と書いていると食料は凶作なのか?とお思いの向きもいるだろう。だが、この「情報通の情報」ほど宛てにならないものは無い。相場が、ガンガン牽引している時は、往々にしてそれが通るのだが、この相場が息付いた時に、その実情が現れる。
この相場の息付きが無ければ、事実と言う奴は10年はわからないものである。つまり食料の相場と言う奴は、上がり調子(つまり価格高騰)が続く限りに於いて実態は分かりにくいものなのである。この最たるものは産油国と相場の言い合いである。
この需要に対する供給の少なさが相場を上げているとの非難を、この5年はぶちぶち言われているが、その事実が分かっていたのが証明されたのは、この1年ぐらいの相場の息付きである。
原油メジャーは値段が上がるのは好意的なのだが、その一方で下手に相場が崩れるのは怖い。相場が壊れると市場自身が壊れる訳は無いが、それでも大きな混乱は好ましいものではない。
2007年頃からのシェールガスショックで、メジャーな投資ではない筈の天然ガスの設備投資が焦げ付いたのは、やっぱりショックだったのだろう。だが、調子こいていたのではないか?とも思っていただろう。ググれば分かるが、原油の相場は2003年ぐらいから高騰している。
この高騰と言う言葉は的確ではない。だが相場が右肩上がりの状態は2002年ぐらいからハッキリしている。その頃1バーレル当たり20ドル半ばぐらいが2003年ぐらいに30ドルから40ドルへの移行が見えている。
実は、この頃から的確に高騰しているのは、どちらかと言うと鉄鋼関連である。それまでカロリー当たりのコストが石油より低かった石炭も鉄鉱石を還元して鉄を作る材料として高騰した。この流れは、私に通貨の本質(この頃の新興国の資産維持思想をご存知の向きは分かるだろう)を思い起こさせた。
しかし食料は思った程上がっていない。この思った程と言うのは、合理的で科学的な考え方ではないが、実は、思った程上がる事を「不道徳」と思わせる事をしたのである。欧米がである。
それが1990年代の貧国の食糧危機であり、その食糧危機を作ったのは1980年代に補助金を使って作った農作物によってなされたのである。そこでWTOは補助金を使って作った農作物を自由貿易の中に、そのままの価格で扱う事を否定した。そして2000年の初頭では、その「悪事」の記憶が残っていたのだ。
丁度その頃東欧の崩壊があり、それまでのルイセンコ学説の影響を受けていた東欧の生産状態が、問題だった。だが、この頃中国の生産性も上がっていた。また穀物の相場や生産量、貿易量を見ると分かるけど、量は増えるが価格はさほど上がっていない。それは内閣府の「世界の国勢」を御覧下さい。大体4年分ぐらいが載っています。
それ以前の世界の国勢は、図書館に行くとあります。また、国会図書館は、歴代の世界の国勢があります。(県立図書館は、どこにもあると思うけど)
さて食料が上がりだしたのは、まぁググって見てください。それはQE2の発動の頃に、この「量的緩和」(さぁ、馬鹿が好んで使う、決まり文句ですよ。QEのQはQuantity=量、EはEasying=緩和・まぁだらけると言っても良いでしょう。)がありまして、その結果食料が高騰しました。
食料以前に全ての商品市況が高騰するだろうと言われ、最初アジアの問題が取り沙汰されました。一応その可能性が発生したのはタイでした。まぁ越年でもと言う奴がありまして。でも、それは一応ソコソコ混乱の中終わりました。(これにも中国の糞馬鹿野郎のマオイスト=毛主義者が金を出して蠢いていました)
しかし結果として出てきたのはアラブの春でした。これはQE2をやったアメリカにとっての大きな問題でした。だけどシェールガスによるエネルギー問題の楽観的状況が発生し、大きな問題となりませんでした。いや一応は問題でしたが、燃料は中東に関わらなくって済むと言う気楽さが先に立ってね…。
