『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

ファイヤーマン

2006年01月26日 04時15分04秒 | 歌と私と私の祭り
ギターって、指先がぱっくり開いてる冬の手には・・・。
ありゃぁ拷問に近い物がありますぞぉぉぉ!♪は~るよこい、は~やくこい!♪

数年ぶりに古い楽譜本をぱらぱらめくっていると、過去の記憶が蘇ってしまった。
かぁちゃんとぺこちゃんとのダブルチョップな生活が始まって間もなく、未来に目を向ける事が全く出来なくなった頃、遥か昔に故あって自ら切り捨ててしまった多くの物や人に対する自責の念と共に、様々な過去の記憶に苛まれて随分苦しい思いをした。涙腺崩壊も甚だしく、自分でも狂ったんじゃないかと思うほど、一人になれる場所を探しては号泣していた。今考えれば、単に泣き場所を探していただけだったのだと思うが、何事もその渦中にいる間は冷静になれないのも私の大きな欠点のうちの一つだ。

さて、ファイヤーマン・・・消防士じゃなくって、円谷プロ10周年記念番組の、変身前を角刈りの誠直也氏演ずる、地底からやって来た赤いお目々の大きなあの「ファイヤーマン」である。その主題歌が好きで、大好きな子門真人氏が歌ってるって事もあるけど、最初TVから流れて来た時は歌だけでメロメロのヘロヘロになった。もちろん、今もだけど(笑)
主題歌以外にも歌がある事を知ったのはそれから随分後だったが、何せこずかいでEP盤でさえなかなか買えなかった時代なので、友人の音質の悪いテープからダビングさせてもらった。数年後、学生時代にひょんな事からそのレコードを持っていると、出合って間もない友人が言うので、喜び勇んで借りて帰り何度も何度も繰り返し聞いたっけ。「ファイヤーマン」「炎のように燃えろ」「はるかな青い地底に」・・・もしかしたらもう一曲あったかもしれないが、子門さん歌唱のはこの三曲だったと思う。

で、レコードを返す時に、その子は「あげるよ。」って何度も言ってくれたのに、「そんな大事な物はもらえない。」と、私は頑なに断り続けた。
その友人の困った様な笑顔を今もはっきり覚えている。
それから程なく、彼は学校へ来なくなってしまった。何でも長期入院したと言う。
私の住んでいた場所からは随分遠かった事もあり、一度だけお見舞いに行ったら漫画で埋もれたベッドに座っていて「夜になったら怖くて眠れない。」と言って笑ってた。「また来てね。」と病院の玄関まで送ってくれたのに、それから一、二ヶ月もしないうちに突然逝ってしまった。・・・たった19歳で胃癌だったんだって。
それからしばらくは「ファイヤーマン」が聴けなかった。
随分大人になってCD化され、しみじみと繰り返し繰り返し聴いて感激したけれど、やっぱり思い出してしまう。
・・・どうしてあの時、素直にもらわなかったのだろう。笑顔で「ありがとう。」ってもらっておけば後悔しなくて済んだのに。けど別の意味でもっと悲しかったかもしれないな。

どんな歌にも、人それぞれに深い想い出があるものなのだろう。
かぁちゃんにとって「あざみの歌」は、私が知らない特別な思い入れがあるのかもしれないな、なんてふっと思った。
他の歌の多くは忘れてしまったのに、夜中の1時を過ぎてから突然震える声で歌いだす。しかも二番までしっかりと。これは想像以上に何かあるのかもしれない。
「何があったか言ってみなよ。」って聞いても応えないだろうけど気にかかる。

もしも、私がかぁちゃんみたいになったら、いったいどの歌を最後まで覚えていて歌うのだろう。確率的には間違いなく特撮ソングだろうけど・・・「変われぇ!変われ~っ!!」なんて夜な夜なシャウトしたらどうしよう!
・・・ネタにしかならないじゃないか・・・。

一つ一つの歌に詰め込んだ想いを大切に、ずっと忘れないで歌い続けていけたらいいな。大切に、大切に。
コメント (2)
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