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シリコンバレーを歩く

2012-08-12 | アメリカ

ボストンで州立公園を歩いていたように、朝はできるだけ外を散歩することを心がけています。
旅行に行ったときも、街の探求を兼ねて朝一人で起き出し、歩いてみたり。

モントレーではアシカの群れが泳いでいるのを見ながら、
ナイアガラでは瀑布を眺める道に沿って、
パリでは朝市のおじさん達に訝られながら、(フランス人はウォーキングなんてしないらしい)
フロリダでは大西洋から昇る朝日に照らされてどこまでも続く砂浜の海岸を、
セント・トーマスではイグアナの群れを追い払いながら・・・・。

ここスタンフォードに一カ月滞在することになり、勿論ここでも歩いています。
それが写真の「スタンフォード・ディッシュ・トレイル」。

息子をキャンプに送っていく途中の道に、なだらかな丘陵の連なる一帯があり、
ゲートを入っていく「ブリスク・ウォーク」(アメリカのウォーキングの言い方)スタイルの人々がいました。
ここはいわゆる「トレイル」(歩くために開発された公園)に違いない!と、
息子を降ろしてすぐ行ってみました。
近くの道は駐車可なので、みなそこに車を停めて歩くのです。


 

自然の地をトレイル部分だけ舗装し、「それ以外のところには立ち入らないように」
この道を辿っていくと、一時間くらいで一周して同じ所に帰ってきます。



いちばん高い部分にはこのようなレーダーが二基。
これ、いつできたんだろう・・・。
まさか、日本と戦争してたとき?

ところで、ここは野性の生物がたくさんいます。
カリフォルニアのなかでもベイエリアは野性動物の保護区だからです。
だからといって、人が立ち入れないようにするのではなく、あくまでも控えめに、
彼らの領域に「おじゃまする」という感覚で自然を楽しむわけです。
ここも、道路こそ舗装していますが、自然をできるだけ弄らないように、柵も必要最小限。
日本にはありえない「放任主義」です。


毎日カメラを持って歩き、画像がたまったので、一気に放出。

リス。

最初にここに足を踏み入れた瞬間リス発見。
「うわああああ!かわいいかわいいかわいいー!」
と興奮して写真を撮りまくったのですが、通り過ぎる人は全く無関心。

それもそのはず、この一帯はこのリスの群生地になっていて、
少し歩けば踏んでしまうほどたくさんいるのですから(じっとしていればだけど)
ここの住民にとっては珍しくもなんともないの。
わたしも何日目かにはカメラすら取りださなくなりました。



ボストンのリスも日本のリスもシマリスですが、ここのはこういう斑点なんですよ。
ブツブツ模様のリスなんか見たことが無かったのでかなり驚きました。
調べてみると、この辺特有の種で、

「カリフォルニアジリス(California ground squirrel)」

だそうです。

ジリスってのは、ジ・リス、つまり地リスです。THE ・RISU、ではありません。
因みに「リス」の英語は日本で全く普及していないため、読むのに皆苦労するようですが、
「すくうぉえお」
をこのまま読んだものの発音に近いです。

グラウンド・スクウォエオだけのことはあって、こやつらのお家は地面に掘った穴。



家から顔を出していたので撮ろうとしたらひっこんでしまいました。
もう一回顔を出すのを待っていたのですが、出てきてくれませんでした。
もしかしたら、別に出入り口があるのかもしれません。



仲良しリス。
このあたりは夜猛烈に寒いですから、穴の中でくっつきあって眠るのでしょう。


 

まゆげリス発見。



ところで、リスの天敵もここには数多くいる模様。



立て札には「マウンテンライオン、コヨーテがいます」
「出会ったら大きな声を出すか地面に伏せてじっとしていてください」
死んだふりってことかな。

え?

コヨーテって、横たわってる、つまり死んだものを食べるんじゃなかったっけ。
それはハイエナか。
とにかく
「襲われても絶対に戦わないように!」(Fight back!)
戦いませんよ。お願いされても。



閲覧注意。

って、見てしまってから書かれても。
ヘビ嫌いなのに見ちまったどうしてくれる!という方、すみませんでした。

おそらくリスの天敵なんだろうなあ。
向かいから歩いてきた女性が、
「気をつけてね、ヘビがいるから」
と教えてくれました。非常に目だつ模様なので、教えられずともわかったでしょう。

わたしはヘビ、顔が可愛いので決して嫌いではないのですが、
シュルシュルと道を横切る姿は、何とも背中がぞくぞくする気持ち悪さがありました。

因みにこれは

「カリフォルニア・キング・スネーク(califoenia king sneak)」




閲覧注意。

出してから書くな!おまけに死んでるじゃないか、という方、すみませんです。
これは、コーチウィップ・スネークという種類のようだけど、これも、キング・スネークも、
ペットショップで売っていたりするんですって。

