ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

統合失調症のひろば編集部編『こころの科学・山中康裕の臨床作法』2020・日本評論社

2025年01月06日 | 心理療法に学ぶ

 2021年1月のブログです

     *

  統合失調症のひろば編集部編『こころの科学・山中康裕の臨床作法』(2020・日本評論社)を読みました。

 2015年の中井久夫さんの『臨床作法』に続く第二弾。いい本です。

 精神科医で遊戯療法家の山中康裕さんにまつわるお話が満載。

 山中さんの論文はもちろんのこと、中山さんを京大に招かれた河合隼夫さんとの思い出話や学者仲間、後輩の学者さんのお話など、読んでいるととても楽しくなります。

 例によって、中でもじーじの印象に残ったところを一つ、二つ。

 一つめは、山中さんと精神科医で精神療法家の成田善弘さんの対談。

 どこかに書いたかもしれませんが、お二人は中学校の同級生。

 それぞれが別の大学の医学部に進み、精神科医となり、やがて成田さんは精神分析学会の会長となり、山中さんは箱庭療法学会や遊戯療法学会の会長になります。

 専門の垣根を越えてお二人の交流は深く、それぞれがご自分の限界を意識しつつ、相手のすごさを認め合っておられる様子がすがすがしいです。

 そして、お二人の周りには、気の合う学者さん、たとえば、精神科医で精神療法家の神田橋條治さんなども含めて、素敵な交遊関係が見られて、うらやましいかぎりです。

 ふだんは、あまりプライベートなことをお話されない成田さんが、いろんなお話を楽しそうにされているのが印象的でした。

 二つめは、山中さんと精神科医の中井久夫さんの往復書簡。

 中井さんは名古屋市大医学部の助手だった山中さんらの推薦で名古屋市大医学部に助教授として赴任し、教授だった木村敏さんのもとで共に研究に励んだ仲。

 いいお手紙のやりとりです。

 特に、中井さんのお手紙は、ギリシャの詩人の翻訳もされているだけあって、落ち着きのある素敵な日本語で、感動的です。

 お互いのことを思いやっている様子がうかがわれて、こちらもうらやましくなりました。

 少しでも大家の人たちの世界に近づけるよう、さらに勉強をしていこうと思います。        (2021.1 記)

 

コメント (2)

久しぶりにマスコミ「裁判官」さま(?)ではないニュースを見た!-じーじのひとりごと

2025年01月06日 | ひとりごとを書く

 2023年1月のブログです

     *

 昨夜、ニュースを見ていると、久しぶりにマスコミ「裁判官」さま(?)ではないニュースを見た。

 ところは、やはり、とある開かずの踏切。

 たまに踏切が開くと、人々は我先にと渡りはじめ、遮断機が下りてきても、それをかいくぐって渡る人が後を絶たない。

 いつものニュースだと、ここで記者が登場し、遮断機を無視する人に、「危ないと思いませんか?」などと無粋なインタヴューをするところだが、それはなし。

 かわりに、赤ちゃんをおぶって待っているママさんにインタヴューをして、「踏切が開いても、車が猛スピードで渡るので、怖いです」というママさんの声を届ける。

 弱者の立場に立ったいいインタヴューだ。

 やはりマスコミは、正義ぶった「裁判官」さま(?)ではなく、弱い立場の人々の声を代弁してほしい。

 そこの踏切に高架橋ができるのは数年後になる、という情報も流れ、自治体や鉄道会社の怠慢ぶりが自然とあぶり出されるいいニュースだった。

 ニュースはこうでなくっちゃあね。

 久しぶりに見ていて気持ちのいいニュースで、晩酌のビールもおいしく呑めて、よかった、よかった(?)。       (2023.1 記)

 

