私たちの水彩画サークルの先生は80代、立派な高齢者だ。
その先生が昨年秋、ご自宅の階段から足を滑らせて肋骨にひびが入った。
それなのに、傷みに耐えながらサークルに出て来られた。
先生、家に帰って安静にしていてくださいと、みんな勧めたが、
「静かにしていれば大丈夫」と言って、いつものように私たちの描いている絵を見て回る。
ところが、私たちのところに回って来られた時、うっかり咳をしてしまった。
その後が大変、先生は机にうつぶせたままピクリともしない。
大丈夫ですか?と声をかけても、
傷みに返事もできない、ひたすら耐えている様子だ。
ややしばらくして傷みが去ったのか顔を上げたが、脂汗がにじんでいる。
そんなに痛いのに・・・その後も出て来られた。
それが返って良かったのか、1週ごとに回復して、忘年会のころは傷みは殆どなくなったそうだ。
仕事というほどではないけれど、多少とも責任のある立場が回復を助けたのではないかと思う。
もし、ただ家にいるだけだったら、寝てばかりで足も弱り、老け込んでいたかもしれない。
老年医学会が(そんな学会あったんだ)高齢者の定義を
75歳以上に引き上げるべきだと提言したとか。
高齢者になる年齢は人それぞれだと思う。
でも、どこかで線引きして高齢者としなければならないのなら、
そうね、75歳は妥当かな。