『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

やぶへび

2006年02月17日 04時06分31秒 | 歌と私と私の祭り
ブルーカナリアへの反応に気を良くして、アンディ・ウィリアムスを聴かせたのが冷や汗の素だった。参ったよ~かぁちゃん・・・。
先の「S盤アワー」を聴かせると目を閉じていても手や足でリズムを取り出すのを見るのが楽しくて「ほらほら~。」とCDをチェンジすると、閉じていた目をパチリと開けて、長い沈黙の後にかぁちゃんは呟いた。
「これ、あなたが高校の時よ。」・・・はっきりと喋った。ギクリとして私の心臓は急に激しく動き出した・・・動悸、息切れ、眩暈・・・いやいや。
私は少なからずうろたえて、すぐに元のCDに戻した。

思い出して欲しくないし、思い出させたくない記憶もある。
うっかりしていた。私達親子にとっては一番思い出したくない時代だった。
同時に私にとっては一番大切な思い出のある頃でもある。それはむやみに口にして欲しくない。かぁちゃんがその事を口にするだけでも私の思い出が汚されると以前は本気で思っていたし、今もその名残がある。

え~?かぁちゃんがアンディ・ウィリアムスを好んで聴いていたのは1970年代半ばって事か・・・。曲そのものは60年代が多いのでもう少し前だと勘違いしていた。しかし、はっきり文章を喋る程に記憶が鮮明に蘇るなんて・・・。
かぁちゃんは、もうほとんど単語でしか話さないし、それもこちらの言葉の反復が多くなっていると言うのに、不意打ちを食らって驚きすぎた。
そりゃぁ刺激を与えるという意味ではこちらの歌が良いのかもしれないけれど、どうせなら輝いていた時代を思い出して欲しいので、やっぱり50年代だなぁ。

・・・と言うのは建て前。私がヤバイ。
全く、とんだやぶへびだった。余計な記憶が蘇る。
何なんだよ・・・要は逃げるなって事か。過去の積み重ねで今があるのだから、知らないふりを決め込むなんて出来ないって事か。
かぁちゃんが思い出すのだから、記憶と言うものは綺麗さっぱり忘れ去るなんて事は出来ないのだな・・・。まぁ一方で色褪せさせたくない記憶もある訳だから、そんなに都合良くは出来ないって事か・・・。

そうだね、もう少ししたら、また一緒に聴くとしようね、アンディ・ウィリアムス。今度は覚悟を決めて(苦笑)どこまで何を思い出すかを試してみるのも悪くないかなぁ、ねっ、かぁちゃん。

コメント
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