コメント

雪だるまくんを眺めながらの公園カウンセリングは、こころも真っ白元気になります

2025年01月05日 | カウンセリングをする

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)でたまにやっています。

 また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助も時々やっています。

 公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は1回,50分,3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などの間隔で行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間・間隔などは公園カウンセリングと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,2週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回50分3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回60分6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも,土・日・祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時にやっています(70歳の年寄りなので、週末や休日、夕方のお仕事がだんだんと難しくなってきました。わがままをいってすみません)。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でも大丈夫なカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。

 そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は,低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

     *

 近くの駅前に部屋を借りて,本格的にカウンセリングルームを運営するような臨床心理士さんとは違って,じーじはお近くの公園や原っぱ,河川敷,海岸,里山などでカウンセリングをしています。

 子どもさんを遊ばせながら,ちょっとだけ悩みごとを聞いてもらえればいいんですー,というお母さんや悩み多き若者(?)などがじーじのクライエントさんには多いです(じいじいやばあばあのみなさんもお断りはしませんが(?),尊敬すべき先輩たちのみなさんですから,できるだけご自分で解決しましょうね)。

 おこづかいを貯めて(?),お気軽に,遠慮せずに,ご利用ください。

     *

 雪だるまくんを眺めながらの公園カウンセリングは、こころも真っ白元気になりますよ。

     *

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 1954年、北海道生まれ  

 1977年、家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

 2014年、放送大学大学院(臨床心理学プログラム)修了  

 2017年、臨床心理士

 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の相談・援助などを研究

 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006、『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011、『遊戯療法学研究』)ほか 

 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 連絡先 メール  yuwa0421family@gmail.com    

 

コメント

今日のEテレ「日曜美術館」は坂本直行さん!-じーじのじいじ日記・セレクト

2025年01月05日 | じいじ日記を書く

 2023年1月の日記です

     *

 今日のEテレ「日曜美術館」は坂本直行さん。

 久しぶりに直行さんの絵の世界を堪能させてもらった。

 直行さんは子どもの頃から草花がお好きでスケッチを楽しんでいたらしく、その後、登山のすばらしさを経験されて、山の絵を描くようになったらしい。

 十勝に開墾に入られた後も、いつもスケッチブックを手許に置いては、暇を見つけては日高の山々を描いていたという。

 直行さんの絵は、北海道の草花の絵にしても、山の絵にしても、あるいは、子どもの詩集である「サイロ」の絵にしても、対象への愛が感じられる。

 例えば、草花についてなら、普通なら見逃がすようなささいな美しさをきちんと描き出す。

 それは、どんな小さな野の草花にも、さまざまな美しさがあることを教えてくれるかのようだ。

 山の絵も同じ、山にも、山それぞれ、同じ山でも季節それぞれの美しさがあることを、ていねいに表現されていると思う。

 そして、詩集「サイロ」の子どもの詩にそえられた絵は、さらに人々への愛おしさに溢れているようだ。

 これらは、カウンセリングにも通じるような世界で、カウンセリングでクライエントさんそれぞれの美しさ、良さを発見する過程と同じような印象を受ける。

 じーじが直行さんに魅かれるのは、そのあたりにあるのかもしれないなあ、と思ったりする。

 とても良い番組を見せていただけたことを感謝したい。         (2023.1 記)

  