この食料の高騰は、他の商品と同じタイミングで、そうなったのですが、この状況を動かす2つの動きがありました。1つは、食料が足らずに困っている人が居る一方でのバイオエタノール問題。そして、もう一つは2010年のロシアの春蒔き小麦の収量の悪化でした。
バイオエタノール問題は、私の「穿った」見方では、耐虫性(つまりバイオテクノロジーで虫が食べたがらない物質・虫忌避物質を作る性質)を与えたトウモロコシが人間が食べると人によるのだが結構高い確率でアレルギー症状、特に劇症性発症(これを「アナフィラキシー」と言います)を起こす者が現れまして「毒トウモロコシ」として扱うようになりました。
ところが、色々適当にググって見たら、そのニュースの中には、毒トウモロコシと普通のトウモロコシが混入されたエレベーター(穀物蓄積倉庫)があるとの事でした。つまり、選別が出来ない状況でした。そこでユダヤの悪知恵で、毒トウモロコシの情報が行き届いていないので、一つ手を考えました。
「今、車にバイオエタノールを入れるのが流行っている。このバイオエタノールの需要が増えているので、食べられるものを使って悪いのだが手っ取り早く作れるトウモロコシを使って需要分を生産している」との「にうす」を流して、相場を高騰させて、その一方で食べると中毒を起こすかもしれないものが入っているトウモロコシを比較的高く、またトウモロコシ相場を下げる事無く売り抜けて損失を最小化した。
これが私の「邪推」です。
1週間前に思いつきました。たまのヒットです。
さて、もう一つが、ロシアに於ける春蒔き小麦の収量悪化に伴う「ロシア穀物禁輸命令」でした。この問題は、トウモロコシよりも相場を直撃しましたが、ロシアは問題でしたが、世界的に穀物、特に小麦は「そんなに酷い状態ではなかった」と言うのが事実のようです。
小麦と言うのは、トウモロコシなんかよりも「世界全体としては安定している穀物」です。これは米の場合はもっと安定しているのです。この安定しているというのが逆に問題となっており、国際価格の変動は返って米の方が大きいのです。(池上彰は全く知りません)
実は、相場と言うものは、一つのトピックスから大きくなるもので、それに対して量的緩和の影響もあって、資金が続くので、高騰をしています。
だけど、穀物も石油と同じで買うのは良いが、消費が伴わないと倉庫代と、穀物の劣化がありまして、貯蔵の場所に寄っては冷蔵費用が馬鹿にならないので、無限に上昇はしない。しかし取引段階で需要と供給のグロスで上がりは決まるのです。だから、今、主に日本総研とか、みずほ総研経由で、まぁWSJもJBPRESSも言っているのですが、今年は不作だ!不作だ!と言っています。
この手の「報道とやら」で、一番マジか?と思ったのは2008年5月の「ウクライナの相場高騰を当て込んだ小麦が、腐ってしまって廃棄された」と言う奴で、これで一相場が盛り上がった。それを見てチャートを分析すると、限りなく「ブラック」な情報だろうと思ったわけです。腐ろうが、人が食おうが、穀物は消えてなくなります。
穀物は炭水化物です。つまり炭素=二酸化炭素と水に分解されるのです。正に、完全な証拠隠滅。だから、推測するしかないのです。
この様な「スイートな陰謀」が渦巻く穀物の世界、商品市況の世界…。とても「相棒11」なんて見ている暇がありません。杉下右京の見え透いたシナリオなんて、手が出て回ったら大体分かるのだな。私は。
皆さん、あの没個性の様なチャートと、それに纏わる情報は、その時には、訳が分からないのですが、暫く断ってみると、ああ、あの東欧の綺麗なんだけど足を組みかえると、異様な匂いが漂うおねぇちゃんの様に、臭うけど、それがまた良いという。
そんな私は大変な変態の編隊飛行です。
って事で、今日は週刊穀物の日です。新たな、陰毛の中に隠れた陰謀を探しましょう。