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ハーフ・ムーン・ベイでお昼を

2012-08-18 | お出かけ

我々がサンフランシスコに住んでいるとき、リッツ・カールトンのHPで見つけた開業したてのホテル、
それがこのリッツ・カールトン・ハーフ・ムーン・ベイです。

ハーフ・ムーン・ベイ。

サンフランシスコとサンノゼのほぼ中央、太平洋沿いを走る国道1号線沿いに位置する、
この美しい名前を持つ湾は、また 独特の天候を持つ屈指の美しい場所として有名です。
その名前は、湾の形からつけられたそうです。
そこに、リッツ・カールトンができたと知って、我々は折りに触れここを訪ねてきました。

御覧のような霧の中荒い波が岸壁に打ちつける、まるでイギリスのような景色ですが、
この無骨な天候と美しいゴルフコースを構えたホテルの佇まいが、醸し出す雰囲気、
都心にあるリッツには無い暖かさを持つホスピタリティに魅せられ、よく食事に訪れたものです。
何と言ってもここのレストランは、アメリカにしては?味が非常に洗練されているのです。
日本に帰国して、毎夏渡米する習慣になってから、TOが来ると必ず一度は食事に行くのですが、
今年も行ってまいりましたので、写真を淡々と挙げていきたいと思います。



フリーウェイ280で北上。
隣を走っていたキャンピング・カー。
こんな風に平たい(立って入れない)キャンピング・カーを見たのは初めてだったので、
運転しながら左手だけでそちらを碌に見ずシャッターを切りました。

TOが「危ないから撮ってあげる」と言うのでカメラを渡したのですが、
「あっ!ここきれいだから写真撮って!今!」
という指示でTOの撮った「きれいな景色」の写真が、これ。



なぜよりによって柵とゴミを写す。
なんか、いつもこの人はシャッターを切るのが異様にヘタです。
それにしても、走る車から撮ったとは思えないですね。
さすがカール・ツァイス。
買ったときは誰だか知らなかったけど、コメント欄で教えていただいたので今なら分かる。

この時息子が、どこで仕入れてきたのか
「戦争のときドイツのスナイパーが優れていたのはレンズのせいだったからだって」
などという話を披露し、盛り上がったりしていたのですが、その後教えていただいたところによると、
製品は日本製だったんですねー。
あらためて日本の町工場の技術力に畏れいったしだいです。




可愛らしい樅の木の畑。
これは「クリスマスツリー工場」です。
12月ごろに、ここの木は全部ツリー用に売られる運命。

高速を降りたら、ハーフ・ムーン・ベイに続く道は山中の一本道なので、休日は渋滞します。
やっと渋滞を抜け、ホテルに近づいてくると・・・・

 なにやら雲が。

 ハーフ・ムーン・ベイは霧です。

サンフランシスコもそうですが、この辺もパーシャルな気候で、何十メートルか進むと、
いきなり晴れたり曇ったりが変化するのです。



ホテルが近づいてきました。
手前にある小さな検問所のようなところで、係の人に要件を告げると、車のワイパーに、
ドアマンたちに分かる札をつけてくれます。

「ナビオにランチの予約を入れているのですが」と言うと、
「それはようこそ!どうぞランチをお楽しみ下さい」という言葉をかけてくれます。

わたしはこの英語圏で言われる「Enjoy!」が大好きです。
お皿を持ってきて「Enjoy!」
買い物したら包みをわたしながら「Enjoy!」
英語のこの「Enjoy!」は、いまから何か楽しいことをしようとしているときにかけられると、
喜びが倍加する素敵な呪文だと思っています。



ここでは当然のようにエントランスでバレーが車を受け取ってくれます。
「ベンツ借りて良かったかも」とちらっと思ったりしました。
他の車もメルセデス、BMW、ポルシェにレクサスばかり。

 これがバレー係。

ホテルの顔なので、必要以上にハンサムな男性が配置されている気がします。
ところで、前に来たときと制服が違うので、彼に
「制服。変わりました?」と聞くと
「変わったんですよ」と言ってから「良いですか?これ?」と可愛いことを聞くので、
「すごく素敵ですよ。写真撮ってもいいですか?」

 男前である・・・・。

ゴルフコースが売り物のホテルなので、古い時代のゴルファーのイメージなんですね。

 ほらこれも。

しかし、これ、アメリカ人(しかも白人)だからこんなにピタッとくるんだろうなあ。
まるでセピア色の写真から抜け出してきたようです。



夏なのにドアマンたちがベストやジャケットを着ていることからもお分かりのように、
このあたりは決して暑くなりません。
今日もこのようにロビーの暖炉には薪が焚かれていました。



ここがレストラン、ナビオ。
ロビーのレストランは比較的カジュアルなハンバーガーやサンドイッチを出し、ここでは
コースのお料理を出していたのですが・・・・、



なんだかメニューがカジュアル化している・・・・。
コースが無くなってしまったんですね。
アメリカ人にお昼のコースはあまり受けなかったのかしら。


 

レストランから見える景色。そう、この前は、ゴルフコースなのです。

 

このホールでの様子は、レストランや外にずらりと並んだ椅子から注目の的。

 

ここで楽しみにしていたのが、お料理の写真を撮ることです。
先日買った新しいカール・ツァイスレンズ搭載の(強調)カメラ。
なんと「グルメ・モード」というのがあり、お料理を美味しそうに撮ってくれるのだとか。
まずはパンとアイスティー。
なかなか良い感じの画像でしょ?
このパンは、見かけよりずっと「実力のある」味がしました。
そしてバターの美味しさときたら!