コメント

ウィニコット(牛島定信監訳ほか)『人間の本性-ウィニコットの講義録』2004・誠信書房

2025年01月04日 | 精神分析に学ぶ

 2018年のブログです

     *   

 小児科医で精神分析家のウィニコットさんの『人間の本性-ウィニコットの講義録』(牛島定信監訳・館直彦訳、2004・誠信書房)を再読しました。

 これも、ものすごく久しぶりです。

 そういえば、ウィニコットさんのことはずいぶん引用するわりに、彼の本をきちんとご紹介するのは初めてかもしれません。

 いずれ、きちんとご紹介したいと思っているのですが…。

 さて、本書、イギリスの幼児教育や社会福祉などの大学院生に向けての子どもの発達やこころの発達についての講義。

 深い内容をていねいに話しています。

 人間の本性というのは human Nature の訳で人間性のことですが、人間の精神的、心理的な成熟について語っていると思います。

 いろいろなことが語られていて盛りだくさんですが、じーじが今回、印象に残ったことを一つ、二つ。

 一つめは、精神分析について述べているところで、精神分析は認識することの増大と認識できないことへの耐性をもたらす、という点。

 ウィニコットさんらしいというか、逆説的な感じで、認識できないことへの耐性をもたらす、といわれると、なるほどと思います。深いですね。

 二つめは、ひきこもりについてで、退行した部分を有する人が、外的な関係を犠牲にしても、その部分の世話をしている状態、と述べていて、かなり肯定的にとらえていると思います。

 三つめは、人間の成熟についてのコメントで、成熟した人間の数が一定数以下ならば、民主主義は政治的実態ではなくなる、と明言しているところ。

 今の世界各国や日本の社会状況を見ていると本当にうなづけます。

 また、カウンセリングをやっていると政治と無関係という感じがしていましたが、人間が少しずつでも成熟する過程をお手伝いすることは真の民主主義を実現することにつながるのだな、今回、わかったように思います。

 なかなか勉強になる一冊です。                (2018 記)

     *

 2021年3月の追記です

 今ごろ気がついたのですが、認識できないことへの耐性、ということは、わからないことに耐えること、に通じそうですね。       (2021.3 記)

     *

 2023年11月の追記です

 以前は、カウンセリングで個人の悩みを解決しても、社会が変わらないと駄目ではないかという、心理学には限界があるのではないかという気持ちもどこかにあったのですが、この本を読んで、個人が人格的に成熟することで社会も変わりえるのだ、ということがわかって、とてもうれしく思った記憶があります。        (2023.11 記)

 

コメント

じーじ、あやとりできたよ!-じーじのじいじ日記・セレクト

2025年01月04日 | じいじ日記を書く

 上の孫娘が9歳、下の孫娘が6歳の時のお正月の日記です

     *

 お正月休みで孫娘たちがやってきた。

 さっそくお年玉かな?と用意をしかけると、下の孫娘が、じーじ、あやとりができるよ!という。

 そして、器用にあやとりをして、ほうきを作って見せてくれる。

 あやとりだけは苦手な(?)じーじが、感心をして、すごいね、とほめると、はずかしそうに、しかし、やや自慢げにしている。

 じーじが、じーじにもやりかたおしえて、とお願いをすると、目の前で、糸をほどき、こうして、こうして、こうするんだよ、と教えてくれるが、じーじにはさっぱりわからない。

 じーじが、こころから、すごいね!と感心をすると、うれしそうにしている。

 じーじは、この子はひょっとすると新潟大学(?)に入れるかもしれない、とつい夢を見てしまう。

 孫娘たちの成長は本当に早く、じーじでは追いつけないことも増えてきた。

 頼もしいかぎりだ。

 小さいなりにいろいろたいへんなこともあるだろうが、元気に育ってほしいと願うばかりだ。         (2020.1 記)

 

コメント (2)

