梅雨に合う花と言えば「アジサイ」です。
そのアジサイの数え方の単位は、辞典によれば、切り花の時は「1本」と数え、根がついた状態では「1株」、咲いた状態では「1輪」とか「1朶(いちだ)」と数えます。
「1朶」という数え方を初めて聞く方も多いのではないでしょうか?
「一朶」
「朶」とは木の枝が垂れ下がるという意味で、花のかたまりを数える語、花のひと枝、また、一輪の花のことです。
アジサイ(紫陽花)などのような細かい花のまとまりは「一朶(いちだ)」と数え、「一朶のアジサイ」、「一朶の桜」などと使われます。
なお、耳の下部の垂れ下がった肉を「耳朶(みみたぶ)」と言いますが、この部位にも「朶(だ)」という字が使用されています。
・梅雨の代表的な花「アジサイ」です。
「一朶の雲」
一朶と言えば、NHKで2009年から2011年にかけての年末月に、13回にわたって放送されたスペシャルドラマに「坂の上の雲」がありました。
このドラマの主題歌「Stand Alone 」では、歌詞の中に「一朶の雲」が歌われています。
「一朶の雲」とは、ひとかたまりの雲という意味で、理想や目標という意味で使われることもあります。
そこでアジサイの数え方の「一朶」と同じ意味の「一朶の雲」が歌われている「Stand Alone 」をお聴きいただきたいと思います。
「Stand Alone」
森麻季 NHK スペシャルドラマ「坂の上の雲」主題歌
小さな光が 歩んだ道を照らす
希望の蕾が 遠くを見つめていた
迷い悩むほど 人は強さを掴むから 夢を見る
凛として旅立つ 一朶の雲を目指し
あなたと歩んだ あの日の道を探す
一人の祈りが 心をつないでゆく
空に手を広げ 降り注ぐ光集めて
友に届けと 放てば夢かなう
果てなき想いを 明日の風に乗せて
私は信じる 新たな時が巡る
凛として旅立つ 一朶の雲を目指し
・坂の上の雲の主題歌で映し出された「一朶の雲」です。
小説「坂の上の雲」のあとがきの中では、司馬遼太郎は登場人物について次のように記しています。
「前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天に、もし、一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう」と。
作者は「一朶(ひとかたまり)の雲」を夢、目的、あこがれになぞらえていると解説していました。
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その点ではアジサイはうってつけの花で、
シャクナゲも一朶と数えたくなりますね。
近代化をはじめた明治時代は、希望に満ちた心根で列強と肩を並べようとしていた気概をかんじます。
小説「坂の上の雲」を読んで、日露戦争の日本海海戦で日本がロシア艦隊を破ったのは偶然に勝ったと思っていたのを覆し、勝つべくして日本魂が優っていたのだと自信をもたせてくれました。
司馬遼太郎はそんな受け取り方を嫌って映画化やテレビ化を禁じていたようです。
紫陽花を「一朶のアジサイ」と数えるのですね。( ..)φメモメモ