「刑事ヴァランダー」の最終回をこれから観る方はお読みにならないでください。
ネタバレがあります。
WOWOWで録画してあった「刑事ヴァランダー」を観た。
シリーズものだが、不定期で数年かけて放送されていた。
原作はスウエーデンのヘニング・マイケルという作家の警察小説で、ドラマ製作はイギリスのBBC。
舞台はスエーデン、主人公のヴァランダーはスエーデン人でスエーデン警察の刑事。
でも、演じるのはイギリス人の名優ケネス・プラナー、というややこしいドラマだ。
中年の刑事が、離婚や父親の病気、個人的な問題で悩みつつも、
事件を解決していく人間臭いドラマで、スエーデンの気候のせいか、
映像も全体的に暗い。
なんだかおもしろくなさそうだけれど、それが面白い。
年に何回か放送されるのを楽しみにしていた。
今回は最終回らしかったので、ガッカリと同時にどのように終わるのか興味深かった。
ヴァランダーももう年だから、少し早めの退職だろうな、
まさか殉職なんてことじゃないといいけどと思いながら観ていた。
始まった途端に、ヴァランダーが強盗に頭を殴られてしまう。
幸い大事に至らなかったのだけれど、それが切っ掛けなのか、
約束を忘れたり、自分の居場所がわからなくなったりし始める。
始めは気にもしなかったが、ガスの火を消すのを忘れてボヤを出すに至って
脳の検査を受ける。
(殴られたことで脳腫瘍ができたのかな・・・)
検査結果から医師は告げる。
「亡くなったお父様と同じ病気ですが、違うのは、あなたの場合急速に症状が進むということです」
(え?何ですか?)
ヴァランダーの父は重度の認知症だった。
ヴァランダーが55歳だというから若年性認知症ということになるのか。
医師に、できるだけ早く家族や友人に話すように勧められるが、なかなか言い出すことができない。
(そりゃそうよね、本人だって信じられないわよね)
そうこうしているうちに、銃弾をフル装填した銃をファミレスに置き忘れてしまう。
小さな女の子が見つけた銃は、その母によって警察に届けられ、大事には至らなかったが
いよいよ追い詰められたヴァランダーは、娘に自分がどうなっていくのか告げる。
「私がパパの世話をするわ」という娘の言葉が救いだけれど、
何て残酷な終わり方なの!
名刑事が若年性認知症だなんて、思いもよらなかったわ。
「相棒」の甲斐亨が、シリーズ最終回でまさかの逮捕をされて以来のショックよ。
記憶を失う恐怖に怯えながらも、ヴァランダーは、娘の夫の両親の関係した事件を解決して、
それが最後の事件になった。
こんななら、殉職のほうが良かったかな~、