遠藤裕乃『ころんで学ぶ心理療法-初心者のための逆転移入門』2003・日本評論社

2025年01月03日 | 心理療法に学ぶ

 2020年のブログです

     *

 臨床心理士で大学教員の遠藤裕乃さんの『ころんで学ぶ心理療法-初心者のための逆転移入門』(2003・日本評論社)をかなり久しぶりに読みました。

 このおもしろい題名の本、本の帯に、失敗からはじまるセラピストの第一歩、とあります。

 ころんだり、失敗したり、とたいへんですが、著者が自身の体験から学んだことを率直に書いていて、とても勉強になります。

 こんなことあるよな、こんなことしちゃったな、こんなことで困ったよな、と思い当たることばかりです。

 みなさん、同じような経験をしているんだな、と思えることが目白押しです。

 本の題名どおり、心理療法は失敗から学ぶのでしょうし、ころんでなんぼの世界なんだな、と納得させられます。

 決して初心者だけの問題でなく、おそらく中級者以上の人にでも勉強になる本だと思います。

 例によって、今回、特に印象に残ったことを一つ、二つ。

 一つめは、逆転移を通して理解できるクライエントの世界。

 クライエントさんから理由のないような攻撃をされると辛いものがあります。 

 しかし、クライエントさんはいつもそういう世界にいるという理解、これはやはり大きいと思います。

 そう思ってもとても疲れますが、しかし、この理解は大切ですし、セラピストが生き残るために必要だろうと思います。

 二つめは、クライエントさんの言動の激しさに驚かずに、そこでのクライエントさんのおっしゃりたいことを明確にしていくことの大切さでしょうか。

 クライエントさんと一緒にクライエントさんの世界をていねいに理解することが、クライエントさんとセラピストの両方を生き残らせてくれるようです。

 他にも、初心者や中級者の勉強になることがいっぱい、いい本です。           (2020.6 記)

     *

 2024年1月の追記です

 先日の能登半島地震でじーじの本棚から崩れてきた本を整理していたら、長年、行方不明だった本を2冊も発見しました(他にもまだありそうな気もします)。

 中井久夫さんの『治療文化論』と大平健さんの『食の精神病理』。どちらもとても読みたかった本です。

 こういうのを、ころんでもただでは起きない、というのでしょうか(?)。すこし違いますかね(?)。

 これで1か月は楽しめそうです。

 そして、カーリングの試合中にころんだ藤澤五月ちゃんは今年も大活躍中(!)。

 長生きをしていると、いろんなことが起きて、面白いなあ、と思います。          (2024.1 記)

 

コメント

夢・なまはげさん・悪い子はいねか?-じーじのじいじ日記・セレクト

2025年01月03日 | じいじ日記を書く

 2021年1月の日記です

     * 

 今朝、夢を見た。

 なまはげさんの夢。

 悪い子はいねか?

 じーじが、悪い子なら国会にいっぱいいますよ、と教えると、そだなー、とうなずく。

 国会では、野党が、go to トラベルなどでコロナの感染拡大を追求しても、すがちゃんは全く反省なし。

 それでいて、感染予防に気を使ってきた飲食店を罰則でいじめようとしている。

 ひどいもんだ。

 協力をしない病院まで罰するという。

 本末転倒もはなはだしい。

 ここに悪い子が大勢いますよ!       (2021.1 記)

     *

 翌日の追記です

 すがちゃんが、マイナンバーカードがない人はワクチン接種をしないと言い出した。

 人気のないマイナンバーカードを何とかしようということらしいが、そんなにしてまで何のメリットがあるのだろう、と思う。

 いずれは、運転免許や健康保険証とも連動させたいらしい。

 ひょっとすると、違反歴や事故歴や通院歴、入院歴を把握して、いざ戦争という時には徴兵検査抜きで、健康な男子を徴兵することを考えているのかな?と疑ってしまう。

 いやだ、いやだ。

 なまはげさん!ここに悪い子がいますよ!       (2021.1 記)

     *

 2024年1月の追記です

 なまはげさーん、事態はさらに悪化していますよー。

 保険証を廃止して、悪評高きマイナ保険証のみにするらしいです。

 岸田ちゃんもひどいし、自民党もひどいですよー。

 なまはげさーん、悪い子がいっぱいいますよー。       (2024.1 記)

 