世の中には「ヘビ好き」というニッチな趣味を持つ方々も当然おられるのですが、
あるサイトで
「気性が荒く噛みつかれるので、初心者や猫可愛いがりしたい人には向いていないかも」
って書いてあって、思わずウケてしまいました。

猫可愛がり・・・・。

コースは、いきなりハードな上り坂から始まり、アップダウンが結構あって、トレーニングには最適。



閲覧注意。

って、出してから書くな!
見たくもないもの見ちゃったじゃないか、と思った方、すみません。
この上半身裸のおじさんは、常連さんで、歩くだけで息が切れてしまうほどのこの坂を、
毎日のように駆けあがって走っています。
なのに、なぜ体が一向にそんな感じになっていないのか、不思議です。
もしかしたら、たまたま先週から走り始めただけなんでしょうか。

ここは朝から日差しが強烈で、わたしなど陽のあたっている部分がひりひりするので、
いつも長袖長パンツのトレーニングウェアで歩くのですが、アメリカ人は平気なのか、
女性でもランニングに短パンは普通です。
しかしこのおじさんのように上半身裸、というのはさすがに珍しいのと、
写真では分かりにくいですが、おじさんは背中にもじゅうたんのように毛が生えていて、
それにひどく感銘を受けたので、ついシャッターを切ってしまいました。



お母さん軍団。
写真が小さくて分かりにくいですが、皆ベビー・バギーを押しています。
普通に歩くだけで息が切れてしまうほどの斜面を、バギーカーを押して歩くとは。
おまけに、このうち一人のお母さんは背中に赤ちゃんをおぶっていました。

「いざとなると世界で一番タフなのがアメリカの女」と誰かが書いていたのを思い出しました。



歩いていたら
「きっ」「きっ」
と鋭い音が聞こえてきました。
何だろうと音源を捜すと・・・・・、



このリス。
口を開けているのがおわかりでしょうか。
このジリスは、時々こうやって警告音を発するようです。
何かを仲間に伝えているらしい。

人間がしょっちゅう横を通るので、すっかり慣れっこになっているらしく、
よっぽど接近したり追いかけたりしない限り、横を歩いているだけなら平然としています。
大きいものは両手に余るくらい巨大化しています。

 

それにしても、リスの可愛さって、このしぐさですよねー。
いちいち目を奪われながら歩いていると、一時間なんてあっという間です。



散歩コースから見えているこの塔は、フーバー・タワー。
フーバーとはスタンフォード卒だったFBI初代長官ジョン・エドガー・フーバー。
フーバーダムでも有名です。

去年の暮、フーバーがルーズベルト大統領のことを「狂気の男」と評していたというニュースが、
今さらのように出てきていたのをご存知でしたか?

「ルーズベルトは対ドイツ参戦の口実として日本を対米戦争に追い込む陰謀を図ったのだ。
真珠湾攻撃はそのための口実だった。
在米日本資産の凍結など、41年7月の経済制裁は、対独戦に参戦するため、
日本を破滅的な戦争に引きずり込もうとしたものだ」

と、マッカーサーとの対談で語ったということです。

一般的には「黒い長官」と言われ、その手段を問わないやり口のため毀誉褒貶の激しい人物ですが、
この話を聞いてから、わたしはすっかりフーバーのファン?になってしまいました。
ディカプリオの「J.エドガー」も今度観てみようっと。

と、散歩とは何の関係も無い話題でした。

さらにどんどんと歩くうち、あれ、耳の大きなリスがいるぞ?と思ったら、



これは野兎でしょう。(多分)
ボストンにもいた、「手のひらサイズのウサギ」です。

さらに、土の中から顔を出しているリスがいる!と思ったら、

 

なんと、モグラでした。
そういえば、モグラなんて生で見たの初めてかもしれない。
モグラくん、いかにもまぶしそうに目をしょぼしょぼさせて、
穴から潜望鏡のように顔をめぐらせ、鼻をひくひくさせていました。



ところで、リスたちは時々、何もせずにじーっと太陽の方向を向いていることがあります。







なんだか哲学的思索でもしているかのような神妙な顔つきです。




シリコン・バレーには自然公園が他にもたくさんあるそうなので、
ここも滞在中に訪れて、今度は鳥の写真でも撮ってこようと思います。
実は、

カメラを買ったんですよ。

うふふ。
勿論今日の写真は、いつもの奴(10年前に二万円で買ったサイバーショット)ですが。
これで、ボケボケの写真を心ならずもお目にかけることにならずにすむ・・・・

・・・と信じたい。