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大日本帝国海軍の優れた光学技術

2012-08-19 | 海軍

今日は実はお休みをいただくはずだったのですが、カメラを買ったことから話題が広がりを見せ、
何人かの方からわたしの全く知らなかったカール・ツァイス(アメリカではカール・ザイス)の
レンズについて色々教えていただきました。

検索の過程で「戦争とカメラ」などという面白そうな本の題名を知り、ますます興味を持ったところ、
以前海軍搭乗員とカメラについて記事を書いたときにコメントをいただいた秋山さんから、
くわしい説明をいただきましたので、それを紹介します。

コメント欄でご覧になっているとは思いますが、この件について頂いた他の方のコメントを
初めてご覧になる方のために挙げて最後に秋山さんのを掲載します。


リュウTさん

司令長官が使用されていたツァイスの双眼鏡は三笠に実物があります。
(今も展示されているか不明ですが、多分今も展示されていると思います)

ソニーの高級カメラ(ビデオカメラ含む)は大方ツァイス製のレンズを採用してます。
ツァイスの光学機器(双眼鏡とか顕微鏡とか)は悔しいことに
日本製(ニコン等)よりも優れているそうで。

ツァイスの東西分裂物語とか興味深い話を知ると、ますます愛着が(ry

ただ、ここまで書いてナニですが、メイド・イン・ジャーマニーとは限りません。
ライセンス生産という物がありまして。
規格に則って管理・生産された物なので、本国生産と何ら変わらないのですが。
ただ、さすがにチャイナではないはず。
相応の設備と技術と人間の信頼性(コレ重要)が無ければ規格に合格しない(はず)。
多分、日本製。コシナが製造していると思われますが、確証ありません。

「いいお買い物ですね!」mizukiさん

とてもいいカメラです。
リュウTさまのおっしゃる通り、ソニーのツァイスレンズは、
ソニーミノルタとカールツァイスがデザインし、日本のCOSINA社が作っております。
日本の技術の結晶ですね!
セカンドライフでも写真を嗜む方が多く、こちらでは手振れとピンボケがおこりません。
お友達の作品をご紹介いたします。
http://www.koinup.com/Hiroko/



「大日本海軍の優れた光学技術」Akiyanさん

ツァイスレンズの話題から「三笠艦橋の図」にみる光学兵器の話題に思わず
コメントしたくなりました。
いぜん「海軍パイロットとカメラ」でコメントさせていただいた、秋山と申します。

すでにご承知の通り、東城鉦太郎作画の「三笠艦橋の図」は、
中央に長官の東郷平八郎大将(後に元帥海軍大将)、その後ろに測距儀(レンジファインダー)
を覗く測的係長谷川清少尉候補生(後に海軍大将)が描かれています。
その長谷川清少尉候補生が覗いていた英国バーアンドストラウド社製の測距儀と
ほぼ同じ時代のモデルを調査研究しました。
http://akiroom.com/redbook/kenkyukai11/kenkyukai201105.html

さて本題の、ドイツのツァイス社製と、日本の製品、例えば日本光学工業製(現在のニコン)
を比べてどちらが優れているかですが、当時の実物を揃えて検証してみました。

結果は、専門家によるレストアが正確に行われているものは、
どちらも素晴らしい性能を有していることが複数の人間による目視官能試験で実証されまし
た。
いずれも、70年以上前の製品の話です。
本日アップしましたので、ご確認ください。

http://akiroom.com/redbook/kenkyukai12/kenkyukai201206.html

ツァイスの光学製品は私も大好きで、ルーペ1つとっても、明らかに使い勝手、
光学性能が優れているため、持っているだけで豊かな気分になれます。



以上です。

頂いた記事の中の5番、

「しかしこの双眼望遠鏡の機種の多さを含めた異常な発達は、
発展途上の電探に対するあだ花でもあり、
また日本における電探発展の足を引っ張った可能性も感じられる。」

という考察と、

最末期の極度の物資不足の中でも主目的である光学性能には
妥協をしない設計を貫き通した姿勢


という一文に感動しました。

今回検索していて「戦争とカメラ」という本が発行されているのを知り、帰国したら読んでみようと
思っていたのですが、このような観点から戦争を語った本を出していただきたいですね。


それにしても、エリス中尉が店頭で「カール・ツァイス」という名前を見て、
全く知らないなりに何か「これはきっといいものに違いない」と思ったのは、
実に正しい嗅覚であったということではないですか!

実は単に権威とイメージに弱いだけなのだけど、結果が良かったので自画自賛。


本日のタイトルは秋山さんのコメントに付けられていたものをそのまま拝借しました。

秋山さんのコメントに貼られていた研究会の様子は、
全くその世界に造詣のないわたしものめり込むように読んでしまいました。
なんといってもこういう研究にかける人々の情熱が伝わってきます。

日本の技術力、あらゆるモノづくりを支える力ということを、このように表わす言葉があります。

「ただ、自分の考えたことを研究し、発明し、
それを自分のコミュニティの中で面白がるためだけに発表する。
コミュニティの中ではその技術は磨かれ、完成されていくが、本人たちは
その中で楽しんでいるにすぎない。
ある日、そこで展開する世界を他の国の人間が見てその技術に驚愕する」

草の根でこのような「こだわる人々」が全ての分野にいる、というのが日本なんですねえ。
そのこだわりがモノづくりの国を生んで来たのだとあらためて知ることになり感無量です。