コメント

土居健郎『精神療法の臨床と指導』1967・医学書院-精神療法のすごさを学ぶ

2025年01月02日 | 精神療法に学ぶ

 たぶん2015年ころのブログです

     *   

 土居健郎さんの『精神療法の臨床と指導』(1967・医学書院)を相当久しぶりに再読しました。

 じーじがこの本を購入したのが1981年、家裁調査官研修所を修了する頃。

 その後、何回か読んで感動し、付箋やアンダーラインもいっぱいですが、ここしばらくはご無沙汰でした(土居さん、ごめんなさい)。

 久しぶりに読んだ本書はやはり刺激的でした。

 今はもう大家になっている人たちの若いころのケースを土居さんが指導しているのですが、その「きれ」がすごいです。

 そういえば、土居さんは調査官研修所にも指導に来てくださり、同期生のケースを午後半日かけて指導してもらったことがありました。

 こわい先生だとお聞きしていたので(土居さん、再びごめんなさい)、ケース提供者だけでなく、周りのじーじたちも緊張をしていたことを思い出します。

 土居さんの指導を読んでいると、同じケース資料を聞きながら、どうしてこんなに仮説が浮かび、それを確認する方法を思いつくのだろう?と本当に驚嘆します。

 アメリカの精神分析の本場で修業をしてきたからといえばそれまでですが、人間に対する熱意と愛情と研究心が半端ではありません。

 人間への尊厳が研究心を深めていくのでしょうか。

 少しでも見習えたらと思います。

 今回も、付箋やアンダーラインのなかったところで、感動する箇所が何か所もありました。

 まだまだケースの読みが浅いなと痛感させられます。

 有名な、わかるということは、わからないところがわかることだ、という文章も、すでに本書で出てきています。

 ケースにおける転移関係を自覚する重要さもわかりやすく指摘されています。

 いまさらながら、よくわかりました。

 今後もさらに読み込んでいきたい本だなと思いました。         (2015?記)

     *

 2020年2月の追記です   

 久しぶりに再読をしました。

 デイケアでボランティアをしながら読んでいましたが、土居さんのケースの読みの鋭さがすごい、と思いました。

 まるで外科医がメスで切開をするような感じです。

 同じケースを読みながら、わかる人にはわかるんだな、と改めて感心させられました。

 じーじの古びた小刀もいつの日か、切れ味が良くなるのでしょうか。

 まだまだ勉強不足です。        (2020.2 記)

     *

 2021年秋の追記です

 1年半ぶりに再読をしました。じーじにしては異例の早さ(えらい!えらい!)。

 やはりすごい本です。まるで推理小説を読んでいるかのようです。

 政治家にもこういう読みの深い人がいるといいのですが…。         (2021.10 記)

 

コメント

お正月・お年玉・メルちゃん-遊ぶことのちから

2025年01月02日 | 遊ぶことのちからを考える

 2018年、上の孫娘が8歳、下の孫娘が5歳の時のお正月のブログです

     * 

 お正月休みで孫娘たちが遊びに来てくれました。

 じーじのお部屋にやってきた孫娘たちにお年玉をあげると、孫娘たちは大騒ぎ。

 じーじのお年玉はしぶく500円ずつなのですが、しかし、二人とも、ちゃんと、ありがとう、とお礼をいうところに感心をしました。

 上の孫娘は、○○のおじいちゃんが1000円、○○のおばあちゃんが1000円、新潟のおばあちゃんが1000円、新潟のじーじが500円で、全部で3000いくらかな?とまだ習っていない4けたと3けたの足し算に悪戦苦闘しています。

 一方、下の孫娘は持ってきたメルちゃんでおままごと遊び。

 自分がメルちゃんのママになりきって、赤ちゃん役のメルちゃんのお世話をかいがいしくやっています。

 それはもう本物のおかあさんのようで(!)、思わず笑ってしまいますが、本人は真剣そのもの。

 女の子はこうやって女性性を獲得していくのかと、遊びの研究で有名なウィニコットさんもびっくりするような光景です。

 じーじが、あることを思い出して、パソコンを開き、メルちゃんの手作り洋服を公開していた「四季折々のお花達」さんのブログの写真を見せると、二人とも、かわいい!と大はしゃぎ。

 じーじと趣味が一致しました。

 孫娘たちは夕方、メルちゃんと一緒にお風呂にも入り、楽しそうに遊んでいました。

 じーじも一緒に入りたいのですが、孫娘たちは、ママとはいる!と、じーじの願いはまだまだかないません。

 夢がかなう日をめざして(?)、じーじの挑戦は続きます。          (2018. 1 記)

