先日のお絵かきサークルでのこと、
先生と古くからいるメンバー数人が共通の知人について話をしていた。
私たち新参者は存じ上げない人のことなので、黙って筆を動かしていたが、
会話は聞こえていた。
どうやら、話題の人は最近亡くなったらしい。
その人のひととなりとか、絵の入選歴とか、絵の傾向とか、
しばらく続いていた会話が途切れたところで、一人が訊いた。
「お幾つだったんですか?」
「78歳って言ってたかな~」と、先生。
「ああ、それならまあ良いころですよね」と、彼女。
一瞬ドキ!
おいおい先生は80半ばですよ。
「じゃあ、私はどうすればいいの?死んでなきゃなんないよ」
先生がユーモア交じりにおっしゃったので、みんなも笑って済んだけれど、
つい言ってしまった人は、平謝りだ。
もちろん彼女に悪気はない。
その人は私より少し若い、ご主人もきっとそのくらいなのだろう。
78歳はまだまだ先だ。
でも、わが夫はこの間74歳になった。
78歳まではあと4年。
それで死んでもらっては困る。
悪気も罪もない言葉だったけれど、言って欲しくなかったわ。