次にパヤオで出土した陶磁器が展示されています。
今年2月15日に「パヤオで見たカロンの傑作」でパヤオ文化展示会館の展示品を一部紹介しましたが、改めてその他の展示品を紹介します。
カロンの傑作として紹介した「鉄絵鳥獣唐草文壺」です。
カロンの陶器はタイ族の故地、雲南の玉溪窯の影響を受けた、もしくは玉溪窯の職人が移り住んで生産を始めたかと思うほど器形、絵付けが似ています。
写真奥の一画にパーンの青磁、それ以外はウィアン・カロンからもたらされた白磁の壺、瓶、鉢などが展示されています。いずれもパヤオで出土したもので15世紀から16世紀の生産となっています。
カロン窯の鉄絵鉢です。
カロン窯の白磁台鉢です。
カロン窯の壺と蓋です。
写真のピントが甘くなっていますが、象の燭台です。
カロン窯の壺です。きれいな形をしています。
ランパーンのバーン・タオ・ハイ窯、15世紀から16世紀の褐釉壺です。左手前の小壺には石灰(プーン)が詰まっています。キン・マークに使われたようです。
ランパーンの褐釉二重口縁壺です。東南アジアでは食料にアリが瞬く間に集まってきます。この壺は二重になった口縁に水を浸してアリの侵入を防ぐすぐれものです。
冷蔵庫は物を冷やすのは当然ですが、密閉した冷蔵庫内は蟻の侵入を防ぐ大切な容器でもあります。冷蔵庫に入りきらないものは、水をはった皿の中に器を置きます。これを忘れると悲惨な結果が待っています。
15世紀から16世紀に生産されたパーン窯の青磁小品群です。
パーン窯の小壺です。
ワット・ロン・ポー出土のパーン窯の壺です。
13世紀から14世紀のパヤオ窯の壺です。
この瓶もパヤオ窯となっています。
口下に2条、3条、2条の刻線をめぐらし、その間に小丸文を2段に押して、同様の小丸文を頸下部の突帯の上下にめぐらしています。底縁部の露呈した胎土は白くパヤオの土味とは異なるようですが・・・。
ワット・ロン・ハイ出土のパヤオ窯の青磁褐釉掛分壺です。
やはりワット・ロン・ハイ出土のパヤオ窯の壺です。
パヤオ窯の印花文の押し型です。
左は馬文の凸型ですが、右の双魚文は凹型になっています。凹型を成形面に圧したときには魚文は影響を受けたと思われる、龍泉窯の双魚文のように膨らんだ形になります。
参考に似たような陶片を添付しておきます。
15世紀から16世紀、明代の景徳鎮青花です。いづれもパヤオの寺院から出土しています。
元代の龍泉窯の青磁壺です。
この手の壺は型成形され、真ん中あたりで継ぎ合わされているのが一般的です。
龍泉窯の青磁はタイ各地で出土しています。
ラオス製のパイプです。
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パヤオの型押しされた陶片です。焼成中に窯壁が崩れたのでしょうか、焼成が中断され素焼き状態です。
失敗だったのは、器面にしっかり付着した700年間の土を、たわしでゴシゴシと洗ってしまい、まだ残っていた白化粧や釉まで落としてしまいました。
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魚の意匠は異なりますが、盛り上がった双魚文です。
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龍泉窯の青磁双魚文皿です。メーソットの山岳地帯で出土しました。
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