 

コメント (8)

あけましておめでとうございます 今年もどうぞよろしくお願いいたします-2025年元旦 じーじ臨床心理士・赤坂正人

2025年01月01日 | カウンセリングをする

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)でたまにやっています。

 また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助も時々やっています。

 公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は,1回,50分,3,000円で,隔週1回か月1回などの間隔で行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間・間隔は,公園カウンセリングなどと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,2週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回,50分,3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回,60分,6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時にやっています(すみません、年寄りなもので、夕方や週末のお仕事が難しくなってきました)。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。

 そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は,低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

     *

 駅の近くに部屋を借りて,本格的にカウンセリングルームを運営するような臨床心理士さんとは違って、じーじは近くの公園や原っぱ,河川敷,海岸,里山などでカウンセリングをしています。 

 子どもさんを遊ばせながら,ちょっとだけ悩みごとを聞いてもらえればいいんですー,というお母さんや悩み多き若者(?)などがじーじのクライエントさんには多いです(じいじいやばあばあのみなさんもお断りはしませんが(?),尊敬すべき先輩たちのみなさんですから,できるだけご自分で解決しましょうね)。

 おこづかいを貯めて(?),お気軽に,遠慮せずに,ご利用ください。

     *

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 1954年,北海道生まれ  

 1977年,家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

 2014年,放送大学大学院(臨床心理学プログラム)修了  

 2017年,臨床心理士

 個人開業で,カウンセリング,心理療法,家族療法,遊戯療法,メールカウンセリング,面会交流の相談・援助などを研究

 精神分析学会,遊戯療法学会正会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』),「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 連絡先 メール  yuwa0421family@gmail.com    

 

コメント

いわゆる「戒厳令」ということについて考えてみる-じーじのひとりごと

2025年01月01日 | ひとりごとを書く

 2025年1月のブログです

     *

 いわゆる「戒厳令」ということについて考えてみたい。

 先日、韓国で「戒厳令」が出された。

 国民の反対の声が強く、すぐに撤回されたが、一時は軍隊が国会を占領し、危うい事態だった。

 反対の声を上げた韓国国民の皆さんはすばらしかったと思うし、政府の命令に消極的であった軍隊の人たちもなかなかすごかったと思う。

 もし、日本で同じような事態が生じたら、どうであろうか。

 おそらくは、日本の国民の皆さんはおとなしく事態を眺め、政府の命令で自衛隊や警察が国会や放送局などを占領して、政府による独裁政治が始まるのではないかと想像してしまう。

 権力は腐敗する、という言葉がある。

 最初はすばらしい政治家でも、いったん権力を握ると、権力を反省なしに振るうことになってしまう例が少なくない。

 政治家は通常、任期が決まっていることが多いが、権力を握った政治家は任期を延長し、独裁政治を続ける。

 こうした権力の暴走を止めるために、西欧諸国で三権分立という原理が考え出された。

 小学校や中学校でも習う基本的なことだが、権力を立法・行政・司法の三つに分けて、権力の肥大を避ける仕組みだ。

 民主主義の基本であり、国民主権・主権在民を支える大切な事項だが、権力を握った政治家はこれを守らない。

 外国による侵略を煽って軍隊を増強し、国家の統一を謳って言論の自由を抑圧し、制限して、内乱を起こしてでも権力を維持しようと画策する例が多いと思う。

 そういう例は、権力をまだ握っていないが、権力を握りたいと願っている政治家に多くいるのだろうと思う。

 言論の自由は、権力の肥大を阻止する大切な役目を果たすと同時に、権力からの自由を表すバロメーターではないかと考えられる。

 小説家や随筆家は社会の変化を敏感に感じる「カナリア」みたいな存在だ、とよく言われるが、小鳥を大切にするように、言論の自由も大切に守っていかないと、権力の横暴に鈍感になってしまうだろう。

