の後に私の姿を全面に出してやりましょう。」
「それでは、ディクテ(発音)の調子を合わせるので、映像を見せている三分間で、調子を決めて下さい。今後言葉が武器になります。」
「ははは、有難う、貴方のような人が居て本当に助かります。」
「じゃ、私は副調に参ります。」
「三分後ですね?」
「ハイ」
先ずはアナウンサーのアナウンス。
「国民の皆様。こちら政府の緊急報道です。事変勃発以降、騒乱が日本中のチョンや虫獄によって発生していますが、この度新たに、県知事を人質に、政府活動を停止せよとの犯行組織からの要求が有りました。先ずは、その様子をまとめてありますので御覧下さい。」
その三分間、安倍総理は、色々と音色を考えて試していた。
三分終了後、後のアナウンス。
「この様な状況を受けて安倍総理大臣より直接の表明があります。安倍総理大臣…、どうぞよろしくお願いします。」
すると安倍首相が正面に出てくる映像が流れた。
「この度は、我が国の不意を突かれて、この様な体たらくを見せている事をお詫びします。損害については、後ほど受け取り処理をする事をお約束します。しかし、今回のチョン・虫獄の凶行は、ハーグ条約を根底から毀損する行為であり、国家的規模でのテロリズムであると我が国は認識しており、また国連でも、当事国が理事国である為に、決議は出来ないものの、ほぼ全ての合意を受けております。首相である私が、先ず狙われました。それは職務の一部であり、文句を言うものではありません。ですが卑怯なるチョングソ・虫獄は、無防備で、温和で、礼儀正しいと世界で評判の我が国民に対しても、その卑怯極まる悪行を行っております。これは到底我が日本政府が許すべきものではありません。にもかかわらず、該当関係チョンや虫獄の言い分に先に反応した恥怩が多数居る事も間違いありません。冒頭の画像は、それら『愚か者』と言う言葉では到底表現できない痴れ者です。あろう事か、この後に及んで命乞いをしております。私は、この場に於いて宣誓します。どのような恫喝・圧力・攻撃があろうとも、決して弱音は吐かない。無様な救助を求めない。ですが、襲ってくる敵には逃げるなり隠れるなり或いは戦うなりの主権国家の長たるものが行い得る全ての手を使って抗する事を、一方的な暴虐に屈する事が無い事を、そして、この一命を失おうとも、我が盟友、我が閣内の友が私の意志を継いで、決して一歩も引かない態度に出る事をこの番組をご覧の皆様に確約します。そして、私は野党が避難する右傾化或いは軍事大国化などと吹聴して今の状況を眺めているだけの野党とは違い、責任政党から新任を得た総理大臣として、大事な宣言を致します。今回の事変の当事国である敵対的朝鮮民族に対して宣戦を布告します。どの様な不満があろうと、今まで我が国に押し付けられた行動は決して正当化出来ません。そして、武力を持って攻撃してきたのなら、武力で応じます。それを右翼だとか、軍国主義というのなら、敢えて言いましょう。国民を暴徒に差し出し、自分だけの除名を乞うが如き恥知らずな真似が出来ないものが右翼であり、軍国主義者というのなら、私は、それを尊称として受けましょう。そして、国民を犠牲にして自分だけの安寧を得る、豐臣秀吉の頃のチョングソの領主のような連中は、日本人ではないと断言します。我々は負けません何故なら我々は日本人であり、その友人はアメリカだからです。そして、最後に、この様な事態に於いても、決して取り乱すことのない、いや左翼は違いますが、そんな日本人があっての我が政府です。この国民にしてこの政府、それは良い意味でも悪い意味でも言われます。良い意味で、日本国はこの国民であり、この政府であります。国民が奮闘している以上政府はより奮闘せねばならない義務を感じております。そして、日本の有権者の方々、私を、政権にあげてくれて、この危難を取り仕切らせてくれて、心の底から感謝申し上げます。言葉はこれで終わります。全ては行動で証明致します。なお、県知事と称しながら、我が身大事な存在に付いては、人質にならない事を国家の方針として、暴徒に通告します。では、実務が有りますので…、次にお会いする時には平安である事をお約束します。」
