KOFUKUの家から

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クリスマス

2012-12-23 | KOFUKU日記


【 May your Christmas be a joyful one 】


今年もクリスマスがやってきました。
クリスマスイヴは相方さんとピピさんのお誕生日(´∀`)
ささやかなお祝いをしようと思います。

クリスマスといえば、クリスマスソングに映画にとたくさんの作品がありますが、
私の一番のオススメはこれ!
数多いチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」映画の中でも
1970年のアルバート・フィニーのミュージカル作品「スクルージ」です。

ディケンズのクリスマス・キャロルのストーリーは
クリスマス・イヴの夜、強欲な老人エブニーザ・スクルージの元に
7年前に亡くなった共同経営者のマーレイの幽霊が現れます。
重い鎖に巻かれ、悲惨な姿になったマーレイは
金銭欲や物欲に取り付かれた人間が向こうの世界でいかに悲惨な運命となるかを伝え
新しい人生へと生き方を変えるために3人のクリスマスの精霊を彼に送ります。

スクルージを訪ねるのは3人のクリスマスの精霊。
「過去のクリスマスの霊」、「現在のクリスマスの霊」、
そして「未来のクリスマスの霊」

過去の精霊はスクルージが忘れきっていた少年時代に彼を引き戻し、
孤独のなかで、しかし夢を持っていた時代を目の当たりに見せます。
また青年時代のスクルージの姿も見せ、金銭欲と物欲の塊となる以前の
まだ素朴な心を持っていた過去の姿、そしてかつての恋人との出会いから
金銭欲が原因でのすれ違いによる破局を見せるのです。

次に出現するのは現在のクリスマスの精霊。
彼はスクルージをロンドンの様々な場所に導きます。
貧しいなか、しかし明るい家庭を築いて、ささやかな愛で結ばれたクラチットの家族の情景、
伯父を呼べなかったことを惜しみながらも知人達と楽しい夕食会をしている甥のフレッドの姿を見せます。
またクラチットの末子ティムが、脚が悪く病がちで、長くは生きられないことを話します。
スクルージがそれにうろたえると、彼が冒頭で寄付を頼みに来た紳士に対して発した
「余分な人口が減って丁度いい」「牢屋や救貧院はないのか」等の言葉を
自分自身が発し、またクリスマスの精霊のローブの下にいる
かわいそうな「無知」「貧困」の子供達の口から投げかけられるのです。


最後は第3の精霊・未来のクリスマスの精霊。
スクルージは、評判の非常に悪い男が死んだという話を聞くのです。
評判の悪い男のシーツに包まれた無惨な死体や、その男の衣服まではぎとる人々を見ます。
また、クラチットの末子ティム少年が、両親の希望も空しく世を去ったことを知るのです。
そして草むし荒れ果てた墓場で自らの名をスクルージは見つけます。

映画ではこのまま向こうの世界に突き落とされ、凍りついた自分の新しい住処や
この世のものとは思えぬほど大きな鎖に巻かれてしまうのです。
しかし、クリスマスの始まる夜明けと共に目が覚めるのでした。
彼は3人のクリスマスの精霊と共に経験した悪夢のような未来が、
まだ変えることができる可能性があることを感謝します。

彼はマーレイと3人の精霊達に感謝と改心の誓いをし、
クラチット家に御馳走を贈り、寄付を再会した紳士達に申し出、
甥のフレッドの夕食会に出向くのでした。

原作ではのちにスクルージは、病気も治ったティムの第二の父とも呼べる程の存在となり、
「ロンドンで一番クリスマスの楽しみ方を知っている人」と言われるようになるのでした。

私はこの作品が大好きで、若い頃、頼まれてビデオ家さんの副店長をやっていた時
本当に毎日この作品を見ては、スクルージさんと一緒に毎日改心してました(笑)

YouTubeでこのフルムービーを見つけました。
日本語字幕はありませんが、ミュージカルなので
かけておくだけでもクリスマスの気分に浸れます。
是非ともご覧ください。


SCROOGE 1970 Version Albert Finney...The BEST Version EVER!.avi





相方さんが亡くなった年のクリスマスにもご紹介しましたが
随分前に心友の一人から手書きで贈られた本の写があります。
後日、本ももらったのですけど、とても嬉しく、
相方さんをはじめ、親しい人に手書きでうつしては贈らせてもらっています。

