先日、母のことで、弟と私で施設の医師と話した。
唯一できる治療は放射線治療だが、さほど効果は期待できないとのことで、
私たちにわずかに残っていた、治療すべきかどうかという迷いもなくなった。
あとは母をいつ病院へ移すかということだけれど、入院先は精神科になるとのこと。
精神科といっても、一般にイメージされる精神科とは違うそうで、認知症の患者さんが多く
知らないうちに出て行ってしまっては困るということで出入り口に鍵がかかっているだけで、
あとは一般病棟とかわらないそうだ。
でも、母はまだ字が読めるので、精神科とどこかに書いてあったら傷つくだろうと思う。
それに、入院すればベッドで寝たきりになるだろう。
申し訳ないけれど、施設のほうでもう無理だというまで置いていただきたいと希望を伝えた。
今のところ、時間はかかるが自分で歩いているし、日中は談話室で他の皆さんと一緒に過ごしている。
でも、母の像の足のようにむくんだ足と、深く食い込んでひょうたんのくびれのようになっている
靴下のゴムのあとを見て考えが変わった。
「痛い」?ときくと、小さく頷く。
日中談話室にいるのは、自分がいたいというより、
詰め所の目が届くからいさせられているのかも知れない。
一日中椅子に座っていれば足もむくむだろう。
でも、非難はできない。
せいいっぱいのことをしてくれているのはわかっている。
本来が介護施設ではないのだから。
背中も痛いようだ。
やはり早めに入院させたほうが良いのかも知れない。
入院先の精神科の先生の診察を受けて時期を決めることになった。