Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

東京オペラプロデュース「シャブリエ : エトワール」批評3(No.1699)

2009-10-31 19:54:09 | 作曲家 : シャブリエ & オッフェンバック
 東京オペラプロデュース「シャブリエ : エトワール」公演批評の続きである。この公演批評を「書き尽くさない」と私高本が生きている価値は皆無だと思う。

「佐伯周子のシューベルト」と並び、『生きる力』を与えてくれた公演 = 東京オペラプロデュース「シャブリエ : エトワール」


である。


 後遺症として、シャブリエの「3本の完成したオペレッタ」と「2本の未完成のオペレッタ」のCDを聴きまくってしまった。う~ん、名作ばかりだ! さらに「オッフェンバックのオペレッタ」も聴きまくっている。マジで、「佐伯周子のシューベルト」の曲目解説が書き上げられるのか???


 2キャスト2日公演の批評は難しい(← 本当)。特に演出については(悪くなければ)断定できない。「演出が良い」のか? 「キャストの解釈が良い」のか? は、本番を聴いただけでは永遠にわからない。これが原因で「ゲネプロより前」を聴く(=観る)しょーもないヒョーロンカが多いが、こんなバカに仕事を依頼している方が悪い。私高本の演出批評が物足りなかった読者の皆様には、今ここにお伝えしたい!


 両日公演を聴き(=観て)今ははっきり書ける。

  1. 女声陣ははっきり2日目が上だった。「ラズリ役=佐藤篤子と岩崎由美恵」は一長一短だったが、「ラウラ = 2日目の及川睦子」「アロエス = 田辺いづみ」がはっきり全ての面で上だった

  2. 男声陣は「ウーフ1世は1日目の塚田裕之」が上、他は「シロコ = 峰茂樹」が2日目が上だったが、脇役陣は1日目の「エリソン = 西塚巧」「タピオカ = 青地英幸」「警視総監 = 岡戸淳」がはっきり上


であった。タピオカ役は、エリソン役に引っ張られた可能性も大きいが。


 まず「演出批評」である。八木清市の演出は「極めて面白い」である。『音楽最優先』の姿勢が素晴らしい!
 だが、余り大きな声では言えないが、やや「貧乏くさい」面もある。例えば「1幕 → 2幕 → 3幕」の舞台装置が「単に裏返しただけ」にはっきり聴衆に見える! などだ。だからと言って、装置に無限のカネをツッ込むと「オペラの感動」が増えるかどうかはわからない。(・・・って言うか「完全な無駄」なことが多い)
 むしろ、「細やかな感情推移」を十全に表現したところを私高本は賞賛したい。「1幕フィナーレ」とか、「2幕フィナーレ」など。但し「2幕冒頭」などは、費用を掛けなくとも改善の余地があるだろう。楽譜を借りた「フランス リヨン歌劇場版」の演出も、もっと視覚的に説得力があったハズである。(もし再演があるならば)改善してほしい。


 次は「指揮批評」である。

飯坂純 = 日本のオペラ界を背負って立つ指揮者


である。今をときめく「大野和士」でさえ、オペラデビュー当時は説得力は少なかった。今は亡き「神奈川オペラ」の「サンサーンス : サムソンとデリラ」公演では、声楽とオケを整理するだけでせいいっぱいだったことが懐かしい。「日本デビュー」の「ベートーヴェン : 英雄」は素晴らしかったのだが!!!

 飯坂純の指揮は両日とも素晴らしかったが、敢えて比べるならば「初日がわずかに勝った」だと思う。原因は(大ハズレの可能性が高いが)初日の「エリソン = 西塚巧」の歌唱&演技のおかげだと私高本は感じる。初日だけ聴いた時には(私高本のバカ頭では)理解できなかったことである。
 「飯坂純の棒」は、ソリスト陣から、オーケストラから、合唱団から魔法のように「狙った音」を紡ぎ出した。模範にしている音楽は「ガーディナーのシャブリエ」である。『軽くて、それでいて存在感が抜群の音』である。飯坂はまさに実現した! この書き方は間違っているだろう。「オーケストラだけの演奏」の時には、ガーディナーをさえも上回っていたのだから! 「シャブリエの要求通り」が正確な表現なのだろうが、私高本はビンボーで「シャブリエの総譜」を読んだことが無いので断言できないのが残念でならない。人間ビンボーはしたく無いものだ(爆



西塚巧の歌唱&演技は、「舞台の流れ」を創出していた


ことは、ここに遅ればせながら明記したい。東京オペラプロデュース公演は毎回聴かせて頂いているのだが、

西塚巧 は ブレイクした!


と感じる。今回公演の大きな収穫である。できることならば「標準語の時」にもう少し遅く明瞭に話して貰えるとうれしい。私高本の耳では聞き取れない箇所も2ヶ所くらいあったからだ。
 さらに1日目の「警視総監 = 岡戸淳」の歌唱&演技も特記する。迫真の迫りは、「音楽の流れ」をも作っていたことを(2日目も聴いた後では確信するとともに)ここで報告したい。


 私高本自身は「女声好み」なので、2日目の方が好みである。

  1. ラズリ = 岩崎由美恵

  2. ラウラ = 及川睦子

  3. アロエス = 田辺いづみ


は、はっきり1日目より良かった。ラズリ役は相手役の関係なのか、底力なのかは私高本の耳では断言はできないが。ラウラとアロエスははっきり2日目が相当に上である。


 ・・・で、(私高本は関心が相対的に薄い)男声陣であるが、「シロコ = 峰茂樹」がはっきり2日目が良かった以外は、全て初日が良かった。この辺りが「オペラ鑑賞の難しさ」である。


 もう1度、東京オペラプロデュース「シャブリエ : エトワール」公演の水準を客観的に観てみよう。

  1. 音楽的水準 → ベルリンコーミッシェオーパー「オッフェンバック : 青ひげ」水準に匹敵する高水準

  2. 演出的水準 → (予算の足枷があったのか)素晴らしかったが「もう一段上」が存在した演出

  3. 女性陣 → 2日目は ラズリ・ラウラ・アロエス は最高! (1日目はラズリは良かった!)

  4. 男性陣 → 2日目は シロコ は良かった! 他役は 1日目が良く、エリソン = 西塚巧 が最高!!


であった。これだけの「シャブリエ : エトワール」を聴けたことは、「私高本の音楽人生」でも最高!! 本当に感謝しても尽くすことはできない。次回公演以降がさらに高みに達するだろうことを期待する。
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