エミール・ガボリオの次なる作品”La Vie Infernale"の翻訳を開始します。
直訳すると『地獄の生活』。差し当たっては、このタイトルで行きます。
毎度おなじみの世界、毎度おなじみの時代背景。『巴里の奴隷たち』や『他人の金』にも登場していた人物が登場します。どうやらガボリオはこのキャラクターが気に入っている様子。
残念ながら、またまた本邦初訳ではありません。1930年に春陽堂から「探偵小説全集」に収録という形で発表されているようですが、詳しいことは分かりません。が、英訳からの重訳であることは間違いないと思われます。つまり大幅カット、おそらく原作の三分の二程度の長さ。確かに原作は長~いです。
結末のどんでん返しを期待して読み急ぐと、肩透かしを食うことになるでしょう(多分)。ガボリオの小説は、19世紀のパリをのんびりと散歩する気持ちで読めばとても楽しいです。フランス語的には、さほど難しくはなく、しかし意外に手強い箇所も随所にあり、まさにパズルを解く楽しさ。
では、のんびりと出発です。