 

オーガニック・グリーンのサラダとジンジャー&キャロットのスープ。
サラダはわたしが、スープはTOが頼みました。
サラダはバルサミコ風のドレッシングが葉に程よく絡められておりました。



息子が頼んだ、フレンチ・フライ。



わたしと息子が二人でシェアした、チキンのオレンジソース、マッシュドポテト添え。
チキンの淡白さとソースが絶妙でした。
お皿が来てすぐ写真を撮るのを忘れてしまって、しばらく食べてから撮った画像です。
ポテトはクリーミーでなめらか。コクのあるこってりした味で、美味しかったのですが、
やはり二人でも食べきることはできませんでした。



TOが頼んだのはポルタベーラのハンバーガー。
ポルタベーラはものすごく大きなキノコで、肉厚で食べ応えがあるため、アメリカではよく
ビーガンやベジタリアンの人たちがメインにする食材です。
ポテトは「普通」でした。

ところで、このカメラの「グルメ・モード」はどうですか?
特にポテトなど、実に美味しそうに写っている気がしますが。

そして、お待ちかね、デザートです。



チョコレートアイスクリームを、これもチョコレートのパフでサンドしたもの。
これはまあ、普通でしたが、



これが異常に美味しかった!
このパイ状の部分は、パリパリしているのではなく、なにかしっとりしていて、
パイケースの中に詰められたコンポートは甘すぎず、風味豊か。
チョコレートのたこ焼き?は三人で食べても一つ残りましたが、これはきれいに無くなりました。

わたしがこれに舌鼓を打っていると、ウェイトレスのお姉さん(美人)が
「デザートはどうですか?」
とご機嫌伺いに来ました。
アメリカでは、このように何度も給仕人が「美味しいですか?」などと聞きに来ます。
美味しくなくても「グッド」と言ってしまうのが日本人というものですが、
これに関しては「グレイト!」と心から言うと、お姉さんは嬉しそうに、
「そうでしょう。クリーミーでしっとりしていて、わたしも大好きです」

お勘定のとき、
TO「チップいくらにする?」
わたし「お姉さん可愛いからはずんであげて」
「言ってることがおじさんみたい」
「いいの、可愛いは正義だから」



レストランから見える焚火のまわりは人が一杯。
皆ここに座って何時間でもずっとくつろいでいます。
寒いので火のそばでないと無理ですが。

 

子供たちは寒くても平気。
芝生を転がったり、兄弟げんかしたり。

 

このガルボは、ここで結婚式が行われるときに祭壇?になります。
一度見たことがありますが、この芝の部分に白い布を掛けた椅子を並べ、
まん中を新郎新婦が歩きます。



崖の形が、なんとも趣があります。
この崖はゴルフコースの地続きですが、決して無粋な柵など作らないんですね・・。



語らう人々。
この日は土曜だったのですが、今まで見たことないほどの人出でした。
泊っている人が多いのだとするとアメリカの不況は、まだまだそんなに深刻ではないのかな。
それとも、アメリカだから「あるところにはある」ってことかも。



去年の「鳥スレ」で紹介した「目つきの悪い鳥さん」。
よく見ると、羽の付け根が青いですね。



こんな風に生垣の上で頑張っています。
何か食べ物がこぼれるのを待っているのでしょうか。





バレーに車を持ってきてもらいました。
感心したのが、ホテルマンが運転しても、シートポジションが変わっていなかったこと。
日本ではありえないですが、アメリカでバレーを頼むと、女性のわたしのポジションでは狭いのか、
シートが思いっきり後ろに下げられていていつも少しイヤな気分がするのです。
こういうところも、リッツらしいなあと感心しました。
車を持ってきてくれた人には、チップを渡すのが礼儀。
車の控え札と一緒に5ドル札を渡すと、
「ありがとうございます。楽しい時を過ごしていただけましたでしょうか?」
最後までこういう風に「特別なとき」を演出してくれるのがリッツのサービスです。

というわけで、ハーフムーンベイを後にした我々です。
帰りに、TOにカメラを持たせて「いい景色があったら撮っておいて」と頼むと、
湖のところで彼が撮った写真が、これ。

湖が写っていない。



なぜわざわざ柵を写す。



ところで、冒頭の写真、この細長いパノラマ機能も、新しいカメラに付いているの。
これは息子が撮ったので、よその人が映ってしまいましたが、アメリカ人だからいいよね。
いやはや、10年経つとカメラもすごい進歩だなあ。
まあ、お値段もだいぶ違うんですが。

というわけで、久しぶりのハーフムーンベイと、カメラの機能を楽しんだ一日でした。