と安倍首相は画面に向かって頭を下げた。
それを見ていたパヨク恥怩は発狂した。
その周りのチョンも「ゴミか!こいつ」と、オマエもだよな?と言われそうな事をホザイた。
結局パヨク恥怩は、放り出された。
陸上自衛隊には「自ら進んでテロリストに出て行ったバカ恥怩よりも、県民を優先して保護するように」と首相の命が下った。役人も同じであった。
「突入!」
陸自のレンジャーが突っ込む、ライオット・エージェントCSで気絶している間抜けチョンをモノのようにグルグル巻きにして、詰め込む様子が流れた。
また日本国内で、チョングソが炙りだされ、収容所に捨てられる様子が見られた。
首相の緊急放送の後六時間の間に、国内のチョングソの嫌痴痔を人質にする籠城は解けた。
ただ無血とは行かなかった。
チョングソは七〇〇匹ほどくたばった。
15.前進
安倍総理の報道を見て、ボルト大佐は、思わず泣きそうになった。
「この国民あっての、この国…。参ったな…、アメリカ人が日本人なんかに、民主主義の基本を再認識させられるなんて…、全く許せない!許せない!許せない!」
それを聞いたロメオ海曹は、オドオドして、
「安倍総理に対して、お怒りですか?」
「馬鹿者!許せないのは私自身だ!私が私の不見識を許せんのだ!」
ロメオ海曹は、ホッとした。
今回の作戦は海兵隊と陸軍・海軍・空軍の合同作戦である。
取り纏めはボルト大佐に一任されている。
ボルト大佐の率いる海兵隊は、テポドン・ムスダン・核開発施設の破壊が担当である。
空軍は、制空権の維持、海軍は上陸地点の確保、陸軍は、敵地上戦力の破壊である。
制空権の維持は、基本的にただひたすら敵を落とすという行動であり、何も細かい取り決めはない。
また海上は、日本の海上自衛隊が完全に把握しており、海軍は上陸用舟艇の上陸を援助するのみである。
ただ、今回は、陸軍と海兵隊の連携が問題である。
「デイジーちゃんはどうなんだ?」
ボルト大佐が聞く。
「今の所ー五分の予定で到着します。」
ロメオ海曹が答える。
「問題はYAL-1だな…本国へ、最新の敵の動きは?」
北朝鮮の動きは、恐るべきほどなかった、と言うか、J-10やJ-15の飛行場のみが忙しく蠢き、それ以外は見えなかった。
それもその筈で北朝鮮はトンネルの中で移動する事が多く、地形を利用したカモフラージュも徹底していた。
「じゃぁ穴に息吹きかけて、見るしか無いか?」
すると、本国からボルト大佐へ連絡が入った。
「政府からの命令だ。作戦の開始は、日本の攻撃が合図だ。色々あるが、アメリカに、これ以上の迷惑をかけられない。アメリカは、もっと上の立場で事を制して欲しいとの事だ。」
「全く、安倍が女なら、もうオレはメロメロだぜ…。」
その時日本の潜水艦群
みちしお (SS-591)
うずしお (SS-592)
まきしお (SS-593)
いそしお (SS-594)
なるしお (SS-595)
くろしお (SS-596)
たかしお (SS-597)
やえしお (SS-598)
せとしお (SS-599)
もちしお (SS-600)
は、命令を待っていた。
これらディーゼル・エレクトリックの潜水艦は魚雷発射管が六本である。
この六本の全斉射を四回とするのが基本で、24発の魚雷か対艦ミサイルか巡航ミサイルを持っている。
今回は巡航ミサイル3斉射、魚雷1斉射となっていた。
つまり、ノドンの基地を狙っている。
正確には、目に見て分かる詰め所を狙っている。
ノドン自身は、発射の度に位置を買えている。
潜水艦からの巡航ミサイルは、宣戦布告の様なものだった。
だが、その後は盛大なパーティーが待っていた。
巡航ミサイル発射直前に、ECM(妨害電波)が発信され敵レーダーは真っ白となった。
間髪を入れず巡航ミサイル発射。
ミサイルは、兵舎と確認されたものや、その近くの動力施設、燃料施設を狙った。
