らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

山の神

2019-10-22 | 雑学

先日のことです。
菜園仲間のH氏と畑で雑談していたのですが、ふと、そこに奥様がいないことに気付きました。
そこで、「ところで、今日は奥様は来ていなのですか?」と尋ねたところ、周りを見回しながら「いま、山の神が来た。来た。」と、奥様が来られたことを教えてくれたのです。

T氏は70代前半の方ですが、久しぶりに「山の神」なる言葉を聞きました。
「山の神」とは、年配の方はご存じだと思いますが、自分の妻を卑称して使われる言葉です。
嘗ては、年配の人がよく使用していましたが、最近ではほとんど耳にすることがなくなりました。

でも、なぜ自分の妻を「山の神」というのか、今日はその由来を調べることにしました。

「山の神」とは、山を領する神として農・山・漁民などに広く信仰されてきた神です。
自然と共に生きてきた日本人は、昔から「山」を神聖なものとしてあがめてきました。
畑が豊作に恵まれるのは山の神のおかげであり、洪水や土砂崩れなどの自然災害は山の神を怒らせたためだと信じられていました。
この神様はところにより男神又は夫婦神とされていますが、一般には女神であると考えられています。
それは、人々の精神に多大な影響を与える「山」は、万物を生みだす源であり、すべてを受けいれる「母」のような存在であることから、「山の神=女性神」として信仰されてきたようです。

この女神様は非常に恐ろしい神様で、機嫌をとるのが難しく、嫉妬深くて醜いなどと伝えられており、そうした文化的な背景から、口やかましい妻のことを、ちょっぴり皮肉も交えて「うちの“山の神”が…」などと呼ぶようになったようです。

 ・山の神にお供えされる「オコゼ」です。(ネットより)


「山の神とオコゼ」
山の神様はなぜか醜い魚のオコゼを好むようです。
魚貝類など庶民の日常食糧について解説した江戸時代中期の本草書(ほんぞうしょ)「本朝食鑑」には、時化(しけ)で漁の出来ない時には、漁師がオコゼを山の神に供えて「風が穏やかに波が静かで、釣網の便あらしめたまえ」と祈ると、翌日、海上の風波は必ず収まり、漁の獲物が多くなると記されているそうです。
古川柳にも、「山の神 オコゼばかりを 食につけ」と詠まれているように、 信仰されている「山の神」はオコゼと言う醜い魚を好むのだそうです。

「現代の山の神」
若い人の間では、「山の神」と言えば箱根駅伝の往路5区の山登りだと思います。
往路の最終区間となる5区は、高低差が800m以上にもなる、まさに山登りのハードなコースです。
このコースを走り、好記録を出して最初の「山の神」となったのが、2005年(平成17年)に走った順天堂大学の今井正人選手です。
その後、2009年(平成21年)〜2012年(平成24年)の東洋大学の柏原竜二選手や、青山学院大学の神野大地選手など、5区を快走したランナーを「山の神」と呼ぶようになっています。



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1 コメント

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Unknown (kibori-more)
2019-10-22 08:21:53
おはようございます
山の神…今は箱根駅伝の走者の事を言うのですね
知りませんでした。
言葉は変わりますね。
最近は神という言葉が溢れているように思います。
それらは自然ではなく、人や道具に向けて使われているように感じます。気軽に神を使うのは、信仰心が薄らいできているのでしょうね。山の神が怒り狂わないように、慎まなければいけませんね。

ありがとうございます。
いつも楽しみに拝読しております。
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