一番長いお付き合いのお友達「M子さんとランチをした。
半年ぶりだ。
お互いの孫の話、行って来た旅行の話など、近況を語り合った後で、
お決まりのデパブラ(デパートをブラブラ)へ。
そういう世代なのか、私たちはデパートが大好き。
地下街もいいけど、やっぱりデパートがいい。
M子さんは、来月泊りがけの同窓会があるそうで、セーターが欲しいというので、
見て歩いた。
まず目指すのは、お値下げ品のコーナー。
安物買いの銭失いが続いている私が言うのもおかしいけれど、
「お高い品をお安く」が、私たちの本来のモットーなのだ。
バーゲンシーズンではないけれど、各テナントがそれぞれお値下げ品を並べていた。
M子さんは良さそうなものを手に取ってみるが、
「あらこれLだからダメ」と言って戻してしまう。
サイズ切れで値下げになったのだろう、Lサイズしか残っていない商品が多い。
でも、私たちが見て歩くのは比較的若向きのお店。
細身にできているものが多いので、私達が着たら、Lで丁度良いということも少なくない。
それなのに、試着するまでもなく、彼女は初めからLは外してしまう。
「だって、Lだもの、私はMよ」
私なら、MでもLでも、自分に合ったものを買うけどな~。
結局、ある有名店でMサイズのベージュのセーターを買ったのだけれど、
ブラからはみ出た背中のお肉の盛り上がりはくっきりだし、
お腹のパンツの打ち合わせもありありわかる。
一応、私はアドバイスしたし、そのうえで彼女が買ったのだからしかたがない。
でも、なんだかね~、往生際が悪いな~と思う。
私たち、66だよ。
あなたがいくら若くてきれいでも、体は年を取ってるのよ。
そろそろ現実を見たほうがいいと思うけどな~。
半額で15000円のセーター、来年も着られるといいけど。
とっくの昔に現実を見た私は、心の中でつぶやいたのだ。