らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

金輪際と仏教の世界観

2019-06-20 | 雑学

先日、テレビに出演していた某タレントが「こんりんざい(金輪際)」という言葉を使っていました。
昔はたまに聞くことがありましたが、最近では殆ど聞かなくなったことから興味が湧き、その語源について調べることにしました。

調べてみると、金輪際(こんりんざい)と言う言葉は仏教用語で、仏教の世界観の金輪と水輪の境目の事、と言うことが分かりました。

日本大百科全書によれば、
「金輪際」とは、仏教の世界観において、大地の下にある金輪のきわを指す。
仏教の世界観では、世界は、有情世間(うじょうせけん)とよばれる人間界と、それを下から支えている器世間(きせけん)とよばれる自然界とに分類されますが、後者は、風輪、水輪、金輪の三つからなっているそうです。

先ず、一番下には、円盤状つまり輪形の周囲の長さが「無数(1059)に相当するヨージャナ(1ヨージャナは約7㎞)で、厚さが160万ヨージャナの風輪が虚空(こくう)に浮かんでいるものと考えます。
その上に、同じ形の直径120万3450ヨージャナで、厚さ80万ヨージャナの水輪があるとされています。

更にその上に、同形の直径は水輪と同じですが、厚さが32万ヨージャナの金でできている大地があり、その金輪の上に九山、八海、須弥四洲(しゅみししゅう)があるといいます。

「金輪際」とは、この金輪と水輪の境目のことをいうのですが、四洲の一つである閻浮提(えんぶだい)に住んでいる有情(生けとし生けるもの)からすれば、はるかな底の底であるところから、「徹底的に」とか「最後まで」という意味が生じたと言うことです。
現在では一般に「いかなることがあっても」「どこまでも」「とことんまで」などの意に用いられる。
と説明しています。

金輪際と言う言葉は仏教界の世界観が由来のようですが、前記の説明でも難しいと思うので、もう少し分かりやすいものはないかと調べてみると下図のようなページが見つかったので、この図に従って更に説明します。



お釈迦様の教えの中には宇宙に関するいくつかの考え方があります。その代表的なものが上図のようになります。

「三千大千世界(さんぜんだいせんせかい)」
直径が太陽系ほどの大きさの円盤が3枚重なった上に高さ約132万㎞の山が乗っています。
これが一つの世界で小世界と言います。
小世界が千個集まったものを小千世界
小千世界が千個集まったものを中千世界。
中千世界が千個集まったものを大千世界と言います。
この世界全体の中心に存在する仏様が大毘鬳遮那如来(だいびるしゃなにょらい)、つまり大仏さまです。
そしてお釈迦様はこの中の一つの小世界の人々を導くために現れた仏さまです。

「須弥山と有頂天」
円盤の真ん中にある山を須弥山(しゅみせん)と言います。梵語ではスメール、玄奘三蔵法師は妙高山と訳しました。
新潟県にある妙高山はこれから取られた名前だそうです。
お寺の本堂の正面にある壇を須弥壇(しゅみだん)と呼ぶのはこの山を型とったところから来ています。
人間の世界はこの山の裾にある島の一つで、頂上には帝釈天をはじめとして色々な神様の住む世界があります。
そして山上の空中にも色々な世界があり、悟りの一寸手前の世界、ほんの少し煩悩が残る世界を有頂天と言います。
この言葉は得意絶頂の意味に転用されています。

「金輪際」
山の下にある一番上の円盤を金輪と言います。直径はほぼ太陽系くらいで、このような果てまでと言う意味で「金輪際」、一般には「どんなことがあっても」の意味に使われます。
金輪の上には須弥山を中心として九つの山とその間に海があります。「九山八海と呼ばれます。いちばん外側に四つの島があり、南の方にある島が人間の住む世界です。閻浮堤(えんぶだい)と呼ばれます。

「四天王」
須弥山の中腹に仏教を守る四人の神様が住んでいます。
所謂、四天王です。
   ・東方・・・持国天
   ・西方・・・広目天
   ・南方・・・増長天
   ・北方・・・多聞天
いずれもインドで仏教以前から信仰されていた神様です。
ある方面で特に優れている人をあげて、「○○四天王」と言う言い方はここから生まれました。
以上が仏教界の世界観だそうです。

驚きました。
「金輪際」と言う一つの言葉から仏教界の世界観まで調べることになりました。
日頃、よく見聞きする言語が出てきましたね。
勉強になりました。


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