銀座の松坂屋で開かれている写真家、星野道夫さんの写真展を見てきた。
この人は僕の心からどうしても離れない写真家だ。
同じように北アメリカの自然を愛していると云う事もある。
でもそれだけではないだろう、そこには純粋なものへの憧憬というものを、怖れさえ抱きながらもっていることもあるかもしれない。
ただ僕と星野さんの違いは、彼はその前でひるまなかったことだろう。
屹然とその前に立ち、畏れと敬意を懐きながらもそれをこよなく愛し、ついにはその中に入っていった・・・それだけの強さと魂の透明さが彼にはあった。
正直、僕はありがたかった。
あまりのありがたさに、写真集などかつての自分の先生の写真集さえ買ったことのない僕が、思わず買ってしまった。
星野さんの気持ちを一生大事にとっておきたかったからだ。
星野さんはだれも責めない、ただあの大原野のかなたに立ってふりかえり、僕をほほ笑みながら見つめている。
「おい、こっちはいいよ」
「そこはにぎやかだが、実は周りには数えるほどしかいない。
こっちは人間はほとんど誰もいないけど、永遠に失われないもの、変わらないものがある。
君が永久の昔からその一部であるところのものだ」
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