 そんなことを考えながら、韓国や日本の政治を眺め、ロシアやイスラエルの侵略戦争を憂いている最近のじーじである。      (2025.1 記)

 

コメント

娘が初めて巫女さんのアルバイトをした頃の思い出-子どもがおとなになっていく時を見守ること

2024年12月31日 | ひとりごとを書く

 12月に入り、ニュースを見ていると、時々、巫女さんの出てくるニュースを見かけます。

 巫女さんのニュースを見ると、じーじの娘が高校生の時に、初めてのアルバイトで巫女さんになった時のことを思い出します。

 その時の親子してのドタバタを以前、ブログに書かせていただきましたが、今年も再録します。  

     *   

 年末のニュースを見ていたら、神社の巫女さんのニュースが出てきました。

 それを見て、じーじの娘が初めて巫女さんのバイトをした頃のことを思い出しました。

 今から10数年前、娘が高校1年の冬です。

 朝早く、暗いうちからのバイトということで、親バカのじーじが車で神社まで送りました。

 大みそかの日、お昼のニュースを見ていると、なんと娘が映りました。

 いっちょまえの格好をして、熊手を渡しています。

 娘の渡す熊手でご利益があるのかな、と思いながらも、そういう娘の姿を見て、ふと、この子はじーじに何かがあっても、もう自分で生きていけそうだな、と感心したことを覚えています。

 それまで、妻と二人で、娘と息子を必死で一所懸命に育て、守ってきていましたので、少し安心した感じでした(実際には、娘はその後、私立の大学に進んだので、さらにたくさんのお金がかかったのですが…)。

 高校生のアルバイトには賛否両論があると思いますが、社会性をはぐくむという点ではいいのかもしれません。

 そんな娘も今は2人の女の子の母親。時々、孫娘たちと一緒に遊びに来ます。

 そういう時、正真正銘のじいじいになるじーじは、2人の孫娘たちを相手に遊戯療法のお稽古をさせてもらっています。

 孫娘たちも10年後、巫女さんのバイトをして、テレビに映るでしょうか。  

 二人とも美人ちゃんだからひょっとすると映るかもしれません。

 じーじの夢は果てしなく広がります。        (2014?記)

     *

 2019年12月の追記です   

 今日のお昼のニュースを見ていたら、娘がバイトをした新潟の神社で、高校生のバイトらしき可愛い巫女さんが映りました。

 寒い中で高校女子は今も頑張っているようです。         (2019.12 記)

     *

 2024年のご挨拶です

 本年もたいへんお世話になりました。

 ありがとうございました。        (2024.12 記)

 

