国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

なぜ日本はデフレなのか?

2010年12月27日 | 日本国内
世界覇権国であるアメリカ、あるいは国際金融資本にとって、最も重要なことは、ライバルである二番手の国を叩くことである。ライバルが負ければ自分がトップを維持できるからだ。第二次世界大戦とは、国際金融資本が支配する米英資本主義連合と、国際金融資本の支援で建国されたソ連、ソ連共産党に支援された中国国民党・共産党などの国際金融資本系勢力が、二番手であるドイツ帝国と大日本帝国を叩いて分断し弱体化させ、資本主義と共産主義の二つのイデオロギーによって世界を支配することを狙った戦争であったのだ。 その後1953年にソ連でユダヤ人のベリヤ・ガガノビッチが逮捕されソ連が国際金融資本の支配から解放されると、ソ連が国際金融資本の最大の敵となった。そして、ソ連が崩壊した後の1990年代には経済力で世界第二位である日本が米国の最大の仮想敵国となり、日本に対する激しい攻撃が行われたのである。その後日本はデフレによって経済力を低下させ、中国がGDP世界第二位の地位を掴む今年から、米国は中国を最大の仮想敵国と見なしはじめている。日本はやっと世界二位という激しく叩かれる地位から解放されたのだ。私は、日本政府は意図的に日本経済をデフレにして経済を縮小させ、米国に仮想敵国視される状態から逃げることを1990年以後続けてきたのだと想像している。これは日本的な「わざと負ける」戦略である。 では、日本政府はいつまでデフレ政策を続けるつもりなのだろうか?それは、日本経済が更に縮小し中国経済が更に拡大して米国が日本を全く仮想敵国視しなくなるか、あるいは世界覇権が米国から米国西海岸・日本・ゲルマン連合国家の三極に移行するまで、ではないかと私は考えている。シリコンバレー、シアトルなどの西海岸都市に米国の輸出競争力のある企業は集中しているからだ。 米国がドルを世界にまき散らす結果、ドルは近い将来に価値が低下し国際基軸通貨の地位を失うであろう。また、欧州は一致して緊縮財政を取っている。これらの政策の結果がもたらすのは世界大不況と米国・国際金融資本の世界覇権喪失である。私は、後者のシナリオ、つまり米国西海岸・日本・ゲルマン連合国家の三極に世界覇権が移行するまでは日本政府はデフレを続けるつもりではないかと考えている。 . . . 本文を読む
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イスラエル右翼と交流するゲルマン系の極右政党

2010年12月27日 | 欧州
オーストリア、スウェーデン、ベルギー北部のオランダ語系地域の極右政党がイスラエルを訪問しイスラエルの右翼政党と交流を持ち、イスラム原理主義に対する戦いを宣言したエルサレム宣言に調印したという。オーストリアの極右政党はドイツの北ラインウェストファリア州に姉妹政党を有しており、この政党も後日エルサレム宣言に調印している。また、ベルギー北部の極右政党は分離独立主義で親ドイツ的であるという。従来、反イスラム主義を掲げる右翼政党はネオナチというレッテルを貼られ、反ユダヤ主義者と同一視されてきた。今回の欧州の極右政党のイスラエル訪問はこのレッテルを打ち破る画期的なものである。この他にオランダには極右政党の自由党が存在し、ドイツにはその姉妹政党の自由党が存在する。オランダ・ベルギー北部はオランダ語地域であるが、そもそもオランダ語がドイツ語の方言に過ぎないことを考えれば、これらの政治的動きは汎ゲルマン主義と呼ぶことができる。ベルギーではオランダ系の北部が経済的に優位に立っており、オランダもフランスに比べて経済競争力が強い(このことはオランダとフランスの国債の利率に現れている)。今後、オランダ・ベルギー北部・ドイツ・オーストリアというゲルマン系地域は共通通貨の元に政治的・経済的に統合され、フランスを含む地中海地域は別のより弱い共通通貨の元に統合されていくのではないかと私は想像している。それはJJ予知夢の言う欧州の東西分裂の実現に他ならない。ただ、私はゲルマン民族の右翼政党とイスラエルの右翼政党の協力がスムーズに進むとは考えていない。イスラエルの右翼政党はアラブ地域から移住してきたスファラディの支持者が多いが、スファラディはユダヤ教徒であるという点を除いては非常にアラブ的であり、男尊女卑の傾向が強い。彼らはトルコ人やアラブ人と同様に欧州文明には受け入れがたいと思われる。彼らの共同宣言は、欧州の極右政党に貼られたネオナチというレッテルを打ち破ることが目的であり、実際に欧州が受け入れることが可能なのは東欧出身で左翼的なアシュケナジーであると思われる。21世紀の欧州大陸は、ドイツ系民族とアシュケナジー系ユダヤ人が支配し、ラテン系民族やスラブ系民族がそれに従属していくことになるだろう。 . . . 本文を読む
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