Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

デュトワ指揮N響マーラー「千人」交響曲初日批評(No.1949)

2011-12-03 23:00:26 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911

『東京でのマーラー「千人」公演」の金字塔』となったデュトワ指揮N響マーラー「千人」


  細かな点でいろいろと事故のあった演奏ではあるが、私高本が過去20数年で聴いた(含む「歌った」)「マーラー:千人」中最高の出来だった。何が良かったかと言えば

デュトワ が「マーラー」像を明確に持っていて、「今使える駒がどの程度で、その中で最善手が何か?」を全て掌握している!


に尽きる。

「東京混声合唱団」と名乗る合唱団は(老眼が進行していて不正確な数だが){S32 + A32 +T27 +B27}×2(2つの混声合唱団だから)


くらいで、アマチュア合唱団員が大半の中に、東京混声合唱団員が35名いる感じ。だが

音程が非常に良く、さらにダイナミクスの巾がある


ことは特記したい。「ディクションが曖昧」とか「アーティキュレーションが徹底していない」などと不平不満は言わないように。「テンシュテット指揮のセッション録音CD」よりは合唱団ディクションは上だと感じる(爆

 合唱団員は大半がアマチュア、ソリストは「ソプラノ」「ソプラノ2」「テノール」がチェンジ(← デュトワやN響には一切罪は無い!)という中で、代役手配にも最善を尽くしてくれたことには感謝するばかり。

ソプラノ1の エリン・ウォール はこれまでナマで聴いた全ての「千人ソプラノ1」で最高!


である。第1部の何度も容赦なく降り注ぐ「ハイC」を全部1人だけで歌い切った声量と音程の確かさは「交響曲の骨格」を太い確かなモノにした。ソプラノ2の中嶋彰子は、急な代役にも関わらず、充分に役を務めた。B は少しきつかったが。アルトの2名もボリュームたっぷり。テノールが第2部で1回目登場の箇所で「ファルセット」で歌っているのは初めて聴いた。確かに「ピアニッシモ」の指示なんだが。デュトワの解釈だろうか? バリトンの 青山貴 は健闘。第2部でトップ引きの大役を見事務めた。ソリストで唯一スカだったのが、バスの ジョナサン・レマル。音程悪い上に音量が無い。この公演唯一の人選ミス。

デュトワ は「マーラーの指示通り」に演奏することは特筆する


 テノールソロで「ピアニッシモ遵守」させる指揮者は過去聴いたことが無かった。合唱もやや声量不足気味なのだが、「第1コーラスと第2コーラス」で融通した箇所が聴いた限りでは皆無。唯一、「第1コーラスでソプラノとアルト指定」箇所をソプラノだけで歌わせて「軽やかな仕上げ」にしていたことが印象に残る。

ピアノが「スタインウェイ D(フルコンサートグランド)」で第2部神秘の合唱の直前のピッコロとの掛け合いで効果を挙げていた!


ことも細部までこだわる「デュトワらしさ」だった。
 トランペット1番とホルン1番にだけアシスタントを付けて、他は「スコア通り」に見えた。アシ付けた2名がコケたことは残念。ティンパニは「いつものN響のティンパニ」で在京オケ平均水準には達していなかったのは(期待はしていなかったが)これも残念。コンサートマスターは「ロイヤル・フィルコンサートマスター」の「ダンカン・リデル」を招聘したが、オケの統率が見事な上、ソロも抜群にうまい! バンダは2階Rの通路。2階席Rの皆様は第1部と第2部のコーダは何がなんだかわからなかったことと思います(爆

 2日目も聴きに行くのが楽しみでならない!!!
コメント
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