手書きではないけれど、今年は全文を皆様に心を込めて贈ります。






クリスマスの祈り
ブライアン・モーガン


はるかむかしのことだった。
豊かな心をもつ貧しい男がいた。

クリスマスの近づいたある夜
男は夢を見た。
友につきることのない富を
あたえる夢だった。

目がさめても
夢は男のあたまのなかを
いつまでもかけめぐっていた。

やがて男はぽつりといった。
「この世にある どんなものでも
手にいれられるとしたら
いったいなにを友に贈るだろう。」

友に買う美しいもの、高価なものを
心にえがいては男は ほほえんだ。

しかし、男はおもった。
「わたしはこのうちの
どれひとつ持っていない。
だけど、こんなに満ちたりている。」

そこで男は考えた。
「ほんとうの豊かさとは
お金のあるなしに
よらないのだろう。」

「きっとお金で買えないほど
ねうちのある贈り物が
あるにちがいない。」

夜の静寂のなかで
男はクリスマスについて
おもいをめぐらした。

やがて男は羽ペンを手にすると
羊皮紙の巻物にむかった。



クリスマスの一日目に
君のために喜びを祈ろう。

あふれるばかりの喜びと
心を動かす笑い声を。

笑い声は病をいやし
喜びはたましいを高く舞あげる。



クリスマスの二日目に
君のために吐息を祈ろう。

心を晴らす深い吐息を。
人は吐息をつくときに

どうにもならない現実を
うけいれるのだろう。



クリスマスの三日目に
君のために涙を祈ろう。

あふれる涙は目を澄みわたらせ
きらめく星をうつしてくれる。

流した涙はたましいをきよめ
いやしの道へと進ませる。



クリスマスの四日目に
君のために静けさを祈ろう。

平和をもたらす静けさを
争いも戦いも心のなかで芽生え

心のなかで芽をつまないと
いけないものだから。



クリスマスの五日目に
君のために知恵を祈ろう。

正しい決断へとみちびく知恵を。

知恵の声に従い
日々ことばとおこないで
かしこくふるまえるように。



クリスマスの六日目に
君のために忍耐を祈ろう。

苦難にうちかつ忍耐を。

じっと耐えているうちに
困難はすぎさり、
しんぼう強く待つときに成功はおとずれる。



クリスマスの七日目に
君のために勇気を祈ろう。

雄々しく進みゆく勇気を。

行く手に誘惑や危険が
待ちうけていても
まっすぐに問題に立ち向かえるように。



クリスマスの八日目に
君のためにあわれみの心を祈ろう。

人の痛みを理解するあわれみの心を。

ほんとうに人を助けられるのは
人を理解したとき、

ほんとうに人を理解できるのは
おなじ痛みを経験したときだから。



クリスマスの九日目に
君のためにはたらく喜びを祈ろう。

夢を実現するために
すすんではたらく喜びを。

その夢が君のものでも
君の助けるだれかのものでも
かわりはない。



クリスマスの十日目に
君のために信仰を祈ろう。

ゆるがぬたしかな信仰を。

信仰は人としての生き方と
生きる目的をかたちづくり
人を神に近づける。



クリスマスの十一日目に
君のためにのぞみを祈ろう。

心にあふれる豊かなのぞみを。

のぞみは心のあり方をさだめ
進むべきめあてとなり
生きる理想をつくりだす。



クリスマスの十二日目に
君のために愛を祈ろう。

心の底から湧きでる愛を。

くらしのなかで行き交う人に
いつも愛を
あたえることができるように。




ひとつひとつ祈りながら
男は知った。

「私はなにかを贈るつもりだったが、
宝はすでに 友の心のなかにある。
どうかこのことに気づいてくれるように。」

男が祈りのことばを書くたびに
不思議なことがおこった。

祈りは友のためにささげられたが
男の心にもしっかりと刻まれた。

すると、祈ったとおりのことが
男の人生に実を結ぶようになった。

クリスマスの祈りを
男は書き写し
大切な友に贈った。

時の流れのなかで
クリスマスの祈りの物語も
いつしか忘れられた。

男のうわさは
二度ときかれなかったが、
時がたつと
クリスマスの祈りは
世界のあちこちにあらわれた。

ひなびた村にすむ人も
にぎやかな街にすむ人も
クリスマスがくると
羊皮紙の写しを
友から贈られるのだった。

こうして
不思議なことは
ますますふえていき、
ようやく
クリスマスの祈りは
あなたの手もとにたどりついた。

クリスマスの祈りを
豊かに味わい
あなたの心も
暖かくなりますように。



(クリスマスは12月25日から1月5日までの12日間を指します。)





皆様、善いクリスマスを。