四国の旧友との待ち合わせは内子町12:30。無事再会を果たし昼食を御馳走になり、これからの予定は全て友人任せ。先ずは内子町の街並みや文化財を見学だ。この内子座大正時代に作られたもので現役の芝居小屋だ、中村勘三郎などの著名な歌舞伎役者もこの舞台で演じるそうだ。2時間余り内子町の旧街並みや豪商の館等を見学し、今日の宿へ向かう。
四国2日目の予定は、石鎚登山と四国カルスト。お遍路さんは6時には宿を発った。我々は7時出発、気温は7℃寒い。石鎚スカイライン約20Kmのワインデングが続くライダーにとってはたまらないコースだ。日差しのない早朝ではあるが紅葉を縫って駆け抜けるワインディングの爽快感はたまらない。登山口の土小屋到着は8時、強風、キリ、気温5℃。登山を諦めかけたが土産物屋でお茶を飲んでいる間に少しキリが取れてきた、風はまだ強いがたまに日も差す、登山決行だ。
片道2.5時間の道のりを歩きだす。徐々に天気は回復、紅葉のピークは過ぎてしまっているがまだ美しさは充分に残しいる。雲間には瀬戸内海も見えている。学生時代この友人と北アルプス縦走したが、なまった体で2.5時間の登りは辛い。
山頂の少し手前に鎖が垂れ下がる絶壁を登るルートがある、高さ50mはあるだろうか。右に迂回する普通の登山道もある、この道を行くつもりだったがここで友人の、言葉の罠に掛ってしまった。絶壁を登ろうとしている女性の前で、君は迂回路を行くんだろと私に声を掛けやがったのだ。かくしてこの絶壁を命がけで登るはめになってしまった。しかし、忘れられない思いで深い四国ツーリングになった訳で友人には感謝している。
往復5時間の山行を終え、石鎚スカイラインを我が150RSと颯爽と下る。今日の宿は友人の地元である梼原町、地芳峠から四国カルストを抜けて梼原に向う。
時刻は5時頃だがまだ夕日が残っている。緑の牧草地に白い石灰岩が羊の様に点在する不思議な光景が広がる四国カルスト台地。水平に差し込む夕日に照らされ素晴らしい景色を呈している。丁度良い時間帯に到着した感じだ。
高知の郷土料理『さわち料理』。大皿に食べものてんこ盛りしてある、手前はお菓子で子供も大人も一緒になって食べられる様になっている。皿鉢(さらはち)がさわちと発音されるようになったのだ。今日は梼原のある民宿に泊まるのだが、地区の祭りの最中『神祭』と言っていたが、夕方になるとこの民宿に地区の人々が三々五々集まってくる。土佐式で酒を酌み交わし、食べ、語らう。ひと気が無くなったのは深夜11時半過ぎ、女将が部屋を片付け布団を敷いてくれたが0時を回っていた。都会ではなかなか経験できない楽しい思い出となった。普段は飲まない酒、だいぶ飲んだ気がする。それでも友人は酔いつぶれて苦しい思いをさせてはと、私に回ってくる猪口を取り上げ代わりに飲んでくれた。
四国3日目は、四万十川沿いに河口まで下るルートだが、まずは『維新の門』と名付けられた場所があり、志士の銅像郡が立ち並ぶ梼原を象徴する場所でもある。高知と言えば維新の原動力となった若者を数多く輩出した地。ここ梼原からも志士を輩出しているし、脱藩志士の多くが梼原を通って、命を賭して歴史的革命を成し遂げたのだ。
四万十川には『沈下橋』という一風変わった橋が幾つもある。増水や激流にも流されない様に工夫されていのであろう。欄干が無いのでちょっと怖い、ここは岩間の沈下橋。
次は佐田の沈下橋、写真には人影が全くないがこの後大勢の観光客がやってくる。橋の近くには大型バスが何台も入れる駐車場がある、この橋も大きな観光資源なのだ。
四万十の河口までたどり着きましたが、ここで遅い昼食です。絶滅危惧種に指定された日本ウナギを食すのは・・・・・ いささか抵抗は感じながらも、ウナギを食すのはこれが最後と誓って天然もののウナギに舌鼓。友人が四万十市役所の観光課で聞いてきた天然ウナギが食べられる店である。
この日の宿泊は高知市の桂浜、国道56号を110キロ走る。お寺や道の駅に寄りながら交通量も増えてきた幹線道路3時間もかかってしまった。暗いヘッドライトと頼りないナビで『桂浜荘』に着いたのは6時半。友人は車だが、並走はせず要所要所で待ち合わせながらの進行。友人は高速と黒潮ラインの眺望を楽しみながら1時間も前に到着していた。
四国最後の朝、桂浜の日の出です。この背後には坂本竜馬もこの日の出を見つめている。忘れられない感動の四国ツーリングを演出してくれた友人に感謝とお別れの言葉を告げ、徳島のフェリー埠頭へ向けて出発。
これまでのツーリングは走り抜けると言った感じだったが、今回の四国ツーリングは人とのふれあい、地域の暮らしや歴史を肌で感じた。これが旅なんだなと思うツーリングでした。
印象に残った嬉しい出会い
iPhone5のマップで丁寧に道を教えてくれた大阪のライダー2人
津山の旅館『花月』の女将さん
片道2時間かけてホルモンうどんを食べに来た老夫婦
福山SAで声を掛けてくれた、バイクに乗りたかったという岡山のおじさん
30数年ぶりに再会した友人のお母さん
「ぐち聞きわらべ」ストラップをくれた友人のお姉さん(見抜かれたみたい)
地域の伝統お神楽を守り続ける民宿の亭主
高校の熱血校長先生
竜馬かぶれの熱血おやじ
また行きたい四国ツーリング今回はこの辺で・・・・