政治の世界ではよく玉虫色の決着と云うことが言われます。
この玉虫色とはどのような色なのでしょうか?
今日はタマムシ色とその由来について調べました。
「玉虫色」
玉虫色とは、広辞苑によると、
①タマムシの羽のように光線の具合で緑色や紫色に見えたりする染色又は織色(おりいろ)。
③見方によっていろいろに受け取られるような曖昧な表現。
と説明しています。
「玉虫色の由来」
前記①で玉虫色は「タマムシの翅のように」と説明していますが、ではタマムシとはどのような虫なのでしょうか?
タマムシ(玉虫)はコウチュウ目タマムシ科に属する昆虫の総称で、日本には約150種以上が分布しています。
体は紡錘状で体長は4cm。金属光沢のある金緑色で、金紫色の2条の縦線があるとても美しい昆虫です。
玉虫色と云うのは、この虫に因んでつけられた色のことです。
・これがヤマトタマムシです。(ウィキペディアより)
玉虫の翅(はね)は、一見したところ緑色に見えますが、見る角度によって緑に光ったり赤に光ったりと、光を当てる角度によって色彩が変化します。
これは、構造色と呼ばれ、実際に赤い色がついているのではなく、タマムシの場合は、透明な層が何枚も重なることによって生み出される色なのです。
「慣用句表現」
光の干渉によって起こる金緑から金紫の色調変化をする染色や織色は、特定の色彩名を当てられないことから、どちらつかずの状態の事を慣用句的に「玉虫色~」と呼ぶようになりました。
なお、干渉 とは複数の波の重ね合わせによって新しい波形ができることで、光の干渉とは、水面を伝わる波のように、光の波も重なりあい、お互いに波を強めあったり、弱めあったりして、また別の模様を作る現象を言います。
「構造色を持つ生き物」
このように層が重なることによってできる構造色を持つ生き物は、タマムシだけではありません。
アワビの貝殻の内側やオオゴマダラの蛹(さなぎ)、サンマやイワシ、ネオンテトラなどにもみられます。
一方、溝や突起があることによって構造色ができることもあります。
CDが角度によって色が変わって見えたり、モルフォチョウやクジャク、カワセミが光って見えるのは、微細な溝や突起によって出来た構造色によるものです。
構造色が様々な色に見えるのは、光が多重の層や、微細な溝や突起によって干渉し合い、その干渉の仕方が場所によって異なるためです。
カワセミの綺麗な色も構造色によって生じていたのですね。
「玉虫色」はいろいろな生物や物からでも見られるようですが、政治の世界での玉虫色の決着は見たくないですね。
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たしかに、「玉虫色の決着」と使います。
法隆寺の国宝・玉虫厨子を見ました。
むかしの人が、玉虫の羽を飾りつけにしています。見た目にはキレイですが、個人的には玉虫はそんなに好きになれません。