詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

初めてナンパしたのは今頃の札幌

2010年02月08日 | 日記
誰にだって、自分だけの秘密の隠れ場所が必要だ。小学生の頃は、学校の温室ハウスや裏山にあきるくらい秘密基地を作ったっけ・・キングの「スタンドバイミー」の世界はいつの時代でも必要だと思う。

誰もが幸せになれない管理社会・管理教育なんかはもうやめて、秘密基地だらけの社会になって欲しい。

大学受験間近の頃だった。休みというと、札幌狸小路の地下の名画座で古い白黒映画やアメリカ60年代70年代のニューシネマを観るのが唯一の楽しみだった。

それから大通り公園を端から端までゆっくり散歩・・電車賃がないので、そこからまた北へととぼとぼ。

どうして彼女をナンパしたのかはいまだにわからない。黒尽くめでかなり年上の女性だったのかもしれない。

そういえばその前の年、文芸部の後輩の娘が、「部屋の掃除やってやるよ」とはるばるやって来たっけ。とても目の綺麗な、ちゃきちゃきの江戸っ子みたいな娘だった。

でもそれまで、女性と交際などしたことのない僕は、万年床に机しかない汚れ放題の自分の部屋を誰にも見せたくなかったのだった。

その娘と、僕の大好きな・・というよりいつもの散歩道だった大通り公園を端から端まで歩いた。
ちょうど夏祭りの最中で、急ごしらえのビアホールで生ビールを飲み、そして駅への途中の書店で「ライ麦畑で捕まえて」を彼女にプレゼントしたのだっけ・・

札幌を思い出すと・・何故だかいつも宮沢賢治の「土神と狐」という、賢治作品でただひとつの恋ー嫉妬が殺人にまで至る三角関係の物語を連想する。