台湾の航空圏を、中国の戦闘機編隊が頻繁に飛行したり、南沙諸島に漁船を装った220隻の1万人もの海上民兵が乗った船を集結させたり、きな臭くなっていて、中国の台湾進攻が近いのではと懸念される。然もNYのオンライン経済メディアBusiness Insiderによると2019年での台湾、中国の軍事力は以下の通りという。軍事費だけでも22倍の差があって、台湾は中国に太刀打ちできるものではない。
●台湾:兵員(推定):189万 航空戦力:837(137カ国中13位) 戦闘機:286(9位) 戦車:1885(17位) 主要艦艇:87 軍事予算:107億2500万ドル
●中國:兵員(推定):269万3000 航空戦力:3187(137カ国中3位) 戦闘機:1222(2位) 戦車:1万3050(2位) 主要艦艇:714(空母1)軍事予算:2240億ドル
一方、台湾の人々の中国との一体化については2020年の総統選挙を見ると、現政権の民進党の支持率が50%、一体化推進の国民党の支持率が28.3%で、無条件の中国との一体化には抵抗があることがわかる。という事は中国は台湾を一挙に侵略できるが、市民の抵抗も大きく、中国が進行すれば、世界中から批判が沸き上がるのは明らかだから、中国は直ちの侵攻はしないのでは? そこに、中国領土からかけ離れていて、フィリッピンもしくはベトナムの国土と思われる南沙諸島に、海上民兵が乗った大型漁船を集結させている意味がある。まずは実効支配することで、領土拡大を認めさせることと、有事でアメリカが第7艦隊を侵攻させても、南沙諸島から見かけ上の漁船を北上させ、第7艦隊の進路を防ぐという寸法では? 漁船だから第7艦隊も攻撃撃沈させるという訳にはいかない。南沙諸島の中国の国際法に反した侵略は、そういった深謀遠慮である。このことは尖閣列島における、大量の漁船の操業もしかり。
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【マニラ共同】フィリピン政府は21日までに、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のサンゴ礁周辺に今月初旬、約220隻の中国漁船が集結していたことを確認したと発表した。政府は中国の海上民兵が漁船を配備したとみており、動向を注視している。
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南シナ海で隊列を組んで停泊する約220隻の中国漁船=7日(フィリピン政府提供・共同)(KYODONEWS)
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人工衛星がとらえたウィットサン礁にいる中国船=2021年3月23日/Maxar Technologies/AP
中国の民兵に関して、【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】(ロイターによる)が以下の様に解説している。民兵に、円換算で、5,708億円にも上る予算が計上されていることになると。
2010年度中国国防白書には2009年度国防費の内訳が示されており、その中には、民兵予算として訓練及び維持費が129億元、装備費として7億3千万元という数値が記載されている。同年の軍事費に占める民兵の予算は2.7%である。少ないように見えるが、2020年度予算でも同じ比率で民兵に予算が計上されているとすれば、1兆2,680億元の2.7%の342億元、円換算で、5,708億円にも上る。全民兵予算の内、どの程度が海上民兵に使用されているか不明であるが、今回フィリピンが公表した写真を見る限り、漁船の塗装状態も良好であり、整備が行き届いているとみられることから、十分な資金が投入されていると考えられる。これら漁船に見せかけた海上民兵が、グレーゾーン事態において、政府の指示を受けて活動していることは疑問の余地はない。中国は、2020年6月、衛星測位システム「北斗」を使用した位置情報の活用体制の整備を完了した。「北斗」衛星には、ショートメッセージを伝達する機能がある。南シナ海や東シナ海のみならず、日本海や太平洋で活動する中国漁船には情報収集任務が付与されていると考えられ、中国漁船が収集した情報は、中国本土で集約され、軍事活動等に利用されていると見るべきであろう。