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★ 「沖縄密約」-情報犯罪と日米同盟 西山太吉 岩波新書 2007年5月
全くタイムリーに12月1日・1972年沖縄返還当時の外務省アメリカ局長「吉野文六」氏の「沖縄密約」を認める証言が東京地裁であった。
今回の沖縄旅行の、旅のお供はこの本であった。
飛行機の中・民宿の屋上でマッタリ、など行きかえりで完読した。
読み応え抜群であると共に、歴代自民党に怒りを覚えた。
作者は71年、付き合っていた外務省の女性職員から「密約の証拠」を入手・72年当時の社会党・横路議員に託して国会で追及・・・やがてそれが、入手先の女性とのスキャンダルと機密漏洩問題に刷り返られ(検察・自民党・マスコミの結託だわな~)有罪になり、毎日新聞の政治記者の職業を失い、ある意味社会から抹殺された方である。
再度この問題が浮上するのは、アメリカの情報公開法による、機密文書の公開からだ・・。
06年から、当時の担当者(責任者)であった吉野氏は、証言をはじめ、今、民主党政権になって、多くのしっこくが取れ、ウソを抱いたまま死ねないと思ったか・・・91歳・勇気ある決断だと思うが、もっと早ければ・・・と無念にも思う。
沖縄密約は「核抜き・本土並み」の「核」の持込の黙認がクローズアップされるが、それだけじゃ無い!
それどころか、「核」に矮小化して眺めると、本質を失う。
「核」は返還時「持ってゆかせる」「その後新たに持ち込まない」はウソなのだ。
そんな気はアメリカは無いのだ。
んが、「お互い核は無い」と口車をあわせましょう!
で、核を持ち帰る費用を口実に、「返還と引き換えに最大限の代償」を日本から引き出す!をアメリカは企むのである。
1・在沖縄米資産の回収。
2・本来勝手に農地を基地にしてしまった土地などのアメリカが負うべき回復費用など含む、一切の支出拒否。
3・さらに、従来の枠組みを超えた、居残る米軍基地の財政支出の枠組みの引き出し・制度化。
こそ、密約の大きな中味だ。
核は存在する・払うべき費用は日本に代替させた(みな、核の撤去費用に上乗せ)・残る基地の維持含む費用の日本の負担の制度化なのだ。
まさに「盗人に追い銭」・占領感覚のアメリカ・アメリカにもの言えない日本だ。
何で、「思いやり予算」でアメリカ軍の為に、莫大な費用を出すの?
グアムに移転する費用も、どうして日本が持つの?
今の、日米同盟の本質が、じつに良くわかる本です。
ご一読・・・如何ですか?
吉野氏の証言の日・その裁判所の休廷中に、西山さんから「おつかれさま、ありがとうございます」と声掛け、吉野氏は「元気でいらっしゃいますか?」と応じ、後日の再会を約束したそうである。
涙が出たね・・・・