食事を終えて、背の君が自室に入る。
早寝早起きの彼は九時までには部屋に入って朝は四時に起きて来る。
私が寝るのが四時過ぎなので、ちょうど入れ替わり。
「おはよ~!」「おやすみ~!」を同時に元気に挨拶を交わす。
おかしなすれ違い生活パターンにもすっかり慣れてしまった(苦笑)
今日は珍しく部屋に入るとすぐに「アルツハイマーの事をしてるよ。」と再び居間にやってきた。
「アンビリバボー」だったかな?
自らが癌と言う病と闘いながら、若年性アルツハイマーに侵されてしまった奥様を支え続けている方の話で、実際の映像を交えながらの構成になっていた。
私は情けないけれど、アルツハイマーを取り上げた番組を余り観ない。
観れないのだ。
映像では表現しきれない事が見えてしまって、辛くなるって事もあるけれど、
果たして「アルツハイマー」を知らない方達にどこまで伝えられているのだろう?と思い始めてしまうと、つい愚痴っぽくなってしまうから(苦笑)
親がその病になった時より、妻や夫がなった時とではショックが違うよな・・・。
と、つい見入って無言になってしまった時に背の君がぽつりと言った。
「俺、ぽ~(彼は私の名を一文字で呼ぶ)がこうなったら、ちゃんと診るからな。」
・・・あ、あのなぁ・・・。
「七つも年上のくせして、私が先にアルちゃんになるとでも~っ?」
可愛げのない嫁は憎まれ口だけは達者である・・・←私の事だも~ん!!
けれど、考えて見ればお互いもう若くは無い。
「老後」なんて考えもしていないけれど・・・。
かぁちゃんならまだしも、私が?背の君が?
と考えると笑顔が作れなくなってしまった。
背の君、ごめん。本当は「ありがとう!んじゃぁ、よろしく!」
なんて、冗談交じりに言えれば良かったのだけれど、
目の前でかぁちゃんを見ていると、素直には言えなかった。
彼の思いやりで、真面目に言ってくれたのだろうけれど・・・。
アルツハイマーと闘っている方々からはお叱りを受けると思うけど
もし、私がそうなったら、早目にどこか施設にあずけて欲しい。
背の君や、子供達の前で、かぁちゃんのようになった私を曝したくない・・・。
と、本気で思ってしまった。それを口にはしなかったけれど・・・。
おそらく、素敵な笑顔で歌っていらっしゃる、その奥様も
「うふふ」と笑うかぁちゃんも、最初は思うに任せぬ我が身を恨んだのだろうな。
きっと自分が最も苦しかった時には、今の私と同じように思ったのだと思う。
・・・辛かっただろうねぇ。
その思いを、介護する私の方が忘れ去ってしまっていた。
そんな事を今日は、しみじみと考えさせられてしまった。
かぁちゃん、今晩は夜中に寝なくても「はいはい。」と笑って過ごせそうだよ。
早寝早起きの彼は九時までには部屋に入って朝は四時に起きて来る。
私が寝るのが四時過ぎなので、ちょうど入れ替わり。
「おはよ~!」「おやすみ~!」を同時に元気に挨拶を交わす。
おかしなすれ違い生活パターンにもすっかり慣れてしまった(苦笑)
今日は珍しく部屋に入るとすぐに「アルツハイマーの事をしてるよ。」と再び居間にやってきた。
「アンビリバボー」だったかな?
自らが癌と言う病と闘いながら、若年性アルツハイマーに侵されてしまった奥様を支え続けている方の話で、実際の映像を交えながらの構成になっていた。
私は情けないけれど、アルツハイマーを取り上げた番組を余り観ない。
観れないのだ。
映像では表現しきれない事が見えてしまって、辛くなるって事もあるけれど、
果たして「アルツハイマー」を知らない方達にどこまで伝えられているのだろう?と思い始めてしまうと、つい愚痴っぽくなってしまうから(苦笑)
親がその病になった時より、妻や夫がなった時とではショックが違うよな・・・。
と、つい見入って無言になってしまった時に背の君がぽつりと言った。
「俺、ぽ~(彼は私の名を一文字で呼ぶ)がこうなったら、ちゃんと診るからな。」
・・・あ、あのなぁ・・・。
「七つも年上のくせして、私が先にアルちゃんになるとでも~っ?」
可愛げのない嫁は憎まれ口だけは達者である・・・←私の事だも~ん!!
けれど、考えて見ればお互いもう若くは無い。
「老後」なんて考えもしていないけれど・・・。
かぁちゃんならまだしも、私が?背の君が?
と考えると笑顔が作れなくなってしまった。
背の君、ごめん。本当は「ありがとう!んじゃぁ、よろしく!」
なんて、冗談交じりに言えれば良かったのだけれど、
目の前でかぁちゃんを見ていると、素直には言えなかった。
彼の思いやりで、真面目に言ってくれたのだろうけれど・・・。
アルツハイマーと闘っている方々からはお叱りを受けると思うけど
もし、私がそうなったら、早目にどこか施設にあずけて欲しい。
背の君や、子供達の前で、かぁちゃんのようになった私を曝したくない・・・。
と、本気で思ってしまった。それを口にはしなかったけれど・・・。
おそらく、素敵な笑顔で歌っていらっしゃる、その奥様も
「うふふ」と笑うかぁちゃんも、最初は思うに任せぬ我が身を恨んだのだろうな。
きっと自分が最も苦しかった時には、今の私と同じように思ったのだと思う。
・・・辛かっただろうねぇ。
その思いを、介護する私の方が忘れ去ってしまっていた。
そんな事を今日は、しみじみと考えさせられてしまった。
かぁちゃん、今晩は夜中に寝なくても「はいはい。」と笑って過ごせそうだよ。