
『死ぬ気まんまん』佐野洋子/光文社文庫(2013年10月)
2010年11月に亡くなった佐野洋子さんの『小説宝石』(2008〜09年)に連載されたエッセー。
ガンが転移し余命2年を宣告されながらも、煙草を吸い、ジャガーを購入し、ジュリーにときめく。
そんな日常生活や、一風変わった友人たち、幼い頃の思い出などが、著者ならではの視点で語られる。
その他、主治医との対談や、ホスピスでの「死」の見聞を綴った「知らなかった」、関川夏央氏による「『旅先』の人」を収録。 ~BOOKデーターベースより~

『平場の月』朝倉かすみ/光文社(2018年12月)
朝霞、新座、志木―。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。
元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとりである。
須藤とは、病院の売店で再会した。
中学時代にコクって振られた、芯の太い元女子だ。
50年生きてきた男と女には、老いた家族や過去もあり、危うくて静かな世界が縷々と流れる―。
心のすき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く、大人の恋愛小説。 ~BOOKデーターベースより~
須藤の頑なな潔さが切なく心に響く50代の恋愛だった。


『書店ガール4 パンと就活』碧野圭/PHP文芸文庫(2015年5月)
『書店ガール5 ラノベとブンガク』碧野圭/PHP文芸文庫(2016年5月)
本屋に就職するか迷うバイトの愛奈。正社員かつ店長に抜擢された彩加。
理子と亜紀に憧れる新たな世代の書店ガールたちの活躍が始まる『4』と、
取手店の店長となった彩加が業績不振に頭を悩ませ、そこに現れたラノベ編集者の伸光(亜紀の夫)の『5』。
人気シリーズだけあって、読み応えあり。
ますますストーリー展開が上手くなってると思います。
それもそのはず、著者自身が作家になる前に、
ラノベ雑誌の編集者として10年キャリアをお持ちなので現場に詳しいのですね。