ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを相談、研究しています

岸良範さん・サリンジャーさん・村上春樹さん-2018年秋の県臨床心理士会の定例研修会で学ぶ

2024年10月06日 | 心理療法に学ぶ

 2018年のブログです

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 昨日の日曜日に新潟大学で開催された県臨床心理士会の定例研修会に出席しました。

 土曜日から孫娘たちが遊びに来ていたのですが、たまには真面目に勉強しているじーじの姿も見せようと思い(?)、「じーじは勉強会に行ってくるね」といって、出かけました。

 孫娘たちはじーじの予想に反して、なぜか笑顔で(?)、お見送りをしてくれました。

 研修会の講師は福島学院大教授の岸良範さん。

 お名前は以前から存知あげていましたが、お話をお聞きするのは初めて、楽しみにしていました。

 テーマは、思春期・青年期と彷徨い歩く力。

 岸さんは大学の先生らしからぬ(?)ユーモアたっぷりのお話で、会場はまたたくまに岸さんのお話に引き込まれました。

 岸さんが、サリンジャーさんの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の中から、村上春樹さんの訳した、寄る辺ない「うら淋しさ」という言葉を引用して、思春期の心性を巧みに表している、とほめられ、村上フアンのじーじもおおいに頷けました。

 岸さんは昔、山王教育研究所にいらしたこともあるということで、学者さんというよりは臨床家という雰囲気が強く、とても参考になるお話をたくさんうかがうことができました。

 じーじの好きなウィニコットさんのお話も聞けて、勉強になりました。

 午後は事例検討。

 若手臨床家のケースに助言をいただきました。

 ある箇所で、岸さんが、自分なら、ここでは発言はできない、哀しみを一緒に味わうことで精一杯かもしれない、と発言をされ、その素直で率直な姿にこころをうたれました。

 ちからのある臨床家は本当に自分に正直で、クライエントさんのことを考えるのだな、と改めて感動しました。

 10時から16時半まで、久しぶりに学生用の固い椅子に座って、体も頭もクタクタになりましたが、こころはすがすがしく、充実した感じになれました。

 いい講義をしてくださった岸さん、そして、いい企画をしてくださった心理士会に感謝します。           (2018.  10 記)

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 2023年4月の追記です

 このブログをどこかで目にしてくださった岸先生から、この時の講演のもとになった論文などのコピーを4本も送っていただきました(岸先生、ありがとうございました)。

 思春期の彷徨いやゆらぎなどについて、深い考察がなされていて参考になります。

 藤山直樹さんも引用されていました。

 そして、事例がすばらしいです。

 女子高校生の内界での彷徨いとそれへの岸先生のより添いが素敵です。 

 勉強になりましたし、感動しました。

 臨床は大変だけど、すごいです。          (2023.4 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通う。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事する。

 1995年頃、調査官でも落ちこぼれ、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com  

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椎名誠『あるく魚とわらう風』2001・集英社文庫-シーナさんの映画『白い馬』上映奮闘記

2024年10月06日 | 随筆を読む

 2021年10月のブログです

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 本棚の上のほうにシーナさんの『あるく魚とわらう風』(2001・集英社文庫)を発見、読む。

 シーナさんの1995年から1996年にかけての日記で、集英社の『青春と読書』に「よれざれ旅日記」という題で連載されたもの。

 これがまあすごく忙しい本で、当時のシーナさんの超多忙ぶりにはびっくりさせられる。

 ちょうどシーナさんの映画『白い馬』が完成して、全国上映をしていた時期。

 新潟での上映会の時には、じーじも観にいって、シーナさんが映画の後にぼそぼそと挨拶をするのを聞いていたことを懐かしく思い出す。

 今から25年前、シーナさん52歳、じーじ42歳。若かったなあ!

 この頃、シーナさんは小説の執筆や文学賞の選考委員としても多忙で、その合間にあやしい探検隊としてのキャンプなどもこなしており、すごい!の一言につきる。

 登場人物も有名な作家さんたちが大勢出てきて楽しいが、中には意外な人、例えば、作家の北方謙三さんや檀太郎さん、脚本家の倉本聰さんなども出てきて、その交遊が楽しい。

 シーナさんファンでなくても、一作家の若き日の奮闘ぶりが楽しく読める貴重な一冊ではなかろうか。      (2021.10 記)

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 2022年9月の追記です

 『白い馬』の新潟での上映会の時は、じーじも県民会館まで観にいって、シーナさんを生で見てしまったんだよなぁ、と思い出す。

 シーナさんは新潟にはちょくちょく来られているし、東川にも行っているようだが、じーじはおっかけではないので(?)、どうもすれ違いだ。

 そういえば、村上春樹さんも生で見たことはないなぁ。

 そういうファンがいてもいいのかな、とも思うが…。      (2022.9 記)

  

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