10隻の潜水艦の6つの発射管から3回である。
180発の巡航ミサイルが、ノドンの現在分かっている設備を攻撃した。
狙いは100%外れず命中した。
だが、北朝鮮は、その後の攻撃に度肝を抜かれた。
F-4Jファントムの攻撃であった。
日本には、まだ54機のファントムがあった。
最後の御奉公と言わんばかりに急速突入をした。
4トンの爆弾を満載して、北朝鮮北岸を爆撃した。
54x4=216トンの攻撃が、延々と10回続き2160トンの爆弾が北朝鮮のノドン発射場の近くで徹底的に爆撃された。
それは、もう、徹底といえば徹底していた。
同時に、核ミサイルハウンドドッグを搭載して、上空を飛行しているB-52も睨みを効かせていた。
他方で、北朝鮮軍は、ノドン発射場への攻撃と呼応して、長距離砲とロケット砲に依る、予てからの予定通りの攻撃を開始した。
圧倒的な攻撃は、地盤も道路もスッカスカのソウルを徹底的に叩いた。
だが、予想外の事が起きた。
どこぞの設計事務所が捏造した高層ビルがいとも簡単に倒れたのである。
所詮はオカラである。
これだけで、十分以上の車止めになるだろう。
まぁ馬鹿な話である。
だが、その砲撃が、居場所を特定させた。
それを狙ったのは、無慈悲な「デイジーカッター」である。
その時、初めて、アメリカの意志を理解した。
アメリカはC-5Aギャラクシーにデイジーカッターを5発搭載して、高度2万メートルから爆撃した。
長距離砲やロケット砲群は、核兵器に次ぐ威力の液体爆弾に横殴りで壊滅の憂き目となった。
米軍も長けたもので、爆発領域が重なるようにはせず、3発を落とした。
残りの2発は、核ミサイル関連を叩くためのものだ。
このC-5A爆撃を成功させたのは電子作戦機のECM(電波妨害)である。
そして、ECMはYAL-1やその他の存在を消していた。
北朝鮮も分かっていたのだろうが、実際にやられると、基本的な管制や誘導が全く破綻する。
北朝鮮の戦闘は有視界戦闘に限られる有り様だ。
辛うじて、J-10やJ-15の戦闘機レーダーでは、前方の敵が見えた、また、その姿を見る事が出来た。
だが、それは一瞬だった。機体の誘導システムでロックオンする前に敵機は、急旋回して戦域を離脱する。
その後目の前にやって来たのは、その敵機が放ったスパローである。
だが、逸れまでの常識では、敵機がスパローを放つと、命中するまで発射機がトラッキング(追尾)しないといけないので、現場から離れられない。
だがイージスシステムでは、データリンクとトラッキングが全体で行われる。
E-3Cや地上の艦船からのレーダー情報が総合され、ミサイルを誘導するのである。
相手はミサイルと、それを誘導する敵全体からである。
そのカルチャーショックは、今まで、似たような演習ばかりをしていた北朝鮮の兵士は、体感として、全く違う世界を思い知った。
兵士は、思いっきり昇降舵を引き上げ、フラップを全開して反転する。
補助翼を限界まで切って機体を横にする。
次にフットバーを踏んで機種を下に向け、降下態勢を取る。
基本の離脱体制である。
通常は、これだけで、ミサイルから何とか逃げられる。
だが、ミサイルは追ってくる。
ミサイルの性能は上がっている。
何より戦闘機レーダーの視野は実に狭い。
それに比べると、データリンク網は、凄まじい。
「ミサイルが付いて来る。何故だ?」
とパイロットが思う。
それとは関係なしにミサイルは正確な判断の結果を履行している。
降下速度が機体限界に近い。
全揚力を使って反転する。
ここまで殺って逃れられない事は無い。
だが!
後方警戒レーダーには、点が見える。
「まだ追うのか?」
驚きが戦慄に変わった。
フルスロットルで上昇するが、上昇率はミサイルが上だ。
間を詰められる。
「馬鹿な…」
北朝鮮兵の間抜けな寝言が最後の言葉だった。
レーダーから点が一つ消えた。
その後連続してレーダー上の敵機が消滅していく。
150個あった、点は12まで減った。
その間、わずか18分である。