デュトワ クラスの大指揮者に 下野竜也 が飛翔する予感を抱かせた「第9」の超名演!
ベートーヴェン「第9」は、私高本にとって シューベルト「グレート」と並んで、世界中でたった2曲しかない「スコア無しで全貌が理解できる交響曲」である。東京交響楽団が「東響コーラス」を設立して以来、毎年毎年「歌う」か「聴く」を年末に続けて来たから、おそらく25年位になっていると思う。(来年度の東京交響楽団のチラシに「25周年」と記載されているので、合ってるように思う。)素晴らしい「第9」に随分出会って来た。私高本の「音楽的成長」が「第9」と共に有った、と言って過言ではない。過去最も印象が深かった「第9」は、ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・アンサンブルの東京公演だった。(オケ名は、次の世代に変わった後だったかも知れない。猫頭なのでよく覚えていない。)
ベートーヴェンの楽譜を「新たに読み直した」上に、アンサンブル精度がオケも合唱もソリストも良かった
ことが印象深い。
2007年年末の 下野竜也 + 読響 + 新国立劇場合唱団 の「第9」は、最も感銘を受けた「第9」の1つだが、「ガーディナー指揮」には至らなかった記憶がある
その時は理由はわからなかった。傷は「ガーディナー東京公演」よりもむしろ少なかった。だが、
ベートーヴェン や シューベルト の名演を聴く時に来る「心を鷲掴みにされる吸引力 = デモーニッシュな魅力」がほんのわずか足りなかった
あくまで「ガーディナー東京公演」と比較してである。他の「第9」に比べれば圧倒的だった。2007年の「下野竜也指揮読響&新国立劇場合唱団の第9」も。第1514号 に「2007年初日批評」が手短に掲載されているので、興味ある方は読んで頂きたい。(自分の過去の1記事にリンク貼るのは意外に手間かかるので、「カテゴリー=批評」から、飛んで読んで下さい。)いつもいつも、ノー天気に書いている私高本が「日本最高」と書いていて、あまり具体的には書いていないことがお分かり頂けるだろう。
今回の 読響プログラムノートは ベートーヴェン「第9」では、異端児 = 渡辺和!
昔々、某オケの「第9」プログラムノートで暴言吐いて、私高本が食いついた仲である。当時は若かったのでお許し下さい > 渡辺和先生><
しかし、「ベートーヴェン理解」が随分と進んだんですね > 渡辺和先生!
4年ぶりに「読響で第9」を振った 下野竜也 は別人のように踏み込みが鋭かった。骨格も、細部も
開演前に配置されていたパート譜は「書き込みだらけの旧ブライトコプフ」だった > 第1ヴァイオリンとチェロ
他は遠いから全く見えない><
下野竜也は「きちんとスコアを見る指揮者」だが、この日は立てたスコアを1度も開けなかった。それでいながら、指示は的確だった、全て。バリトンソロが入っての第4楽章では、全部「歌詞を口パク」しながらの指揮だった。フーガはやっぱ「最初のパート」で口廻りの筋肉は動いていた(爆
この4年間で「下野竜也に何が有ったのか?」は皆目わからない。読響を聴いている限りだと
下野竜也 は「ドヴォルザーク」と「ヒンデミット」で大成果を挙げた
だろう。ヒンデミットは「文化庁芸術祭大賞」も受賞したし。当該演奏会聴いたが「何が何だか訳わからん!」状態だったんだが(爆
まあ、「猫頭」だからしゃーない(爆
下野竜也指揮 読響 + 新国立劇場合唱団「第9」は、最終日=12月26日公演以外は全席売切
なので、批評読んで買えるチケットも26日だけ。25日までに書き上げれば良いので、残りは後編に書きます。気長にお待ち下さい。