◎音楽の効用
(2014-12-08)
言葉は、音であり、響きである。トーラーの言葉から
『ラビ・シモンが次の聖書の文を引いて語りはじめた。「わたしはわが言葉をあなたの口に置く」(イザヤ書五一-一六)
至聖がトーラーに取り組む人たちの声を聞き給うように、人間は日夜トーラーに励まねばならない。だがトーラーに励む者らによって新しくされる一語一語から至聖は天の空間を作り出す。わたしたちはこのように学んだ。
トーラーの言葉が人間の口から新しくなって出ると、それは上昇して至聖の前に立つ。すると至聖はその言葉を迎え、それに接吻し、しるしを打印した彫りこんだりした70の王冠をかぶせる。
新しくなった高い知恵の言葉はまた上昇し、ツァッディーク、永遠に生きる者の頭にとどまり、そこから飛び出して、七万の世界を通り抜けて、「日の老いたるもの」(ダニエル書七-九)の前へ昇って行く。
だが日の老いたる者の言葉はすべて知恵の言葉であり、隠れた高い秘密となっている。』
(ゾーハル/エルンスト・ミュラー編訳/法政大学出版会P29から引用)
この文からすると、「トーラーに取り組む人たち」とは、菩薩であって、最低でも見神を経た人。
しかしジャンルは問わないが、至聖なるものを求めてやまないミュージシャンにも、その旋律が、至聖の前に届くことがある。
そしてあろうことか、その旋律は日の老いたる者=中心太陽の前に登りさえするという。永遠に生きる者の頭とは、アートマン。
此の辺は、クンダリーニ・ヨーガの奥義をきわどく暗喩しているように思う。その場に立ち到った者だけがそれと気づく。
70の王冠の7万の世界も7つのチャクラの強調。
そうした前向きの想念を有した演奏者の手による音楽により、時として病んだ肉体は快癒のきっかけをつかむことがある。大いなるかな音楽の効用。