コメント

河合隼雄『子どもと悪』1997・岩波書店-「いい子」が自立をするために必要な「悪」を考える

2024年12月31日 | 河合隼雄さんを読む

 たぶん2016年ころのブログです

     *   

 ユング派の河合隼雄さんの『子どもと悪』(1997・岩波書店)を再読しました。

 もう何回目になるでしょうか。

 1997年の本ですから、かれこれ20年くらい読んでいることになります。

 何回読んでも、いろいろと考えさせられる本ですし、河合さんの本の中でもじーじが大好きで重要な本の一冊だと思います。

 内容は、悪と創造、盗みの意味、暴力と攻撃性、うそと秘密、秘密と性、いじめ、子どもをとりまく悪、などなど。

 いずれも、子どもの成長や自立をめぐって、「悪」の大切さを考察しています。

 ここでいう「悪」とは、人間が自立をする際に、ギリシア神話の中で、神さまから「火」を盗んだことに象徴されるような意味での「悪」です。

 そして、それは、子どもが神さまならぬ親から自立をするときに必要なものを意味するようです。

 そういえばかつて「いい子」だった(?)じーじにも、いろいろと心当たりがあります(?)。

 河合さんは、「いい子」のさまざまな問題を指摘し、「いい子」が親や教師などにとっての「悪」を経験することで、本当に成長し、自立をすると述べます。

 そして、「悪」の重要性と、おとなが「悪」を排除せずに、それらを見守る大切さを説きます。

 なかなか難しいことですが、じいじになったじ-じにはとてもうなずける点です。

 おとなが子どもに、じぶんたちにとって「よい」ことだけを求めすぎると、弊害が大きいことは、ようやく世の中の人々もわかりかけてきたのではないかと思います。

 おとなが理解をもって、長い目で子どもたちのいろいろな試行錯誤をゆったりとした気持ちで見守っていけたらいいなと思います。        (2016?記) 

     *  

 2018年秋の追記です 

 子どもの自立、おとなの成熟には、「悪」の問題と同じくらいに「秘密」の問題も大切だと思われます。  

 このことは精神分析でも重要なテーマで、土居健郎さんや藤山直樹さんなどが魅力的なお考えを述べられています。

 いずれご紹介できればと思ってます。        (2018.10 記)

     *

 2022年秋の追記です

 精神分析の藤山直樹さんが『続・精神分析という営み』の中で、「秘密」と「はにかみ」について述べていて、おとなへの道を理解する参考になります。       (2022.10 記)

     *

 2024年のご挨拶です

 本年もたいへんお世話になりました。

 ありがとうございました。        (2024.12 記)



コメント (4)

田中千穂子『ひきこもりの家族関係』2001・講談社-「ひきこもる」ことは、そんなに悪いことなのか!?

2024年12月30日 | 子どもの臨床に学ぶ

 2018年のブログです

     *

 遊戯療法の田中千穂子さんの『ひきこもりの家族関係』(2001・講談社+α新書)を再読しました。

 これもかなり久しぶりの再読です。

 田中さんは(じーじが勝手に尊敬し、大ファンである)本当に信頼できる力のある臨床家。

 子どもの遊戯療法などの本をこのブログでも何回かご紹介していますが、その臨床場面のていねいさと細やかさはすばらしいものがあります。

 その田中さんの「ひきこもり」論。

 本の帯には、「ひきこもる」ことは、そんなに悪いことなのか!?とあって、なかなか刺激的です。

 今回もいろいろと示唆を受けたのですが、その一つめは、ひきこもりは「対話する関係」の喪失、という視点。

 個人の病い、というとらえかたでなく、家族や友人らとの間で、対話をする関係が不十分なために、傷つき、人間関係から撤退している状態、ととらえます。

 二つめは、ひきこもったあとの親への試し。

 親からの安全感が十分でなかったという感情を抱きがちな人が多いので、親がどれくらい本気で心配をし、考えているのかを試す、といいます。

 これについては、田中さんは、無駄を承知で、無駄なことを繰り返して、行動で心配していることを示すのが大切、と述べます。

 三つめは、本人がひきこもりから脱出しようとする際に、うまくいけば吉、失敗すれば死、という極端さの傾向。

 そうではなくて、必要なことは、少しずつ徐々に成功と失敗をくり返していくことである、と説きます。

 田中さんは、本書では、ひきこもりの本人との心理療法ではなく、親ごさんとの心理療法をいくつも提示しています。

 いずれのケースでもその面接の中で細やかでていねいな関わりを示し、そのことが親子関係のありかたの見本やとらえ直しになって、回復に結びつく様子を見ることができます。

 難しい治療ですが、ていねいで確かな心理療法の一端を垣間見ることができると思います。       (2018 記)

     *

 2021年秋の追記です

 同じ遊戯療法家で、精神科医、心理療法家の山中康裕さんが、お得意の「窓」論のほかに「内閉論」ということを述べられています。

 蝶が成長する時に、さなぎという、一見成長していないように見える時期があることに比して、人間も若い時に「内閉」の時期があり、実はそこでちからをたくわえているという視点で、ひきこもりにも有効な見方だと思います。       (2021.9 記)

 

コメント